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残党シャングリラ  作者: タビヌコ
第五章「白星ルーザーと急襲アンダーグラウンド」
74/175

『喧嘩をしましょう』

前回のあらすじ


天気の話ってある程度の仲じゃないと逆に出来ないよね

尾方巻彦は困っていた。


いや、この下り何回目だよ。


よくよく考えたらこの男は大体いつも困っているのでもう言及しないようにしよう。


さて、現実に立ち返っての状況説明だが、


尾方中年は見事逃げる事叶わず、小廻少女に挑戦を叩きつけられた。


「なんじゃなんじゃ! ウチの尾方に挑戦じゃと? なはは! 面白い小娘じゃ! それ尾方! 軽く摘んでやりなさい!」


よくわからないテンションでこの絶句の状況を闊歩する面白い小娘が一名。


「やりなさいじゃないよやりなさいじゃ。ここは止める所でしょう? 上司が扇動してどうすんのさ」


「売られた喧嘩はタダでも買えとはおじじ様の言葉じゃ」


「旧メメント・モリは穏健派組織だったんだよ知ってた?」


「知っておるぞ。だがおじじ様の話によると、穏健派を壊す直ぐにトラブルを起こして前線に突っ走る一般戦闘員が居ったらしいのじゃがその話するかの?」


「いいえ、結構でございますお嬢様。この喧嘩買いましょう」


話が纏まった。


「この小廻めぐるの挑戦、受けてくださるという事でよろしいですか?」


腕を組み精一杯の背伸びをしている少女は堂々と言う。


「いや、よろしいですか? じゃありませんよ小廻さん。いけませんよ争いごとは、貴方には立場と言うものがあるじゃありませんか」


「喧嘩は隙を見て叩き売れとは筋頭さんの言葉です」


「筋頭さんは穏健派の天使として有名なんですよ知ってました?」


「はい、知ってます。ただ私は、その対極に位置する過激派の正義の天使を敬っております。その話を致しましょうか?」


「いいえ、結構です。喧嘩は売れるときに売りましょうめぐるさん」


こっちも話が纏まった。


息の荒い少女二人は睨み合い精一杯の背伸びをしている。


保護者の二人はバツの悪そうに縮こまっている。


「さて、では勝負内容ですがどうしましょう? 私はなんでも構いませんよ。こう見えて千緒万端に精通しておりますので!」


余裕綽々とはこの事とばかりに小廻少女は二人を見回す。


「ふーん! 尾方だって、その...! めんきょ...まんたん...? じゃぞ! そちこそ得意な勝負を選ばんで後悔する事になるじゃろうな!」


「なんですかその免許満タンって! 尾方さんだって呆れてますよ!」


「おお、ヒメなんでおじさんの免許が今年で満了なの知ってるの? すごいすごい」


「ふふん!」


「いやなにを誇らしくしてるんですか! そう意味で言ったんじゃないでしょう!」


「なんじゃと!」


「なにをぉ!」


「...!」


「......!」


「.........!」


少女二人は睨み合ったまま固まる。


「...? どうしたのヒメ、どこか具合でも悪いの?」


「めぐるさんまで? 一体どうしたのです?」


二人の少女は各々の保護者の方を振り返り言う。


「「喧嘩ってどうやってやればいいんですか...?」」

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