第八十七話 第二回イベント④
突然ですがこの作品のタイトルを変えました。執筆し始めた当時はタイトルの通り進む予定だったんですが、気付いたら特別戦闘向きな種族ではなくなっていたという。
あまりにも突然変えたのでタイトルに(旧題:)として元のタイトルを残してますが、次の更新の際にはその部分消しちゃうつもりです。
「うーん、カモ」
「ボク達相手にゴーレムはね······」
「素材寄越すニャー!」
ヒュージトレントと同じくらいあっさりとギガント・ミスリルゴーレムを撃破し、残る高難易度クエストはあと一つ。
四つある高難易度クエストの中でも難易度には差があり、ヒュージトレントとギガント・ミスリルゴーレムはそこそこクリア報告が挙がっているのだが、風竜となるとガクッと報告数が減っており、残る一つはクリア報告がそもそも出ていない。
掲示板で見た内容だと確かに難しそうだね。
敵が一体だけでエースがいれば割とどうにかなる他三つと違って、最後の一つは敵が大量だしボス級が複数出現するからねー。
【高難易度】イベントクエストについて語るスレ3【ムズくね】
1:名も無き異界人
開催中のイベント「ニュクサリナ大騒動 ~望月祭と姫君の願い~」で受注可能なクエストの情報について語るスレ。
>>970次スレ頼んだ
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88:名も無き異界人
風竜クエでまた全滅したんだが
はーつっかえ
89:名も無き異界人
まぁあっさりクリア出来てもつまんないし
とはいえ強すぎだろとは思う
90:名も無き異界人
あの風の防壁はどう攻略するんです······?
爆属性当てたら剥がれるってのは判明したけど当てても一部が一瞬しか剥がれないんだが
91:名も無き異界人
防壁の上から殴ってもダメージの通り悪いんだよなー
制限時間もあるし剥がすのはマストじゃね?
92:名も無き異界人
どうも固定値ダメカっぽいから軽戦士より重戦士、多段型メイジより単発型メイジの方が向いてるなこれ
93:名も無き異界人
つまりクマさんとかバ火力ダークエルフさんか
あの二人いたらだいぶ楽になりそう
94:名も無き異界人
その二人は相手が無効持ちじゃない限りはTier1入る人らだろ
95:名も無き異界人
そういやクマさんがバ火力さんとか酔いどれ猫さん、せいばーさんと一緒にいるの見たんだが
今思えばプレイヤーの中でも火力トップクラスの人たち連れて防壁ごとぶち抜くつもりだったのかもしれない
96:名も無き異界人
結局クリアできたんだろうか
その面子ならクリアできてもおかしくないぞ
97:名も無き異界人
むしろそのメンバー勢揃いで無理だったらレイドでも怪しくないか?
98:名も無き異界人
······確かに
99:名も無き異界人
あれ?私はそこに歌エルフさん加えたの見たんだけど
歌エルフさんは風竜より最難関のアンデッド軍団向きだからそっちじゃないの?
100:名も無き異界人
おや
101:名も無き異界人
95と99はいつそれ見たんだ?
102:名も無き異界人
99です。
私が見たのは今日よ
103:名も無き異界人
昨日見た95でーす
104:名も無き異界人
これは風竜クリア説濃厚か······?
105:名も無き異界人
クリアしたんだとしたら何パーティで攻略したのか
フルレイドで挑んだ奴らそこそこいるのにクリア報告五件くらいだぞ
106:名も無き異界人
半分くらいでクリアしてそうな気もする
クマさんならきっとやってくれるさ
107:名も無き異界人
いや、クマさん率いるあのパーティなら推奨人数の四分の一でもクリアしてくれるはず!
108:名も無き異界人
さすがにクマさんにも出来ることと出来ないことがある
あ、三分の一予想で
109:名も無き異界人
クマさんへの厚い信頼よ
110:名も無き異界人
信······頼············?
111:名も無き異界人
まぁ信頼っちゃ信頼か
112:アイリス
正解は2パーティだゾ☆
113:名も無き異界人
ファッ!?
114:名も無き異界人
四分の一どころか六分の一······?
