群青心の話
はあ、上崎君ってホントにカッコいい。
そう思わない?思わないか。彼の良さって、近くに居ないと伝わりにくいかも。
ここに入学した時、まだ私が慣れない環境でダンゴムシみたいに縮こまってる時、彼は声をかけてくれたの。
初めは何か下心があるんじゃないかって警戒しちゃったけど、ただただ優しいだけって気がついたの。ちょっと不器用だけどね。
一緒にいる内に、彼の良さがだんだん分かるようになってきたの。知ってた?彼、普段はお喋りだけど、本当に親しい人といる時は結構無口なのよ。
え、桂さん?ああ、沙夜とも一緒にいるわね。けど、私はあんまり好きじゃないかな。
私と同じように彼に声をかけられて、それからずっと三人で行動してるけど、なんというか、場違いっていうか。
ほら、私と彼、どっちも静かめの人間じゃない?ああ、さっきも言ったとおり、親しい人といる彼を基準にね。
けど、沙夜は私たちとは反対側にいるというか、私たちが月だとすれば、彼女は太陽っていうか。
ヤダ、何言ってんだろ私。恥ずかしいから今のは忘れて忘れて。
あ、そうそう。この前三人でお祭りに行ったの。彼ってば、花火を見て口をぽかんとさせちゃってね。普段のクールな感じも良いけど、子どもっぽい表情も良かったかも。
それで、彼、私の手を握ってきてね。恐る恐るっていうか、ちょっと臆病な感じに。
嬉しかったなあ。あの日の思い出は永久保存ものね。
え?付き合ってるのかって?
うーん、どうなんだろう。それは微妙な感じ。告白とかそういうのも無いし。
けど、もし彼から告白してきたらきっと受けちゃう。というか、そろそろしてくるんじゃないかって睨んでるの。
彼、最近私の前だとちょっとソワソワしててね。少し怪しい感じなの。
はあ、いつ言い出してくれるのかなあ。




