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ただのしがないmob
「サライ~困るよ~。あの動きはおかしいだろ? いつも通りに動いてもらわないと困るよ?」
今、俺は絶賛説教中だ。
目の前に広がる牧草地。
牛が草を食み、羊が悠々と歩き、目の前には大きな山々が連なる。
静かな穏やかな片田舎にもかかわらず、目の前にいる中年の男性は姿形は田舎の農夫なのに俺の目には眼鏡をかけた中間管理職のおじさんだ。同じ村に住む親せきではなく知り合いに近い上司だ。
「はあ、すいません。急に牛が興奮してしまって・・・・。」
俺はうつむきつつ相手の反応はわかっているけれど一様、言い訳をしてみる。
「それを何とかするのが君の仕事でしょ? イレギュラーなことをしてもらっては全ての予定調和が崩れるんだよ。少しのミスも許されないんだ。何度もミスを重ねるならば異動も考えないといけないよ。それがどんなことかわかるだろう?」
上司であるミン氏はイライラしながらも諭すように話した。
そうわかっている。
異動。
俺は既に二度異動を経験している。
異動=左遷の度に俺の自信がダダ下がりだ。
これ以上、異動になれば残るは・・・・。考えたくもない。