115:ヒバナ
メインアタッカーその一です
116:マタタビ
メインアタッカーその二です
117:もこもこ
タンクです
118:あるとりあ・ぺんどるぁごん
サブアタッカーです
119:スノウ
テイマー兼バッファー兼サブアタッカーです
120:名も無き異界人
おぉ、一人だけ役割が多······って誰だアンタ!?
121:名も無き異界人
あのトンチキパーティに新メンバーだって!?
122:名も無き異界人
どういう方向性にぶっ飛んでるんだ······?
123:スノウ
ぶっ飛んでる前提なのやめてもらえます???
124:名も無き異界人
いやぁ、あのパーティに新しく入った人が普通のプレイヤーなわけないじゃないかHAHAHA
125:名も無き異界人
あのパーティのメンバーが普通のプレイヤーだったことがないよね
126:アイリス
お前は紛れもなくぶっ飛んでる側だよ
127:ヒバナ
なんならパーティでも一二を争うぶっ飛び具合よな
128:マタタビ
このメンバーじゃアチシが一番普通寄りニャ
129:名も無き異界人
いや、それはどうなんだ······?
130:マタタビ
アチシはぶっ飛んだスキルそんな持ってないニャ
131:名も無き異界人
あー······マタタビさんはスキルじゃなくて本体がぶっ飛んでるタイプだから他のメンバーよりは持ってるスキルが穏当なのか
132:もこもこ
それ言ったら私も普通寄りかね?
133:アイリス
それはないだろ防御力オバケ
134:あるとりあ・ぺんどるぁごん
普通ではないですね
135:スノウ
ボクの魔法でろくにダメージ入らない人は普通じゃないですね
136:名も無き異界人
結論:全員ぶっ飛んでる
◇◆◇◆◇◆◇
「アンデッドとか大軍相手に相性抜群なんで連れてきた」
「どうも、セイネイです」
「······今更お前がトップ層連れて来ることには驚かんが、よくセイネイを捕まえたな。ログインが不定期すぎて会うのすら苦労するって話だが」
「まぁ身内ですからね。普通に連絡取りますよ」
「「「え!?」」」
「おまっ」
「セイネイさん、リアルの情報はあまり出さない方がいいかと······」
「······?リアルの身元が判明しているわけじゃないんですから、身内かどうかくらいなら大丈夫と思ったんですが」
「············皆言ってないだけで、セイネイさんのリアルには割と勘付いてますよ」
「······!?」
この女性は星宮寧音。父さんの妹、つまりボクの叔母だ。
音楽に関して万能と言える才能を持ち、歌はもちろんほとんどの楽器において世界トップクラスの技術を誇るミュージシャンである。
世界中から引っ張りだこの超有名人だが、割とマイペースなのと十分な蓄えを既に持っているのが理由で仕事は気分で受けるかどうかを決めている。
そのためオフが非常に不定期で、ヒバナさんが言うようにレアキャラ扱いされるのも仕方ないことだろう。
ちなみにプレイヤー名の由来としては「星」宮「寧」音を音読みにして繋げた、という形である。
「このゲーム、カラーリングは弄れますし種族ごとで微妙に補正入りますが、それでも基本的な造形は変わらないのでセイネイさんレベルの有名人は············ねぇ」
「グッズ買いに行く時とか顔隠してないのにバレてませんでしたが······?」
「(それはメイク担当スタッフの技術の賜物です)」
「(あ、そうなんですね)」
「何吹き込んでんだスノウ」
「何か思う所があるんだろ」
ちなみに寧音さんもアストレア所属。正確に言うと、株式会社アストレアの音楽部門「ステラレコード」所属である。部門こそ違えど十六夜セツナと同じ会社なのでコラボの歌ってみたとか出してたりする。
寧音さん的にはVTuberのように歌以外にもゲームや雑談したりなどのスタイルの方が性に合っているらしく、時々「ぱんでもにうむでデビューさせてほしい」と打診されるのだが、どうせすぐにバレて寧音さんとしての仕事のオファーが山のように積みあがるのが目に見えているので丁重にお断りさせていただいている。身バレが約束されてるVTuberはねぇ······。
なお、ミュージシャンとしての仕事が嫌というわけではないらしい。
「えー············気を取り直して、クエスト行きましょうか」
「お、おう」
「私とアイリスの関係はどうかオフレコで······」
