心の闇を見た(副隊長side)
俺は、帝国軍第二特殊大隊副隊長の
ファルクス=ファン=アディアナ、
一応伯爵子息だ次男と言うこともあり爵位は継げないため自分で騎士となり地位を得ようとした。
俺は大隊長という立場が内定されていたのだが、昨年現れた騎士によってそれは阻まれた。その名は、
レオンハルト=ニューゴッド
黒曜石のような美しい長い髪に、黄金のような瞳、そして人とは思えないほどに美しい中性的な顔立ちをした男だった。
そいつはある日騎士の入隊試験に一頭の白馬とともに現れた。成績は過去新記録を次々と突破し、本人の希望により第二特殊大隊に入隊し、多くの功績を挙げ一年足らずに大隊長となった。
あいつのカリスマ性に魅せられた仲間達は次々とあいつに夢中になった。言っておくが俺はまあいつには屈したりはしない!
今回は南東の森に危険度がAAAを超える魔物が出たという情報が入ったそいつの討伐のために、今日から遠征に行く。
この機会で部下も地位も取り返してやる!
「準備はできたか?」
「はい、完了しております。」
あいつはいつも無表情だ。〔準備はできたか?〕と聞く時さえ、表情はピクリとも動いていない。あいつの笑顔を見たらその先の人生が薔薇色になるっていう噂もあるぐらいだしな。まあ、あいつの顔は認めたくはないが綺麗だしな。笑顔を見たいってのは分からなくはない。
「そうか。では、出発!」
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いく途中の道ではあいつが一番前をあの白馬に乗りながら進んでいった。出る魔物は全部があいつの剣で瞬殺されて行く。何でも、故郷の【カタナ】というらしい。
「今日はここで野宿だ。全員にそう伝えてくれ。明日には南東の森に着くだろう。」
俺は隊員に野宿することを伝え、あいつについて行く。
「ファルクス、もういいお前も休め。俺はラグズを休ませて今日は寝る。」
「わかりました!失礼します。」
あいつの声に返事をし、隊員の元へ向かう……………ふりをしてあいつをつける。
馬小屋に着いたあいつは、愛馬のラグズに話しかけている。
「聞けラグズ!今日は、私をコケにしてくれたクズどもを見かけたんだ!嗚呼、嬉しい!この上なく嬉しい!」
あいつは蔓延の笑みで笑い、話かけた馬の前でクルクルと回っている。その後に続いた言葉を聞いて俺は背筋を凍らせた。
「早くこの遠征を終わらせなければ!あのクズどもがいつ死ぬか分からない!どうしようか!指の一本一本をペンチでへし折ってみるか?それとも、魔法で少しずつ血液を沸騰させてみるか?それとも、異空間に飛ばして永遠の孤独を味あわせるか?あ!少しずつ体を潰して行く。というのもいい!楽しみだ!
早く会いたい!向こうから来てくれてもかまわない!あいつは私が殺すのだから……………アハッ!アハハハ………アハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「嗚呼、簡単に死んでくれるなよ?
私の復讐相手♪」
自分があいつに言われていた相手だと、考えるだけでも体が竦む。
コッエェェエエエエエエエエ!!!!
怖すぎるだろ!あいつの顔が笑顔すぎて怖いし。あいつには、いや!大隊長殿には、一生逆らうまい!
大隊長は一体誰なのか!?
気になる結果は?
CMの後!
嘘ですごめんなさい。




