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4話 美少女たちが俺の初めてを奪い合ってるんだが

 俺たちは一応店に鍵をして鍛冶屋のところにきた。

 そこで働いているのは一人の少女。


「よう、リッカ」

「あっ、アルス。どうしたにゃん?」


 彼女は獣人。

 猫と人間のハーフだ。


「店潰れた」

「にゃるほど。それは大変にゃん。でも店でゴロゴロして客相手にも平気で帰れとか言う、アルスの事考えたら当然のことにゃん」


 そう言った後にリッカはいいことを思いついたのか悪い顔を作る。


「アルス?」

「何?」

「私と結婚するにゃん。そうすれば養ってあげるにゃん」


 なに?!それはいい話だな。


「ほんとか?!する!する!結婚する!」

「ならこの婚姻届にサインするにゃん」


 懐から婚姻届を出してきたリッカ。

 ふむ。そういうことならこれ以上付き合う必要は無いな。


「分かった!悪いなミーナ!俺は養ってもらうから!ということで俺達の冒険は終わりだ!じゃあな!」

「え?えぇ?!!!!」


 ミーナが叫ぶ。


「さっきから気になってたけど後ろの女の子は誰にゃん?」

「ミーナ。俺を勧誘しに来た悪いやつだ。つまり俺をリッカから奪おうとした悪いやつにゃん」


 ジトー。

 俺を最悪な奴を見るような目で見てくるリッカ。


「それはダメにゃん。先約がいるなら先にそっちの約束を果たすべきにゃん」

「そんにゃ〜」


 俺の手から届けを剥奪するリッカ。


「アルスには感謝してるにゃんけど、筋は通すべきにゃん」


 そう言うとリッカはミーナに目をやりお互いに軽く自己紹介していた。


「というわけにゃん。暫くは今の話はなしにするからアルスを自由に使っていいにゃん」

「あ、ありがとう!猫さん!」

「気にしなくていいにゃん」


 そう言って俺に目をやるリッカ。


「で、寝坊助アルスは何の用にゃん」

「盾の整備をしてもらおうかな、と」

 

 そう言って盾をリッカに渡す。

 俺の下半身ほどのものだ。


「これを持ってくるってことはついにリベンジを果たすにゃん?」

「果たすにゃん」

「前回はどこまで登ったにゃん?」

「75階層にゃん」

「75?!」


 俺たちの会話を聞いてミーナが驚く。


「天の塔の75ってこと?」

「そうにゃん。アルスは噂のグラウンド・ゼロだと思うにゃん」

「いやいや、俺じゃないから。天の塔を踏破って化け物だぜ?」


 首を振って否定する。


「むむむ、でもにゃるにゃる………」


 何か考えているリッカだが俺は話を進めることにする。


「とりあえず今日は泊めてくれないか?」

「いいにゃんけど金は取るにゃる」

「金取んの?!」

「冗談にゃる。でも………アルスの童〇欲しいにゃる。それでチャラ」


 恥ずかしそうに俺を見てくる彼女。


「それ貰うの私ですから!」


 何故かミラが間に入って下らないことでリッカと喧嘩を始めた。


「俺は究極の魔法使いになる予定だから誰にもあげないぞ」

「え?何の話かは分からないけどでもさっきアルマゲストって最強の魔法使ってたよね?」

「はっ、つまり俺は既に魔法使いだったのか………」


 なるほど。


「誰にもやれんな………これをやってしまえば俺は童帝の称号を剥奪され………」

「アホなこと言ってないでどういうカスタムにするか教えて欲しいニャン」


 そう言うと俺に紙を突きつけてくるリッカ。


「これをこうしてこうするにゃん」


 俺は適当にチェックを付けてリッカに紙を渡した。


「ふむふむにゃん。これなら明日には完成しそうにゃん」

「本当か?それは助かるな」

「任せて欲しいにゃん。でも報酬に童〇」

「だからそれは私が貰いますから!」

「これはあげないにゃる」


 どうでもいいことで喧嘩を始めたミラとリッカだった。




「そういえば鑑定士なのにどうして盾なの?」


 ミーナにそう聞かれた。

 そうだな。説明しておくか。


「俺は昔冒険者だった。ジョブはナイト」

「な、ナイト?!アルスが?」


 頷く。


「で、でも鑑定士がどうしてナイト?」

「俺の目は全てを見切る」


 そう言うとスキルを起動した。


「上から84.53.80か。フッ………申し分ない体型だ」

「/////!!!」


 バッ!

