少しくらいな夜
少しくらい、冷めた言葉でも
あなたには理解できるくらいの今夜
月は明日の準備との理由で
傾きかけ
星に近づきながら
寄り添う気持ちを
わたしに思い出させてくれる
思いの外、
簡単だったかもしれない、この恋を
他の人に
教えることもないけれど
テーブルの上のグラスは
あせりを忘れさせないくらい
水滴がつたう
もっと強くなれたなら
もう少し、さよならを遠回しにできたなら
震えるくらいの過去を
もう忘れるくらいにできてたね
そんなときのわたしを
あなたは知らないでしょう
弱さを隠すこと
得意になっちゃいけないよね
空を見上げて
あらためて
教えてくれた夜に




