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掌編小説

決断

作者: 風富来人

 散らかった部屋、日々増えていくいらない物。

 それらから目をそむけベランダに出てタバコをふかす。

 またいらない物が増えた。

 タバコの吸殻、タバコの空き箱、火のつかなくなったライター。

 風に吹かれてレジ袋が宙を舞う。

 またタバコが切れた。

 新しいタバコを買いにコンビニに行こうか?

 いや、これを機会に禁煙しようか?

 いつもこの悩みを繰り返しイライラする。

 結局、このイライラを解消したいがために新しいタバコをコンビニに買いに行く。

 タバコ代を消費しタバコの吸殻を生産し続ける毎日。

 会社の喫煙者とのコミュニケーションを取り続けたいがためにタバコを吸い続ける。

 日々薄れていく嫌煙者の妻からの愛情。

 タバコを吸った後のキスは拒まれる。

 タバコを吸い続ければいずれ私が妻からいらない者扱いされるだろう。

 禁煙しよう。そうしよう。

 これ以上妻からの愛情を損なわないために。

 これ以上自分の体の健康を損なわないために。

 今度こそ私の決断は揺るがない。

 タバコが吸いたくなったら深呼吸してみよう。

 私は大きく深呼吸をした。

 眼下では風に吹かれて新緑が爽やかに揺れていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品を読んで昔、父から聞いた話を思いだしました。 私たち(姉がいます)が生まれる前まで父は煙草を吸っていたようなのですね。じゃあどうして今は吸ってないのか、と聞くと父は「お母さんのお…
2016/06/19 11:01 退会済み
管理
[一言] 私の経験 1カ月の禁煙を成功させても、私は禁煙を続けることができなかった。 フラッシュバックはないけれど、考え事をする時に気持ちが落ち着くのです。 私は問いたい。 嫌煙は叫ばれるのに、なぜ嫌…
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