第三十八話 思わぬ再会
お待たせしました!テストも無事に終わったので投稿しました!
あぁ、全教科で平均点越えれてよかった······。
08/03追記
いつの間にかブックマーク1000越えてるぅううううう!?気付かなかった······。
皆さんのおかげです!ありがとうございましゅ!m(_ _)m
顔どころか全身を真っ赤にして使い物にならなくなったアルフはジャンヌさんに任せて、市場でおじさんに頼まれた食材や調味料をおつかいしたり、リル達が食べたいと言ったものを買って与えたり、アクセサリーの露店を見たり、色んな店を見物しながら王都を歩いていたボクは、少し開けた場所に出る。
馬車がたくさん並んでいて、人の動きが忙しない。ぼーっとしていたら、人の波に飲まれてどこか知らない場所に行ってしまいそう。
ここは王都でもかなり端っこの方かな?そう遠くない場所に、超巨大な防壁があるし、門も見える。あ、どこかの街から馬車が来たみたい。積み荷に珍しい食材があるかもしれないし、ちょっと待とう。
約十分後、検問が無事に終わって馬車が広場に到着し、中から人が······お?シユ姉達じゃん。今日はジークさん達じゃなくて、別のプレイヤーと一緒にいるんだね。って、あの顔は······漣と桔梗か。二人もこのゲームやってたんだね。漣の種族はエルフ、桔梗の種族は······鬼人かな?ティノアよりかなり大きいから、ティノアが妖鬼、桔梗が闘鬼なはず。
とりあえず二人にはプレイヤーネームを聞いておこう。そうじゃないと、現実での名前を呼んじゃいそう。ちなみに、現実での漣はクールな見た目のインテリメガネ、桔梗はいかにも体育会系なマッチョ。体格は現実とそこまで変わっていない。
シユ姉達に向かって手を振ると、ボクに気付いた四人が全員揃って目を丸くして驚く。
「「「「スノウ!?」」」」
え、なんで皆して驚いてんの?
「なんでアンタがもうこの街にいるんや!?」
なんでって言われてもね。ただ王都にいるだけでそこまで言うことかな?
ボクが首を傾げていると、シユ姉から説明が入る。
「一昨日まで、アインスから王都への道に大型モンスターが住み着いとったせいで馬車がやってなかったんよ。一昨日のプレイヤーの討伐作戦でやっとおらんくなって、馬車のメンテとかしてやっと運行が再開したんが今朝でな。ウチらが乗ってきたんが運行再開してから最初の馬車やねんで?なんでそれに乗っとらんかったアンタが王都におるん?」
そんなことがあったなんて全く知らなかったよ。ボクはちょうど一昨日から王都に来たから、タイミングが悪かったね。······《遍在邸宅》がアインスにも王都にもあるから、ボクはアインスにいないとは断言できない。しかも、ドアのダイヤル見たら、他にも行き先があったんだよねぇ。
「·········なんと言うか、まぁ、“跳んだ”」
「「「「“飛んだ”!?」」」」
うん、(《遍在邸宅》で空間を)跳んだから間違ってはない。シユ姉達でも《遍在邸宅》の存在を明かす気はないから、このまま勘違いしてもらっておこう。
「アインスとこことの間の距離は特急の馬車でも半日はかかるんだがな······。まあ、久しぶりだな、スノウ」
「うん、久しぶり。······あれ?ボク達、こっちでは初対面だよね。なんでボクの名前知ってるの?」
このゲームを始めてからボクが出会ったプレイヤーは、シユ姉達だけ。ボクのプレイヤーネームはシユ姉達以外知ってるはずないのに、どうして桔梗が知ってるの?
