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第二話 スーパーヒーローインタビュー

街頭インタビューにつかまったスーパーヒーローは……

「あのー、すみません、ちょっといいですか」

「えっ、おれのこと」

「そうです。あなた、ウルウルマンさんですよね」

「そうだけど。あれっ、何これ。テレビなの」

「はい、銀河テレビです」

「あ、だめだめ。今はプライベートだから。変身してないときは、おれだって一般市民なんだから」

「ほんの少しの時間で結構ですので、街頭インタビューをお願いできませんか」

「だめだって。そういうのはちゃんとプロダクションを通してくれなきゃ。専属契約だからさ」

「一応、マネージャーさんには、ご了解をいただきましたけど」

「ええっ、あいつ何も言わなかったけどなあ。ん。ははあん、ドッキリか。ドッキリだな」

「いえいえ、ちゃんとした番組ですよ」

「おいおい、そういう言い方は、その、マズイだろ」

「あ、いえ、決してドッキリさんの批判をしているわけでは。えっと、はじめまして」

「え、何、ハサミみたいな手つきして。まあ、いいや。そんなことより、早くしてくれ」

「よろしいんですか」

「ああ、いいよ。でも、次のアポがあるから、急いでくれよ」

「それではお伺いします。あなたと異星人たちのバトル、あれってどの程度本気ですか」

「ど、どの程度って、百パーに決まってるだろ。ガチンコだよ」

「そうでしょうか。必殺技を出すタイミングがいつも遅い、と言われていますが」

「あのなあ、マーベラス光線はものすごく体力を消耗しょうもうするんだよ」

「だからこそ、体力に余裕のある最初に出すべきでは」

「それ外されたら、どうすんだよ。残りの時間、やられっぱなしかよ」

「なるほどなるほど。最初にやられて、最後に逆転する、という段取りですね」

「え、何、その段取りって。イヤな言い方するなあ。おれの高等戦術だよ」

「そうですか。次の質問ですが、何故異星人たちは、この国ばかり狙うのでしょうか」

「おいおい、それっておれに聞くことじゃないだろ。異星人に聞けよ」

「一説では、あなたがプロモーターを通じて宇宙から呼び寄せている、とも言われていますが」

「そんなカネがあるかよ。向こうの勝手だろ。もっとおれ自身のことを聞けよ」

「それではうかがいますが、変身したとき、あなたの背中にあるファスナーは、何のためのものでしょうか」

「バ、バカ。あれは、その、タテガミだよ。金属光沢こうたくのあるタテガミなのっ」

「ほう」

「なんだよ、その疑わしそうな目は。次、次の質問」

「ウルウルマン三兄弟についてですが、顔や体の模様がずいぶん違っていますよね」

「ええと、それはだな、最初はそういう設定じゃなかったからだよ」

「お、正直に言いましたね」

「そんなの、調べりゃわかるだろ。あの、ゴージャスな姉妹だって」

「ごほんごほん。それは置いといて、最後の質問です」

「もう、ホントに最後にしてくれ。時間がないんだ。もうエネルギータイマーが鳴ってるよ」

「二日前の夜、銀座であなたがペロタン星人と飲んでいた、との情報がありますが」

「え、いや、あの、なんだ、見間違いだよ。そんなわけないだろ。敵同士なのに」

「お、スマホが鳴ってますよ。出なくていいですか」

「あ、いいんだ。待ち合わせの相手から催促さいそくだろう。じゃあ、急ぐから。シュパッ!」

「おやおや、あわてて飛んで行くから、スマホ落としていったよ。あれ、ペロタン星人からメールが来てるぞ」

《もー、ウーさん遅ーい。三十分以上待ってるんだぞ、プンプン》

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