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ヒキニートヒーロー ~34歳でチートスキル覚醒~  作者: 味噌村 幸太郎
第一章 異世界にいけると思ったのに…
2/4

突然の別れ


「へん! しん!」

 ……無。


 え? 変身ってもなにも怒らんぞ?

 なんだってばよ? この力。

 

『…ねん……少年』

 微かに頭の中でどこかからおっさんの声が聞こえる。

 あ、俺もおっさんの部類か。(34歳)


「なんだ? お前、さっきのやつか」

『そうだ、ミスターサンダーだ』


 どうやら俺の頭の中に、直接話しかけているようだ。

 こいつが脳内にいると思うだけで、イライラがMAXだ。


「で? 俺はどうなった?」

『単純に言えば、君は生き返った』

「んなことは見たらわかる。しかし、なんだこのマッチョゴリラ体形は?」

 自分で自分の厚い胸板に手をあてる。

 巨乳なみにおっぱいがでかくなってて草。


『それは君の基礎能力をあげた効果だ』

「つまり?」

『先ほど、クッソ寒い言葉などせずとも、君はもう既に能力を手に入れた』

 今ディスったよな、こいつ。


「じゃあ常に変身した状態か?」

『そうとは言えない。私は君に‟ミスターサンダーの2代目”を引き継いでほしい。その為の種をまいたに過ぎないのだ。あとは君の頑張り次第で能力は更に開花される』

 なにそれ? お勉強とか体育とかと、ほぼほぼ変わらなくね?

 今流行りの最初から‟俺TUEEE”で無双したかった……。


「ていうか、なんで俺がミスターサンダーとかいう、オワコンのヒーローを引き継ぐの?」

『それは私が初めて死者を出してしまったからだ』

 ああ、俺のことね。


『私はヒーローになったとき、決めていた。絶対に死者を出さないと……もしその時がくれば、誰かに自身の能力を与えようと』

 なにその上から目線。

 お前の能力なんて金になんねーよ。


「で、具体的になにをすればいい? 俺はヒキニートだ。先立つものなんてなにもない」

『……それは私は知らん。社会復帰しなさい』

 ぐはっ! ひきこもりに一番ダメージな言葉を。


『そして、人を救いなさい』

「誰を?」

『全員だ……君が救うべき対象を見つけたら、私の託した力で戦えば、普通の人間ぐらいならワンパンで倒せるだろう』

「人間ぐらいって……まさか、特撮のときみたいな怪人とかでんのかよ?」


『ではまたいずれ……』


「あんのクソ特撮! 逃げやがったな!」



 10分後、とりあえず、自室から出て、廊下に向かう。

 尿意を感じたためだ。


 便器に向かうと、みたことないようなミサイルが俺の股間に生えていた。

「ナニコレ?」

 どっか人様のものをパクったのかな……。

 俺は確か『デリンジャー』なみだったのに。


 排尿を終えると、リビングに向かう。


 

 そこには驚愕の光景が待っていた。


「親父! 母さん!」


 二人とも目を見開き、泡を吹いている。

 昨日まで元気だったのに……。


 慌てて、親父の胸に耳をあてる。


「止まっている……」


 口元にも手をあてたが呼吸を感じない。

 同様のことを母さんにも試したがピクとも動かない。


「う、うそだろ……親父とかーちゃん、死んじまっているよ!」


 そんな……別れも告げられずに……俺は……。

 クソッ!


 ~翌日~


 20年ぶりに親戚一同が集まり、お葬式を終えた。

 

「まあ福助ったら、大きくなったわねぇ……」


 だいぶのボケの入った遠い親戚のおばあちゃんである。


「ま、まあ最近、筋トレにハマってて」

「あらあら、もう働けるんじゃないかしら……」

「そっすね」


 やべぇ! 親父とかーちゃん死んだから年金もねぇ!

 働くという選択肢を、生まれてこの方考えていなかった……。

 ど、どうちよ……。


『少年、お葬式が終わったらハローワークにいこう』


 うるせぇ!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 気になるあの子はヤンキーも面白かったですが ヒキニートヒーローという作品も面白いと思いました(^^) 主人公がデブって所にまず受けました。 ヒーローがいるということはヴィランもいるのか…
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