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2:侵入する者への罰

「上陸まで、あと3分」

 5隻の高速艇が、誰もいない島へと近づく。

 巨大なクレーターが島の中心にあるこの島は、大陸へ侵攻する為の重要拠点となる。

 極東戦域に於ける最終防衛ラインに駐屯する特殊攻撃部隊《飛翔》は、第一防衛ラインの先にある無人島に敵がいないかを確認し、万が一敵の基地などが存在した場合にはそれらを全て撃滅する。

 隊員は50名。全員が対魔法弓矢を携行し、また魔物がいた場合に備えてロングソードも携行している。

 黒ずくめの隊員たちは、遠くに見える絶壁に覆われた未知の島を見据え、ただ到着するのを待っていた。


 50人の隊員は、難なく絶壁を登り、島へと上陸した。

「こちらアルファ、ブラヴォーからエコーへ。作戦通りだ。展開せよ」

 先頭にいる男は、ヘッドセットを介して全員に無線でそう告げた。

 瞬間、全員が一斉に移動用の魔法を展開。魔法屑と呼ばれる黒くて細かい粒子のようなものが、少しだけ発生する。

 そして、高速艇で移動していた時と同じ、5つのチームに分かれると、それぞれが別々の方向へと散っていった。


 数分後、ほぼ同時にクレーターの端に着いた部隊員たちは、クレーターの中心部にいる何かに気付いた。

「こちらブラヴォー、総員に告ぐ。クレーター中心部に未確認の魔物を確認!」

「こちらチャーリー、同じく魔物を確認。人の形をしています。背中に白い翼も確認」

「こちらエコー、データベース照合失敗。未知の魔物の可能性が極めて高いと推測」

「こちらデルタ、まだこちらには気付いていない模様。動きはありません」

 アルファチームに所属する隊員も、無線が終わった直後にそれを確認した。

「こちらアルファ。ブラヴォーからエコーへ。全員、クレーター周辺に別の魔物がいないかを確認せよ。敵はアルファが片付ける。オーバー」

 無線を切ったアルファチームの隊員たちは、ロングソードを構えた。


 クレーターに降り立った隊員10人は、一斉に高速移動用の魔法を展開。足元から魔法屑が噴き出すと同時に、時速100キロ以上のスピードで魔物へと突っ込んでいく。

「攻撃開始!挟んで仕留めるぞ!」

 瞬間、二手に分かれたアルファチームは、両側から挟んで仕留めようとした。


―――そんな下らないことで、魔法を行使するの?

―――私は嫌いだよ。だから、さようなら。


 魔物、と呼ばれた少女が持つ純白の羽が、一瞬で漆黒に染まる。そして黒くて綺麗だった眼が、紅蓮に染まる。

 ゴバッ!という凄まじい音を立てて、少女の周りの地面が抉れた。

 そして、砕け散った岩が、音速を超えて隊員たちの体を抉る。ある者は頭が吹き飛び、ある者は胴体が跡形もなく消し去られた。

 数秒も経ずに、10人いた《飛翔》のアルファチームは全滅した。


 ゴバッ!という音が、先ほどより大きく聞こえた。衝撃波が島中を駆け巡り、探索中だった他のチームも先ほどのクレーターに引き返す。

 だが、クレーターの端に足を掛けた途端、彼らは恐ろしいものを見た。

 アルファチームの惨状ではない。そんなものがどうでもいいくらいに感じられるほど、それは恐ろしかった。

 漆黒の羽が生えた少女。手に持つのは、黒雷を放つ剣。そして、深紅色に輝く双眸は、虚ろながらも、尋常ならざる殺気を放っていた。


 これが、最後の光景だった。

 人間が聞き取れるレベルを超越した途轍もない爆音と共に、少女の持つ剣から赤黒い雷弾が発射された。

 すかさずガードを試みる隊員たち。世界屈指とも呼ばれる攻撃部隊のガードは、ほぼ全ての魔法を無効化する。今までに破られたことは、一度もなかった。

 だが、少女の持つ剣から放たれた雷弾は、それをいとも容易く破り、隊員たちを一瞬のうちにして消し去った。

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