桔梗はシユ姉を指差しながら、ボクの問いに答える。
「ああ、それはコイツに聞いただけだ。俺達はよくパーティーを組んでいるんでな」
そっか。それなら納得。
「そういうことね。あ、二人のプレイヤーネームは?」
「俺も漣も現実と変わらん。いつも通りにキキョウとレンでいい」
「こっちでもよろしくな!スノウ」
「よろしく、キキョウ、レン。ところでティノア、今日はジークさん達は一緒じゃないの?」
「一緒。でもカナデが酔ってダウンしてる」
·········このゲームに乗り物酔いってあるんだ。リアルだねぇ。ボクは乗り物全般大丈夫だけど、乗り物酔いある人は大変だろうね。
「それで、スノウはどうだ?楽しくプレイできてるか?」
「うん、とっても楽しいよ!色々なスキルも習得できたし!」
「それならいい。どうせだし、ここにいるメンツで少し狩りに行くか······って、そういえばカナデはダウン中だったな」
「皆さんは狩りに行ってください。少し休んでたら、治ると思いますので」
フラフラと足元が覚束ない状態でカナデが馬車から出てきていて、そのカナデが倒れないように横でジークさんが支えている。
「私はカナデを看ていよう。ラナとディアナが行ってくるといい」
そう言いながらジークさんがカナデをお姫様抱っこをすると、カナデが顔を真っ赤にする。
おーい?それは女の子のリアクションだよ?まぁ、顔を赤くする理由は、女の人にお姫様抱っこされるのが恥ずかしいからなのかもしれないけど、カナデの見た目が女っぽくて、そうとは考えられない。
「ご、ご迷惑をおかけします······」
······ねえ、ボク的にはこういうシチュエーションだと性別逆だと思うんだけど。タカラ○カっぽい顔立ちの女性剣士が顔を赤らめた神官服の男の娘をお姫様抱っこって、特殊な層を狙いすぎじゃない?
「あ、アタシは午後から用事あるからもう落ちる」
「私も」
えーと、つまり······。
「この五人が集まるのは久しぶりだね」
七月入ってからはなんだかんだで忙しかったからねぇ。オンラインで一緒にゲームやゲーム配信はやったけど、VRではあるけれどこうやって顔を合わせるのは久しぶりなんだよね。
『そういえば、私こいつら知らないわね』
『『『知らない人ー』』』
え?リル、ヴァルナ、イナバは学院の二次試験の途中で出会ったから知らなくて当然だけど、ユリアはアインスで契約したよね?
『スノウ、私と契約してから異界人に会った?』
『············』
言われてみれば、ゲーム初日にシユ姉達と別れてからプレイヤーと関わった記憶がないような·········。ゲーム始めて十日くらい経つけど、プレイヤーと会ったのが初日だけって······。あれ、UTOはMMOだよね?オフラインじゃないよね?
「スノウ、どうかしたのか?」
「いや、少し考え事してただけだよ。それより、狩りに行くならまずギルドに行かなきゃね。レベリングとクエストを一緒にこなした方が効率いいでしょ?」
「「「「異議なし」」」」
う〜ん。ユリアと『念話』してる時の言い訳、別パターンのも考えた方がいいかな?ずっとワンパターンだと怪しまれちゃいそうだし。······いや、どうせ狩りの時に今のステータスとか聞かれるだろうし、そのタイミングで言えばいっか。
〜クエスト受注&移動〜
五人でギルドに行ってボク以外の四人が職業に就き、クエストも受けて現在は森を散策中。
モンスターを探してウロウロしていると、キキョウが突然ボクの方を向いた。
「スノウ、やけに多くのクエスト受注してたな?」
あ、やっぱ気になるよね。ボクだって、誰か知り合いが大量のクエスト受注してたら理由聞くからなぁ。
「今金欠なんだよ」
「なんだ、買い食いでもしたのか?」
縁日とかお祭りだといつも早々に買い食いで所持金使い果たしてる漣には言われたくない。······原因はその通りだけども。
出かける前におじさんから食材の買い出しを頼まれて、その食材用のお金とリル達へのお小遣いをおじさんから渡されていた。食材費は足りたけど、リル達の食欲が予想よりかなり高かったのが今の金欠の原因だ。お小遣いはとっくに枯渇し、ボクの元からの所持金にも手を付け、それでも残りの所持金が二桁になった程の食欲。三人を少し甘く見てたよ·········。食材費は余っているが、それに関しては食材の買い出し以外には1ゴルドたりとも使っていない。ご飯用に渡されたお金で買い食いするのはダメでしょ。
今受注しているクエストには「○○の△△を□□個集めろ」みたいな形式のが多いが、実は半分以上はすぐにでも終わらせられる状況だったりする。なぜかというと、アインスの北にある森と、今いる森は同じのようで、クエストの対象のモンスターがアインス付近でも出没するため、既に集まっているからだ。さらに、ギルドの職員さんによると、クエストが出ていないモンスターでも素材買い取りはしてくれるそうなので、クエストの達成報告の時に色々と買い取ってもらうつもりだ。アインスで取った素材も学院の二次試験で集めた素材もあるし、大金持ちとまではいかなくとも、小金持ちくらいにはなれるかな?