「このパーティには言いふらすような奴はいないが······」
「気を付けようねー?」
「······はい」
「はいクエストスタート」
「雑すぎる······」
◇◆◇◆◇◆◇
「Ooooooooo······」
「こいつがボス一体目、死霊騎士か」
「カタカタカタ······」
「で、こいつがボス二体目の嘆く怨霊だっけ」
「「「「「Ahaaaaaa」」」」」
「あとは無限湧き疑惑の雑魚の大軍と。鬼畜だねぇ」
「ボス二体に戦力割き過ぎたら大軍に圧殺されて、逆だと普通にボスに蹂躙されるからなぁ。まぁ手筈通りにやってみるか」
今回の役割としては、
・死霊騎士担当:あるとりあ・ぺんどるぁごん、アイリス
・嘆く怨霊担当:もこもこ、ヒバナ、スノウ
・大軍担当:リル、ヴァルナ、マタタビ
・全体バフ&デバフ担当:セイネイ、スノウ、ユリア
こんな感じである。ボクが二つ担当するのは、片方だけだと手持ち無沙汰になるうえもう片方の手が足りなくなりそうだから。ヒュージトレントやギガント・ミスリルゴーレムの際は目立たなかったが、そもそもたった二パーティで挑んでいるため人数が少ない。役割分担をしょうとして手が足りなくなるのは当然のことなのだ。
セイネイ『曲のリクエストあります?』
ヒバナ『リクエスト······』
もこもこ『セイネイさん相手だと気分的にリクエスト出しづらいのでおまかせで』
マタタビ『上に同じニャ』
セイネイ『······私、そんなイメージ持たれてたんです?』
スノウ『誰しも有名人相手は委縮してしまうものですよねー。一緒にプレイするだけならまだしも、歌のリクエストを出すのに遠慮するのも仕方ないかと』
アイリス『とりあえず明るめの曲ならなんでもいいわ』
「どうしますか、スノウちゃん」
「ここで洋楽とかガチ聖歌選んだらさらに委縮されそうですし、有名なアニソンでもいきましょう」
「そうですね」
〈演奏:鎮魂歌〉
「~♪」
二人で曲を決めてセイネイさんがイントロを演奏し始めると、曲に気付いたプレイヤー組の視線がボク達を捉えて離さない。
え、そんな変な選曲した?下ネタでもないし普通にアニソンだよ。
······とりあえずボクも歌うか。
〈歌唱:鎮魂歌〉
「とっとこ~♪」
「~♪」
様々なイベントで流され、曲に合わせてグルグルと走りながら謎の言葉を叫ぶことでお馴染みの某ハムスターアニメのオープニングテーマが戦場に響き渡る。
群れの大半はそれだけで浄化され、残っている上位種やボス二体も絶えずダメージを受けて少し苦しそうにしている。
アイリス『なんでその曲選んだ???』
もこもこ『ハ〇太郎の曲でアンデッド達が浄化されていくのシュール過ぎて腹筋に悪い』
ヒバナ『これは例のコールをしろって前振りだな』
あるとりあ『それよりスノウちゃんの歌プロ級では?』
皆一番のコールは知っていたので戦いながら全員でコールを行い、二番以降は知っている人のみでコールを行った。
皆ノリ良いね。
そういや三番のコールはアイヌ語なんだっけ。なんでアイヌ語なんだろうね······?いや、一番が英語で二番が日本語なのにも理由ないし、そもそもコール自体に大した意味ないんだけど。
「同じ曲ループするのも味気ないですし、色々しましょうか」
本家より替え歌の方が有名な某少女アニメのOPをはじめ、正気度が危険なラブクラフトコメディのOPだとか、男性アイドルが歌ったドラマの主題歌だとか、リズムはよく知っていても曲名は知らない洋楽など多種多様な曲でパーティメンバーの援護を行う。
もちろん嘆く怨霊への攻撃も続けている。聖属性と光属性がよく育つ。
マタタビ『雑魚が歌だけでほぼ溶けてるからアチシら割と暇ニャ。リル達も平気らしいし、ボス優先で二人のうちどっちかは〈鎮魂歌〉からバフ系の歌に切り替えてほしいニャ』
スノウ『了解です』
セイネイ『了解しました』
曲が流れていると肉声の会話は聞き取りにくいのでは、ということでこの戦闘ではチャットで意思疎通を行うことになっている。
直接会話するのはボクとセイネイさんみたいに共に行動している者同士だけだ。
「どっちがアーツ変えます?」
「スノウちゃんが祝歌で聖属性バフ撒いてください。今の楽器は〈鎮魂歌〉に補正が入るものですから」
「はーい」
〈歌唱:祝歌・攻聖〉
【歌唱】と【演奏】は歌う、もしくは演奏する前にどのアーツを使うかを決めて曲を始めることで曲が聞こえる相手全員に効果を適用するスキルである。
