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10、日常

 あの事件から、一週間という時間が経った。

 斬也くんに殺された人の数は四千人にも及び、世間ではテロリストが引き起こした事件であり、テロリストは自殺したという事でカタが着いた。

 岡村さんと神内さんだけが、この事件の詳細を知ってるけど、そんな事を他の人が信じるわけがない。岡村さん達も黙っていると言っていた。




 私達は元の生活に戻った。父さんが背骨の骨折で、三ヶ月入院する事になったけど、後遺症は残らないって。

「こら! 何してんの!」

 あの日以来、私と木葉は学校中を回って、いじめをなくす活動をしている。今も気の弱そうな男子を、数人の男子が囲んでカツアゲしてたけど、私達が怒ると逃げていった。私はともかく、木葉が強い事を知ってたからだ。

 ついでにカツアゲされてた男子も逃げちゃったけど、気にしない。

「ちょっとずつでいいから、あたし達でこういう活動を続けていきましょ」

「うん」

 相変わらず、木葉は私のベストパートナーだ。

 あの事件が私達を変えた。いじめの問題に向き合う事にしたの。斬也くんみたいな、悲しい人の存在を知ったから。

 そういえば、シャサさんはどうしてるかな。斬也くんがああなったのはあの人のせいだけど、さすがに懲りたと願いたい。

 龍霊さんから、あの日本刀を鞘から引き抜かないよう念入りに言われていたし、もう斬也くんが現れる事はないと思う。斬也くんの怪談は、本当にただの都市伝説になったんだ。




 でも、私と木葉は、これからもいじめ問題に向き合い続けていく。




 ――どうして、僕ばっかり……――




 あの時の斬也くんの顔と言葉が、忘れられない。だから、私達は戦う。




 第二、第三の斬也くんを生まない為に。






この作品を見て、いじめ問題を真剣に考えてくれる人が増える事を願っています。

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