「ウチとしては、金欠の理由よりもその装備の方が気になるな」
「確かに。あまり女物の服を着たがらないスノウは巫女服を着ているのは珍しい。きっと、かなり優秀な装備」
ティノア、正解。ボクは、大体のゲームでは装備は見た目より性能で選ぶ性格だ。まぁ、このゲームではあまり過激なのはごめんだけどね。今までやってきたゲームと違って、UTOは素顔がモロに出るからね。髪や目の色、種族が変わっても顔が変わってないので、リアルでの知り合いならこっちでも分かるので、派手な装備を着ているのがリアルでの知り合いにバレると、イジられるリスクが大きい。
この戦巫女一式は袴が少し短いだけでステータス補正はものすごく高いため、当分はこの装備でプレイしようかなと考えている。え?ミニ袴は気にならないのかって?小さい頃に柊和姉と雫乃によってスカートとやミニスカートを何度か着せられてるのでもう慣れたよ。·········男子高校生としてスカートに慣れていいのかという点はノーコメントで。
「HP、MP、APの補正はないけど、ステータス補正はすごく高いよ」
ステータス画面から装備の詳細を開いて四人に見せる。
「「「「はぁ!?」」」」
あっ(察し)。戦巫女一式、絶対に他のプレイヤーの装備より性能いいよね。しかも段違いに。さすがにVIT補正が金属製の全身鎧を越えることはないと思うけど。······低いよね?
「嘘だろ雪······。俺の鋼製の全身鎧より硬いとか·········。しかもAGIのマイナス無いしよ」
ちょっと漣。こっちではスノウ······ってえ?マジ!?この巫女服は金属製全身鎧より硬いの!?
「えっと、ボクの装備ってそんなに性能高い?」
ボクのその問いに答えたのはキキョウ。
「高いどころか高すぎる。現在プレイヤー間で出回っている防具の中で一番高いVIT補正がレンの鎧だ。お前の巫女服とは違ってMNDやHPの補正、AGIのマイナス効果もあるが、VITだけでも布装備が金属装備を越えるのが異常なんだ。魔鋼やミスリルも発見だけはされているが、プレイヤーの【鍛冶】のスキルレベルが足りないし、なにより量が少ない。これでMNDまで高かったら金属製装備の立場が無くなるぞ······」
そう長文を言い切ってため息をつくキキョウ。
······言えない。魔鋼はないけど、ミスリルやダマスカス、さらには少量ではあるけれどオリハルコンにアダマンタイトまで持ってるなんて言えない。
先程のキキョウに続いてボクに戦巫女一式の異常さを説いたのはティノア。
「この手甲と足甲も高性能すぎる。STRとINTの補正が両方ともここまで高い武具は見たことがないし、どっちかに特化したステータス補正の武具でもこれには及ばない」
この装備ってそこまでのレベルなんだ······。おじさん達はこれを「能力値補正が低い」だなんて言ってたんだけどなぁ。おじさん達には何度驚いてもキリがないよ。
「どこでこんなモンをゲットしたのか詳しく聞かせて······って、うぇー。グラディエータベアー二匹とかマジかよ」
レンがボヤきながら顔を向けている方向を見てみると、二匹の熊が走ってこちらに近づいているのが分かった。
お?これってリル達のお披露目のチャンスじゃない?戦闘シーンで出した方がインパクトがあるし、リル達の強さにシユ姉達も驚くでしょ。
そうと決まれば善は急げと、四人より一歩前に出たボクを、四人が不思議そうに見つめる。
