10枚のレポート 前編
私は今留置場にいる、恐らく明日には絞首刑だろう。だが私は遂に成し遂げたのだ。完成させたのだ。
〜5年前〜
私は高校で世界史の担当をしていた。とりわけ人気というわけでは無かったがそれでも熱心に授業を受けてくれる生徒は何人かいた。
その中の一人にロイ・ピーターという生徒がいた。彼は生物学を先行していたが何故か私の授業の出席回数が多いと不思議な生徒だった。
ある小降りの雨の日の事だ。
「先生!」
「どうしたんだいロイくん。えらく息を切らしてまで。」
すると彼は背負っていた鞄の中からとてもびっしりと、恐らくラテン語で書かれたであろう藁半紙の束を取り出してこう私に言ってきた。
「これは先日私の叔父が亡くなって遺産として相続した物なんですけど、なんて書いてあるのかわからなくて。」
「なるほど。それで私ならこれが読めるだろうと思い私のところまで来たと。」
「はい。僕じゃあこれが何処の国の言葉すら分からなくて。先生なら分かると思いまして。」
「確かに私ならこれが分かるよ。これはラテン語で書かれてるね。インクや紙の状態から見て恐らく11世紀頃に書かれたものだと思う。だがこんな量を訳せと言われても直ぐには無理だよ、まずは10枚程だね。」
「本当ですか!ありがとうございます。」
「気にしなくてもいいよ。私も興味が湧いてきたからね。じゃあ三日後に私の教室まで来なさい。そこで渡すから。」
そう言って私はピーターから渡されたレポートをろくに読みもせずカバンにしまい彼とは別れた。まさかそのレポートのせいで後に9人も殺すとは少しの予想もせず、、、、、
〜どうも今回からこのCthaato Aquadingen 水神クアタトを書かせて頂いているねこ丸と申します。今回が生まれて初めて書く小説なので誤字脱字や間違った文法が多々あると思いますが楽しんで読んで頂けたら幸いです。
@neko127maru127という名前でツイッターしてます。フォローして頂けたら感謝。