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聖女の私にできること  作者: 三ツ陰 夕夜
第五章 相愛

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第四十九話 力を増した聖女の業

 急に強くなった聖女の業。

 その原因と思われるものを一つずつ考えていた。

 毒殺未遂、毒の治療、長期の休暇、そして・・・。

 その事に思い当たった瞬間、一瞬で顔に身体中の血が集まり、沸騰してしまうかと思った。

 まさか、アレか?アレなのか???

「聖女ちゃん?!大丈夫??」

 幸太郎先生の声が遠くに聞こえる。

 聖女としての力が強くなることはとても喜ばしい事だ。だがしかし、その原因がアレであったなら、さすがに、さすがに恥ずかしすぎる・・・!

「気分悪い?横になる?」

「だ、大丈夫です。お気になさらず・・・」

 本気で心配してくれる幸太郎先生にひとまず返事をして、ゆっくりと深呼吸をする。

 まだそうと決まったわけじゃない。いや、違う。違う、と信じたい。

 そうであってくれ・・・!

 無駄なあがきであることは重々承知の上で、私はアレ以外に原因と思われることがなかったが必死で頭を巡らせていた。



 そんな思いを知る訳もなく。

「お力が以前より増しておられるのですか?」

 そう聞いてきたのは木村先生だった。

 お昼休憩を終えた私は、木村先生の治療のお手伝いをしていたのだが、運がいいのか悪いのか頭部を怪我した患者さんが現れたのだ。

 先生が傷だけで大事ない事を確認し、当然私が治す流れになった。

 午前中の治療での光景は見間違いじゃなかったらしく、やはり聖女の力は増しているようだった。

 そして、先程のあの言葉だ。

 「はい、まぁ・・・」となんとも歯切れの悪い返事をしてしまったが、そこは木村先生。

「原因に心当たりがあられるのですね?」

 患者の表情を読むプロの前では、私の感情などほとんど筒抜けだ。

 好奇心からなのか何なのか、先生は教えてほしそうにこちらを見てくる。

 聖女の業のパワーアップは医療所にとってはプラスでしかないし、そりゃあ聞いてくるだろう。

 木村先生はアレのことなど知らないわけだし、聞かれてしまうこと自体は必然だ。それは分かっている。

 だけど、この事を公言するのだけは、絶対に無理だ。

「とても人に言えるような事では無いので・・・」

 下手な誤魔化しはしない。

 その方が追求されないこともあるのだ。

 木村先生は少し驚いた表情だったが、言いたくないのならとそこで話を終わりにしてくれた。さすが気遣いの天才といったところか。

 このままこの話がたち消えてくれることを切に、切に願う。



 夕方になり帰宅の時間。

 護衛のお侍さんは、仕事中は邪魔にならない位置に控えていてくれたらしく、気にせずに仕事を終えることが出来た。

 これぞプロの護衛という感じだ。

 正門と、何門だったか名前の忘れた門を二つくぐると「では、私はこれで」と帰って行った。

 明日はまた同じ時間に来てくれるのだろう。

 唯一ひとりになれる時間を堪能しつつ自室に向かう。内廊下と違い外廊下はあまり人が通らないため気楽でいいのだ。

「姫様ー!」

 向こうの方から駆け足で駆けてくるのはお美代さんだ。

 私が外廊下が好きなのを知っていて、用事がある時はこうして探しに来てくれる。

「お帰りをお待ちしておりました!」

 用事は用事でも少し急ぎらしい。バタついていたのか髪に乱れが見えた。

「どうしたの?」

「それが、殿より急ぎの御用がございまして」

 どうしてこう偉い人はサプライズが好きなのか。

 軽い目眩を覚えたが、城で暮らす以上は仕方がないと諦める。手際の良いこの侍女に身を任せ、聖女の姿へと着替えさせてもらったのだった。

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