「まさか、こいつらを一人で相手する気なん?」
「できないことじゃないけど、今回はボクだけじゃなくてこの子達もだよ。リル、ヴァルナ、イナバ、出ておいで!ついでにユリアも!」
次々と魔法陣が出現し、リル、ヴァルナ、イナバ、ユリアが現れる。
『やっと出番なの!』
『······がんばる』
『相手は熊なのです?なら、下剋上なのです!』
いつものように三者三様の返事をしてから片方のグラディエータベアーに向かっていくリル達。·········動物の種類としては兎より熊の方が上だけど、生物の種類としては魔物よりも精霊獣の方が上じゃない?果たして、兎の精霊獣が熊の魔物に挑むのは下剋上なのかと少し悩む。
『何を戦闘が始まろうとしてる時に考えてるのよ。あと、私はついでなの?』
『ついでというより、サポートかな。今回はリル達のレベリング優先だから、ユリアは支援と回復だけお願い』
『あぁ、そういうことね。で、もう片方は誰が相手するの?』
『ボクがやるよ。【仙闘術】と同じタイミングで習得したけど、今まで一度も使ってない【精霊術】を試そうと思ってるから』
『確かに、スノウが【精霊術】を使ってる所を見た記憶がないわね』
『それじゃあ、ユリアは三人をお願いね』
『分かったわ』
ユリアが返事してからリル達の方に飛んでいく。······うわぁ、ヴァルナがこれでもかってくらいに脳筋戦法だ。攻撃は勢いがつく前に自分の身体で止めて被ダメージを抑えて、ひたすらに引っ掻いたり噛み付いたりしてるよ·········。
「スノウはいつのに【召喚術】を習得してたんや?前に会った時はあんなのおらんかったで?」
「この十日間で習得したんだと思う。それより、既に契約相手が四体もいることが驚き」
「一体、ないしは二体でグラディエータベアーと戦えるレベルまでもう育ててるとか信じられんな。何レベだ?」
リルとヴァルナはまだ1レベだよ?
「······俺らの出番は?」
「「「あ」」」
よし!インパクトは十分だね。皆驚いて固まってるし、このまま倒しちゃお·········って、あ。空飛ぶトカゲがこっちに向かってきてるじゃん。多分、ワイバーンかな?ヴァルナはユリアのサポートさえあればタイマンできるだろうし、もう片方の熊はリルとイナバに任せよう。
え?シユ姉達?まだ固まってるし放置で。ボク達で素材と経験値総取りだよっ!
リル、ヴァルナ、イナバ、ユリアに一斉に『念話』を発動する。
『ヴァルナはそのまま一人で熊を相手して!リルとイナバは二人でもう片方の熊を!ユリアは三人の支援と回復をお願い!』
『······分かった』
『りょーかいなの!』
『やったるぞー、なのです!』
『ちょっと、スノウだけサボる気?』
『いや、ここにワイバーンが向かってきてるから、ボクはそいつと戦うよ』
『そういうことね。なら納得よ』
リル達に指示を終えたとほぼ同時にワイバーンがボク達の頭上に到着する。シユ姉達はやっとワイバーンに気付いたようで、かなり遅めの戦闘態勢を整える。
「こんな所でワイバーンやて!?しかも五体!?」
「ぬう。私のリーチじゃ無理」
「俺も無理だ」
「俺とシユでどうにかするしかないな。五体はかなり厳しいが、やれる所まではやるぞ。ティノア、レン、ちゃんと俺たちを守れよ!」
······え?ワイバーンでそんな悲観的になる?二体の地竜ならともかく、ワイバーンとか飛んで叩き落とせばヌルゲーだよ?
