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俺のうちにもダンジョンができました  作者: 森羅月光
第二章 新たなる出会い
22/24

22 6階層ダンジョン探索とボス登場


今日も朝から6階層探索だ。

狩った“ウサギ”は、すべてご近所さんに配った。“ウサギ肉”は好評だった。

蛙があっさりしていると表現するなら、うさぎは脂がのっているというのだろう。

たまに、わさび付けも美味しい。



レオとライヤも魔核破壊の“ウサギ肉”なら大丈夫なので美味しそうに食べている。

“蛙肉”より“ウサギ肉”の方がレベルは上がるそうだ。

もう、魔物(ふつう)の食事で問題ないようだ。成長が早い。



大量に砂糖と黒蜜や塩を手に入れた。

母さんがまた新しい商売を考えたらしく、これらが大量に必要らしい。

一体何を始めることやら。





しばらく行くと、わさびの群生地に出た。

あれ、やっぱり“ウサギ”と戦っていたが、“ウサギ”の色が黄色い。

鑑定してみる。


【鑑定】

種族:フタツノカラシラビット

レベル8

刺激のあるアブナラカラシナが好物のラビット。甘いものは苦手。


()()()だ!



この葉っぱ見た目は“わさび”だがもしかして・・・


【鑑定】

種族:アブナラカラシナ

レベル8

独特の刺激がある。食する時は注意が必要。



おお、見た目“わさび”と同じだか、今度は“からし”だった。



この“からしウサギ”は、色は黄色で頭に2本角が生えている。

やはり目つきが悪く、可愛くない。大きさも50cmはある。



あいかわらず、からしvsからしウサギは戦っている。

“からし”が種のようなものを噴出している。種も大きい。

“からしウサギ”の角が光っている。きっと種の爆発を防いでいるのだろう。

落ちた種をカリカリ食べている。




夢中で戦っているところ悪いと思うが、こちらも探索を続けるため攻撃する。

まずは、魔核を避けて、うさぎを倒す。

解体ナイフで肉にし、収納する。わさびと同じなら、今度はからし付けウサギ肉のゲットだ。

レオとライヤが嫌そうな顔をしている。よほど、昨日のわさび(あじ)が衝撃だったのだろう。

わかっているさ、ちゃんと魔核を破壊してドロップアイテムになった“からしなしウサギ”もゲットすればいいのだろう。

からし群生地の中にいる、“からしウサギ”を見つけながら進んでいく。



からし群生地をぬけ先に進むと、今度は大きな唐辛子だろう群生地に出会った。

青い葉の中にカラフルな赤や青の房がなっている。大きい、大量の唐辛子が作れそうだ。



思うに、6階層ダンジョンは、調味料ダンジョンではないだろうか。

砂糖・塩・わさび・からし・唐辛子と次々に調味料関係がドロップアイテムになる。



いくらダンジョン品が特別旨いとはいえ、野菜や肉だけでは飽きる。

料理には調味料が必要だ。

まさに、6階層ダンジョンはなくてはならない階層だ。

野菜や肉がメインキャストなら、調味料はサブキャスト。

縁の下の力持ちだ。とにかく、調味料は大事だ。



俺たちは6階層をしばらく探索し続けた。





それは突然現れた。

例のボス部屋へと入る謎の金属扉だ。



今回はボス部屋を目指すというより、主に黒蜜やウサギを狩りまくっていたが、6階層奥が深い。

お茶の木から始まって砂糖や塩などを手に入れその他にもコーヒー豆も手に入れた。



ボス部屋を意識していなかったので、有名アニメの『どこ〇〇ドア』みたいに金属扉が突然現れたのには驚いた。

これは、ボス部屋に挑戦しろとダンジョンの意志なのだろうか?

