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第十二話 新たな称号と不良在庫のスキル群

 二人の昼ごはんを終えて、倉庫に移動。ここも図書室みたいに広さがおかしい。現在二人はボクに渡す魔導書と技能書を選別している様子。·········棚から出され、ボクの目の前に積まれている数が尋常じゃない。この中から厳選するんだよね?これら全部をボクに渡すんじゃないよね?


「うむ、このぐらいかの」


「そうだな。とりあえずこれくらいにしておくか」


 とりあえず!?まだ増える可能性あるの!?


「まさか······その魔導書と技能書の山の全てをボクに渡す気なの?」


「「そうだが(じゃが)?」」


「ほれ、魔力を通せば使用できるからさっさとやるのじゃ」


「遠慮しないでいいぞ。この家では大量に余ってるから痛手は全く無いんだ。それにさっきのエメロアの行為の詫びも兼ねてんだ」


 こんなに貰うのはちょっと気が引けるんだけどな······でも、善意を断るのも失礼だしなぁ。うう······。


「うむん、まだ遠慮しているようじゃの」


 何を思ったのか、いきなりエメロアがボクの腕を掴んで手を魔導書と技能書の山に向ける。


「良いではないか〜良いではないか〜」


「それなんか違くない!?」


 ズズズ············

 エメロアはボクの魔力回路に干渉し、勝手に魔力を魔導書と技能書に通し始めた。

 うわ、誰かに魔力を動かされるのって気持ち悪っ!


『【水属性魔法】を習得しました』


『【土属性魔法】を習得しました』


『【光属性魔法】を習得しました』


『【影属性魔法】を習得しました』


『【聖属性魔法】を習得しました』


『【闇属性魔法】を習得しました』


『【古代魔法·時空】を習得しました』


『【古代魔法·幻影】を習得しました』


『条件を達成しました。称号《古代竜の叡智》を獲得しました。称号の効果により新たな進化先が解放されました』


『【魔力操作】を習得しました』


『【魔力自動回復】を習得しました』


『【魔法陣学】を習得しました』


『【支援魔法】を獲得しました』


『【生活魔法】を習得しました』


『【剣術】を習得しました』


『【槍術】を習得しました』


『【槌術】を習得しました』


『条件を達成しました。称号《物好き》を獲得しました』


『【短剣術】を習得しました』


『【斧術】を習得しました』


『【刀術】を習得しました』


『【投擲】を習得しました』


『【二刀流】を習得しました』


 最後の方はマジで不要なの押し付けてきたよね!?ボクの戦闘スタイルを知ってて渡すラインナップじゃないよ!?

 それと、なんか二つほど称号獲得した。効果がとても気になるからステータス画面で確認しよっと。


《物好き》

獲得条件:戦闘系、魔法系、生産系のスキルをそれぞれ五つ以上習得していること。

効果:全ての武術アーツ、魔法、生産アーツの消費MPが一割減少。


《古代竜の叡智》

獲得条件:□□、または■■の血脈を継承していること。十二種類以上の魔法を習得していること。

効果:INTとMPに+50%の補正。魔法の消費MP一割減少。新たな進化先が解放。


 《物好き》という名前に込められた少しの遊び心は兎も角、二つ共効果はチート級だね。特にINTとMPへの50%の補正がえげつない。······ってちょっと待って。聞き間違いだと思ってたのに『新たな進化先が解放』ってマジ?ユニーク種族ってやつかな?どんなのか今から楽しみだよ。

 それに、その性能の高さからか《古代竜の叡智》に獲得させる気のない運営の悪意をひしひしと感じる。魔法を十二種類以上とか鬼畜すぎるし、□□とか■■の血脈の継承者なんてほぼいないんじゃないかな?多分こんな序盤でこの称号の獲得者が出るのは運営からしたら想定外だろうなぁ。