 自分の体を抱くように手を回したミーナ。


「な、ど、どうして………」

「行ったろ?俺は鑑定士。何でもわかる」


 そう言うと続けてスキルでジロジロと眺める。


「ぐふふ………げへ………なるほどな。なるほどなるほど。申し分ない」

「な、何が申し分ないの?」

「名前ミーナ。種族人間。可愛さランクS。おっぱいランクB………申し分ないな」


 やばい鼻血が出てきた。


「ママ!ママ!紙!」

「はい!どうぞ!」

「ご苦労」


 礼を言ってから鼻に詰めて止める。


「つまりだ」

「え?何がつまり?」

「申し分ない体型だということは理解した」

「それは褒められてるということでいいのかな?」

「そう思ってもらって構わない。俺に鼻血を出させる申し分ないボディーだということは理解してくれていい」

「褒められてるのかどうなのか微妙に分からないけど………まぁいいや」


 俺は続きを話す前にミーナの体に触った。

 柔らかい弾力が指に伝わる。


「な、何すんのよ!」

「おーっと………」


 繰り出されるパンチを何度も何度も避ける。


「ぜぇ………はぁ………な、何で当たらないの………」


 顔を赤くしながらそう聞いてくる。


「俺の目は全てを見切る。予備動作を見れば次にどんな攻撃がくるか分かる。後はそれを避ければいい」

「そんなすごい力持っててこんなことに使うなんて変態すぎる………」

「ぐへへへ………褒められると照れる」

「褒めてないよ」


 とまぁこんなところでいいか。


「俺は敵の攻撃を予備動作を見たら分かるからそれを活かしてナイトになったってわけ。でもまぁ色々あってやめてからは古物商1本できたんだがまぁこの有様というわけだ」


 店は潰れるわで最悪だ。


「なるほど。でもそれナイトのせいじゃなくてアルスが変態だからじゃないの?」

「断じてそんなことはない。セクハラしまくったわけではない」

「そうですよ。アルスにセクハラされることは最上の幸福ですので誰もそんなこと気にしません」

「そんなこと言ってるのミラだけだと思うんだけど」


 顔を赤くしながらそう抵抗しているミーナ。


「まぁ、何だっていいが俺の過去はこんなところでいいか?」

「うん。ある程度は分かった。でもナイトって珍しいよね」

「そうだな。純粋な囮役ならムカつく顔をした盗賊の方がいいしな」


 モンスターにも感情があるのかムカつく顔をした盗賊を前に出しているだけで全員のターゲットがそっちに向くのだ。


「それに対して俺みたいな平凡な人間のナイトなんて何の役にも立てないからな」


 ナイトは移動速度が低いからそう好き勝手に動けないし、普通は高火力ジョブを守るためにいるような置物だ。

 同じように守るという目的が同じなら最近は盗賊か聖騎士がパーティに採用されがちなのだ。


「なるほどね。だからナイトって珍しいんだ」

「そうだな。今どきナイト目指しマースなんて奴はそれしか能がないやつくらいしかいないからな。ちなみに俺のことなんだけどな」

「………強く生きて欲しい」

「………ふえぇぇ。ナイトは産廃ジョブじゃないよぉ………」


 泣きたくなってくる。


「とりあえず寝ていいか?自分の立場考えてたら悲しくなってきた」

「強く生きて」


 許されたようなので寝ることにする。


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