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第五話 唯物論者

久しぶりに父に会えたシゲルだったが……

「お父さん、お久しぶりです」

「おお、シゲルか。元気にしていたか?」

「はい。家族もみな変わりありません」

「それは何よりだ。ところで、研究は進んでいるかね?」

「ええ。お父さんの研究を引き継いでから十年になりますが、新しい機械を導入した効果もあって、格段に進歩しています」

「それは頼もしい。それでどうだ、わしの考えは間違っていなかったろう」

「この世に科学で説明できないことなどない、というお父さんの教えに基づいて、世界中を調べましたよ」

「で、どうだったね?」

「はい。ネッシーがイタズラだということはわかっていましたが、イッシーもウッシッシーもイタズラでした」

「そうだろ、そうだろ」

「ヒマラヤには、雪男と言われるイエティもいませんし、ミキティもいません」

「ふむふむ」

「また、今の日本には鬼太郎も魔太郎も、楽太郎もいません」

「ほうほう」

「UFOもサウスポーも透明人間も消えました」

「なるほど、なるほど。よく調べたな」

「でも、お父さん。最近、ちょっと迷っていることがありまして」

「ほう、それは何だね?」

「もしかして、霊魂というのはあるんじゃないかと」

「馬鹿なことを言うんじゃない。この宇宙は物質とエネルギーで成り立っている。そのどちらでもない霊魂などというものがあるはずがない。あれほど口をすっぱくして教えたのに、まだわからんのか!」

「すみません。これからは迷わず研究を進めます」

「よろしい。それでは、みんな仲良く暮らしてくれよ。ウンニャラハラマー。うんうん。はあ、いががでやんすた。まだ、おどさんぬ会いだくなっだどぎぬは、ここぬ来ればええよ」

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