 そうだ、ついでに【魔力操作】と【魔力自動回復】も確認しておこう。


【魔力操作】:あらゆる魔法の構築速度が少し速くなり、威力調節が可能となる。また、魔力を知覚しやすくなる。


【魔力自動回復】

このスキルはⅠ〜Ⅹの十段階があり、スキルレベルが上がると一秒あたりのMP回復量が10アップする。現段階での秒間回復量は10。


 ふむふむなるほど。威力を調節できるようになったけど、運用は難しくなったと。というかステータス画面を確認して思い出したんだけど、またLP振りを忘れてた。起きた時にやろうと思ったのに別のことに気を取られてそのままにしちゃってたね。よし、忘れないように今振っとこう。

 そんで結果はこちら。




Lv17

HP 500   MP 6600  


STR 380     INT 510

AGI 420     DEX 250

VIT 50      MND 100

LP0 SP5


エクストラスキル

真·竜魔法


種族スキル

竜鱗

竜言語理解

竜眼

飛行

威圧


汎用スキル

爪術Lv17

格闘術Lv18

魔力Lv20

魔力操作Lv1

剣術Lv1

槍術Lv1

槌術Lv1

短剣術Lv1

斧術Lv1

刀術Lv1

投擲Lv1

二刀流Lv1

敏捷上昇Lv16

器用上昇Lv1

火属性魔法Lv14

雷属性魔法Lv15

風属性魔法Lv13

水属性魔法Lv1

土属性魔法Lv1

光属性魔法Lv1

影属性魔法Lv1

聖属性魔法Lv1

闇属性魔法Lv1

古代魔法·時空Lv1

古代魔法·幻影Lv1

回復魔法Lv1

支援魔法Lv1

生活魔法Lv1

調合Lv1

錬金術Lv1

魔法陣学Lv1

刻印術Lv1

鍛冶Lv1

料理Lv1

付与Lv1

魔力自動回復Ⅰ


 INTとMPが順調に異常な伸び方してるね、うん。やっぱり《古代竜の叡智》の補正がデカいかな。あと······汎用スキルの欄がカオスなことになってる。ボクのステータス見た人は二度見しそうだなぁ。スキルの数がおかしいもん。それに、エクストラスキルやら古代魔法やら色々と人には見せられないものもあるしね······このステータスは簡単には見せちゃいけないのが丸わかりだよ。


「エメロア、勝手にボクの魔力を操作しないで?」


「こうでもせんとおぬしは受け取らないじゃろうと思っての」


「無理矢理受け取らせているんだけどそれは······。それに、割と本気で在庫処分してきたね?」


「知らんの」


「【剣術】や【槍術】、【槌術】とかはボクも使わないって知ってたよね?」


「まあいいじゃねぇか嬢ちゃん。嬢ちゃんは遠慮してたけど、俺たちが無理矢理受け取らせたんだから引け目を感じることはねぇぞ」


「次は装備じゃ。早う行くぞ」


 エメロアがいきなりボクとおじさんの腕を掴んで魔法を発動させる。おじさんは慣れているようで全く動じていなかったけど、ボクは事態の急変に思考が追いつかなかった。

 へ?いきなり魔法発動!?展開が速すぎてついていけない!?


◆◆◆◆◆◆


 魔導書と技能書のあるエリアから魔法で移動してボクたちは今、武具エリア的な所にいる。二人の捜索の時に見つけた部屋はエメロアとおじさんの装備しか置いておらず、余っている武具は倉庫のこのエリアに保管されているらしい。······空間転移を使わなきゃいけないってどんな広さをしているのだろうか。迷ったら一週間は帰れない気がする。


「まずはアレだろ。防具とか武器は何にする?」


「防具は布鎧(クロースメイル)軽鎧(ライトメイル)じゃろう。それか所々に金属のパーツを付けるのもいいのう。武器はオープンフィンガーグローブに手甲と足甲がぴったりじゃ」