曲が聞こえる相手なら敵味方関係なく効果が及ぶため、味方の強化が敵の強化に繋がらないように、もしくは敵の弱体化が味方の弱体化にならないように注意する必要があり、少々扱いづらい。
また、曲が途切れると当然アーツの効果もなくなるので戦闘中は曲を途切れさせてはならない。一曲終わって次の曲に切り替えることもあるからか数秒は猶予があるが、もたもたしてるとアーツの効果が完全に途切れてしまう。(今の会話でギリギリ)
パッシブアーツの中には歌唱(演奏)をどれだけ続けているかでアクティブアーツに補正が入るものがあるため、短時間だとあまり効果が高くないのだ。
アーツの消費MPは微々たるもので、フィールドボスやレイドボスなど長期戦に関しては他のバフデバフ系スキルより向いているが、戦闘が短時間で終わりやすい普段の素材集めやレベリングでは活躍も育成も難しい。
とまぁ、はっきりとした長所はあるものの、その長所が輝く場面が少なく、他人に自身の歌声(演奏)を聞かせるという行為への心理的ハードルが高いのもあって習得しているプレイヤーが少ないのがこの二つのスキルである。
ちなみにアーツはほぼ同じである。
〈祝歌〉:属性攻撃による与ダメージ増加、属性耐性上昇。
〈呪歌〉:属性攻撃による与ダメージ減少、属性耐性低下。
〈独唱曲〉:パーティメンバーの種族の数が少ない程ステータス上昇。
〈交響曲〉:パーティメンバーの種族の数が多い程ステータス上昇。
〈聖譚曲〉:武術系スキル、アーツの効果上昇。
〈行進曲〉:移動速度上昇、被ダメージ減少。
〈鎮魂歌〉:浄化効果。普通の生物には影響ないが、アンデッドや瘴気を身に宿す存在にはダメージと弱体効果。
〈夜想曲〉:精神系状態異常耐性上昇。
〈幻想曲〉:魔法系スキル、アーツの効果上昇。
〈狂想曲〉:スキルの制御難易度と効果量、範囲をランダムに上昇。
〈練習曲〉:スキルの成長速度上昇。
アーツの効果には法則性がなく、とりあえず他のバフ系スキルに負けないように増やしたような背景を感じる。
アイリス『こっちは普通に削りきれそうだわ』
ヒバナ『こっちも今のペースで十分いけそうだ』
スノウ『厳しそうならヘイト無視して私もアタッカーに参加する話でしたが、大丈夫そうですね』
もこもこ『スノウちゃんこのパーティで一二を争う撃たれ弱さだし、あんまりヘイト持たせたくないんだよねー』
セイネイ『ただでさえ支援系はヘイト稼ぎやすいのに、それに加えて攻撃もしてますからね。もこもこじゃなくて並のタンクだったらとっくにスノウちゃんがタゲられてるんじゃないですかね』
スノウ『両方のタゲ持ってもガン逃げすれば死にはしませんよ』
あるとりあ『風竜も途中からスノウちゃんがタゲ取ったまま終わりましたもんね。避けタンクとして非常に優秀でした』
アイリス『AGI高めだし魔法で加速できるし翼で三次元機動できるしで俺より生存力高いぞこいつ』
スノウ『回避力ならともかく生存力はアイリスの方が上ですよ。物理であれ魔法であれ直撃もらえば割とすぐ死にますから。あと背水系のスキルも持ってないですし』
ヒバナ『え、持ってないのか?HP一割以下の状態でしばらく戦ってたら簡単に生えるぞ』
マタタビ『アチシもだけど、防御系ステータスもHPも低いプレイヤーがその状態で戦い続けるのは厳しいニャ。······アチシら並みに脆いおミャーが持ってるのはかなりおかしいニャー』
ボクは普段の狩りじゃほぼ攻撃食らわないんだよねー。一割どころか半分も切らないという。
アイリス『騎士の方半分割ったぞー』
ヒバナ『怨霊もそろそろ······ん?騎士の方に行こうとしてやがるぞこいつ』
もこもこ『残りHPが条件っぽいね。怨霊も半分以下になると何かおこるかな。······あ』
あるとりあ『おや』
タイミングよく怨霊のHPが半分を切り、それまで頑なに騎士の方に向かおうとしていた怨霊が動きを止めた。ゾンビ達雑魚の群れのポップも止まり、騎士と怨霊に魔力と瘴気が集まっていく。
スノウ『騎士と怨霊に瘴気および魔力が集中してます。ほぼ間違いなく強化されるかと。邪魔します?』
マタタビ『様式美的にナシニャ』
アイリス『さらに強化されるとメンドいからノータッチで』
セイネイ『過去に状態移行中のフィールドボス小突いたら超強化されたことありましたよね』
なら静観か。············お?