『よく考えてみなさい。誰も翼を持ってないわよ?あと、誰もがスノウみたいに魔法をすぐ放てるわけじゃないのよ。詠唱の隙をワイバーンが狙ってくるわよ』
『あぁ、なるほど』
ボクは【真·竜魔法】のおかげで詠唱時間がほとんど無いけど、普通のプレイヤーは魔法に詠唱時間があるんだよね。まぁ、その代わりにボクは範囲魔法が使えない。『魔弾』も『魔槍』も『魔纏』も単体用の魔法だからね。MPを過剰に込めた『魔砲』なら範囲攻撃できるかもだけど、どうしてもコストに結果が見合わないだろう。
シユ姉達にワイバーンは厳しそうだし、ボクがさっさと撃ち落とすか叩き落とすかしないとね。ボクが今使える【精霊術】は·········?あるぇー?これも【真·竜魔法】の影響を受けてるっぽい?
使用可能なのが『精霊弾』、『精霊槍』、『精霊砲』、『精霊纏武』の四つしかない。なんかデジャヴ············。あれか、もう範囲攻撃は覚えるなと。そういう運営からのメッセージかな?おっと、今は戦闘中だった。さっさとワイバーンを落とさないと。
魔力と霊力を混ぜて精霊力を練り上げ、『精霊弾』をワイバーンの翼の皮膜に撃ち込む。五匹の中で一番ガタイが大きい個体には命中しなかったが、他の四匹には命中して落ちてくる。
うおぉう。急所に当たったわけでも弱点属性で攻めたわけでもないのに、ワイバーンのHPがゴリゴリ削れてる。さすがエクストラスキル。
飛行能力を失いながらも、戦意を衰えさせることなくこちらに向かってきた四匹の首を『精霊纏武』を発動させた爪で刎ねてHPを削り切り、『魔砲』で勢いよく飛び上がってから最後の一匹に踵落としをぶち込む。
ドッガアァン
と大きな音を立てて地面に墜落したワイバーンを追って重力と【神速通】で加速し、
「〈烈孔〉っ!」
三連撃のアーツでとどめをさす。
「ガァアアア······」
最後に唸り声をあげてから、ワイバーンはその身をポリゴンの粒子へと変えた。リル達もちょうどグラディエータベアーを仕留めたようで、ズズゥンと熊が倒れた音と思わしき地響きが聞こえてくる。
あ、解体のオプションを戻すの忘れてた。自動解体は発動してないからワイバーンとグラディエータベアーは死体のまま残っている。······少し手数料は取られるけど、ギルドでの買い取りの時に解体はしてもらえるし、いっか。
『終わったのー!』
『······お腹空いた』
『下剋上達成なのです!』
『ちょっと物足りないわね。もう少し強い魔物はいないのかしら?』
······ヴァルナ、もうお腹空いたの?早くない?狩りに行く前にあれだけ食べたよね?
ヴァルナがボク達五人の中で一番大食漢なんだけど、リルも結構食べるしなぁ。イナバはイナバで身体の大きさに合わない量食べるし、ウチのエンゲル係数ヤバそう。
あとユリア、戦闘前はめんどくさがってたのに手のひらクルックルしてるじゃん。そんな戦闘好きだったっけ?
「どうやったら十日でこんなことになるんだ······。おいシユ、UTOみたいな自由性の高いゲームでスノウを野放しにしたら予想できないことをしでかすって覚えてなかったか?」
「最近こういうゲームはやってなかったし忘れてたわ·········。いつもゲームでスノウだけ自由行動してるから慣れてもうてた」
「どうしたら毎回毎回やらかすのか理解できない」
「スノウはそういう奴なんだろ」
·········なんか色々好き勝手に言われてるんだけど。「野放し」だとか「やらかす」だとかボクを一体なんだと思ってるの?
「で、四人はモンスター狩らないの?クエスト失敗すると違約金が発生しちゃうよ」
そのボクの言葉に慌ててモンスターを探す四人。やっぱり違約金は嫌だよね。
必死にモンスターを探す四人と、大体の必要素材は確保してるので余裕があるボク達でしばらくモンスターを駆逐するのだった。
余談だが、この後もボクは色々とスキルを聞かれ、ボクの答えを聞いた四人が呆れるなどという一幕があったりしたのである。