「嬢ちゃんに合いそうなのあったっけな······布鎧とオープンフィンガーグローブなら魔絹(マナシルク)で作られたのがあるな。手甲と足甲はミスリル製のでいいか?」


 あれ?この二人を放っておいたら武具のランクがえらいことになりそうな気がする·········。


「安物でも貰えるだけありがたいからそんな高くなくていいよ?」


「いや、嬢ちゃんの魔法の強さとかを見るに、武器の素材は見合った物じゃねぇとすぐ壊れると思うんだよ」


「心配せずともおぬしの強さに合った物を選んでやるから安心せい。遠慮せずに要望とかを言ってくれんかの?そうせんと武具がありすぎて選びにくいのじゃ」


「強いていうなら···魔法防御(M N D)の強化効果を付与されてもボクには意味がないからそれ以外ならどれでも嬉しいかな」


「うむ。了解したのじゃ」


 そうして選ばれたボクの装備は···


魔絹(マナシルク)とミスリルのバトルドレス

物語に登場する、戦乙女をイメージして作られた装備品。見た目は戦乙女に近づけることができたが、戦乙女っぽい付与スキルを付けられなかったのが悔しいとのこと。

VIT+120 AGI+70


魔絹(マナシルク)のオープンフィンガーグローブ

本来、ドレスなどに使われるような魔絹(マナシルク)で作られた装備品。世の奥様方に、装備品に魔絹(マナシルク)を使ったと知られれば怒られること間違いなし。

AGI+50


ミスリルの手甲、足甲

ミスリルで作られたシンプルな装備品。デザインにきらびやかさはないが、耐久性は折り紙付き。

STR+75 INT+60


 ··········え?素材のランク高すぎない?


「こんなに良い装備貰っちゃって本当にいいの?」


「ミスリル程度なら数十t以上余らしてるから気にすんな」


 数十t!?ミスリルはそんなにありふれた金属じゃないはずだよ!?


「それにこのバトルドレスさ、結構露出度高くない?」


 今のボクの言葉の通り、二人から渡されたこのバトルドレスは、露出が多いのだ。元男のボクは着るのを躊躇うくらいには。胸元が大きく開き、肩や太ももも露出している。ちなみにおへそもチラリズム。


「あー······男ならこれ着るのは辛いわな。じゃあ別の装備探すか?」


「パンツァーよ、これ以外でスノウに合う装備はワシがもう探しておったが、どれもこれより露出が高かったのじゃ」


「マジでか?このランクの装備が一番少ねぇのが仇になったか。」


 このバトルドレスが一番マシって·········。


「例えばこういうのじゃ。着てみるかの?」


 そう言ってエメロアが取り出したのは、ビキニアーマーのような装備。つまりは女性の下着くらいしか面積がない。


「このバトルドレスで十分です勘弁してください」


「分かっておるわい」


「あ、そういやアレを忘れてたな」


「チッ、忘れておらなんだか」


「往生際が悪いぞエメ」


「嫌なら渡さなくていいからね?」


 この時点で既に貰い過ぎだもん。


「いいのじゃ。どっちみちワシやパンツァーでは使えんからの」


「どういうこと?」


「ワシら二人は装備できんのじゃ」


 エメロアはともかく、おじさんでも装備できない?それじゃあサイズの問題ではないよね。


「持って来るからちと待っておれ」


 時空魔法でエメロアが転移してから数分後、エメロアが花の髪飾りを持って戻ってきた。


「髪飾りならエメロアが装備できるんじゃないの?」


「これで髪を結おうとしても、髪飾りが捻れて結えないのじゃ」


「そんなことってあるの?」


「十中八九、精霊が宿っておるのじゃろうな。ワシも姿を見たことはないが」


 へぇ。精霊が宿っているアイテムってあるんだ。······ん?


「ねえ、ボクでも装備できない可能性は十分にあるんじゃないかな?装備できない物を渡されても困るよ」


「じゃから一度触れて魔力を流してみせい。相性が良ければ精霊が姿を見せるはずじゃ」


「おっけい」


 言われた通り魔力を髪飾りに流してみると、急に髪飾りが輝き始める。


「ねえ!何これ!」


「うむ!精霊が出てきそうじゃの!どんなのが出るか楽しみじゃ!」


 エメロアは子供のように目をキラキラさせている。あ、ダメだこの人話聞いてくれない。


「結構光ってるなぁ」


 おじさんは暢気すぎ!もう少し警戒して!?

 髪飾りの光は段々強くなっていき、次第に目が開けられなくなる。そして視界が真っ白に染まってーーーーー



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[気になる点] スキルの派生でなんかまとめてほしい、多すぎ
[一言] 面白いです。続き楽しみに、しています。 これからも頑張ってください。
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