ヒバナ『あいつら互いに近づいてんぞ。憑依か合体かでパワーアップするパターンだろ』
スノウ『これ中断させて強化された二体相手にするのと大人しく合体させた一体を相手にするの、どっちのが楽なんでしょうね?』
アイリス『俺ら少人数だから一体の方が戦いやすいし放置で』
あ、予想通り怨霊が騎士に取り憑いた。
アイリス『やっべHP回復し始めた。誰か弾速高いやつでしばいてくれ』
スノウ『ほいさ』
この手のモーションはある程度のダメージを与えないと中断できないのがお決まりなので弾速はもちろん威力も考えて聖属性と雷属性の【混成魔法】で『魔弾』を数発叩き込む。
スノウ『よし、中断できましたね』
アイリス『ガン攻めすんぞー』
セイネイ『ここまで強化されると〈鎮魂歌〉の効果薄いので〈呪歌〉で聖属性耐性下げときます』
マタタビ『アチシアンデッド系ボスが相手だと役立たずだニャ······ニャ!?』
あるとりあ『雑魚のポップ止まったと思ったら再開しましたね』
ヒバナ『しかもハイゾンビやらメタルスケルトンが中心になったうえにグールみたいなさらなる上位種も出てきたんだが』
アイリス『んー······怨霊担当からスノウは騎士担当に合流してバフは維持しながら攻撃参加、他は大軍担当に合流して殲滅で。セイネイも大軍担当に合流してヒバナと一緒に守ってもらえ』
スノウ『はいはーい』
セイネイ『了解しました』
もこもこ『え、セイネイさんどうやってこっち来るの?大軍担当とは近いからすぐ合流できるけど、セイネイさんはちょっと遠いから確実に群れに潰されるよ』
セイネイ『スノウちゃん』
スノウ『空輸します』
あるとりあ『······よく言いたいことが分かりましたね』
ヒバナ『熟年夫婦かな?』
「実際身内なんですが······言っちゃいます?この人たち口は堅いから言っちゃっても大丈夫だと思いますよ」
「驚かせたいだけでしょ?まぁいいですけど」
「バレましたか」
寧音さんは割と悪戯好きである。バラエティ番組に時々出演しているが、中でもドッキリ系にはノリノリで参加する。むしろ自分から出演を打診するくらいだ。
ボクほどじゃないが声真似が上手で、仕掛け人として出演し見事に騙し切ったことが何度もある。
なお余談だが、十六夜セツナも「ぱんでもにうむ」のドッキリ企画常連である。声真似の練度が高い故か見破られたことがないため、企画の初回から仕掛け人はずっと私です。
セイネイ『スノウちゃんも親戚ですからね』
スノウ『いぇーい』
ヒバナ『はぁ!?』
アイリス『あ、言っちゃうんだ』
マタタビ『何なのニャその家系······』
死霊騎士はパワーアップして攻撃の威力や範囲は強化されたものの、攻撃パターンがほぼ変わらずこの後特筆すべきこともなくクエストクリア。
これで高難易度クエスト制覇と、イベントのストーリーを進めるのに必要とされる情報断片の収集が完了したのであった。