まだ6階層探索(ちょうみりょうさが)したかったがしかたがない、ボス部屋に向かうことにした。




今回の金属扉の大きさは普通の家にある玄関くらいの大きさだ。

俺が先頭で入っていく。

自動扉が開き中に入ると、5階層ボス部屋みたいに草原パターンだったが、6階層には空があった。

青い空に雲が浮かんでいる。快晴だ。



すると、蟷螂戦隊の大群が現れた.。しかも5色ずつ整列している。

ちょっとカッコイイと思ってしまうのは男だったら仕方がない。

と思っているうちに、レオとライヤが例のごとく口から炎を吐き、一掃した。

最近、魔法で掃討するパターンが多いが、敵の数が多いのでこれも仕方ないと思う。



次に出てきたのは白黒の蟻だ。白黒交互に並んでいるので、葬式の垂れ幕状態だ。

まあ、塩もほしいがやはり黒蜜がほしい。

どうにかして、白黒に分けられないかと考えていたら、ライヤが風魔法で特大竜巻をだした。

おお、竜巻が渦を巻きながら蟻を巻き込み、見事に白黒に分けて放り出している。

うちの娘は天才だ。



レオが白蟻を炎で焼き尽くした。

俺とライヤは黒蜜をゲットすべく、転がっている黒蟻に飛び込んでいった。

さすがに大群なので倒すのに時間がかかった。


俺も負けじと黒蜜は風魔法で集めて収納した。



次に出てきたのは、“ウサギ”の大群だ。

“ウサギ”も面倒だが一匹ずつ角である魔核を破壊し倒していく。

数匹は魔核を破壊しきれなかったので“付けウサギ”だがご愛嬌だ。

戦闘に時間がかかる。



ようやく“ウサギ”を倒し、“ウサギ肉”を収納する。



さて、次はと思ったら、白くて固い四角い粒が降ってきた。角砂糖だ?

防衛魔法で守られているのであたっても平気だが、俺たちの周りに視界を防ぐほど山のように降り積もった。

いきなり破裂したが、俺たちを守っていたバリアはびくともしない。

前に似たような戦いをしたなと思っていたら、破裂したあと粉が飛び散り、じわじわと俺たちのバリアを侵食していく。

レオが風魔法で吹き飛ばそうとしたが、この粉意識でもあるのかまとまらず、いったんは浮き上がるが再度バリアに張り付き侵食していく。

ライヤも炎魔法で焼こうとしたが、侵食の隙間から粉が入り込み尻尾の先を焦がしてしまった。



うっとおしい。これはボスの攻撃なのか。

あたりを見渡してもボスらしきものはいない。空を見上げたが何もいない。

どこにいる。俺は索敵を使う。


【索敵】

対象:6階層ボス

0° 現在地 上空



空か。俺は空を見上げた。

あれ、青い空に雲が浮かんでいるだけで、ボスらしきものは見当たらない。

どこだ?

また、角砂糖攻撃が続く。本当にうっとうしい。




待てよ。ボスらしきものが見あたらないが、この角砂糖は空から降ってくるということは、もしかして。


【鑑定】

種族:パウダーシュガークラウド

レベル12

6階層ボス魔物。雲のように普段は上空に漂う。




俺は特大風魔法の竜巻で雲を攻撃した。

レオとライヤも、風魔法で同時攻撃をし、俺の手助けをしてくれる。

雲は散らばるだけでまた集まり元に戻った。

だが、俺の動態視力は拡散した雲の中に小さな色のついた角砂糖が3つあったのを見逃さなかった。



「レオ、ライヤ、もう一度風魔法で雲を拡散させてくれ。」



俺が言うと、二人は先ほどより強い突風で雲を蹴散らした。

雲が散らばる隙をついて俺は跳躍し、自身に風魔法を使い雲の3つの魔核を切りつけた。



集結しようとしていた雲の動きが止まる。

俺がレオとライヤの元に戻ると、雲が突然光り、眩しくて思わず目を瞑ってしまった。

すると、巨大雲がそのまま空から落ちてきた。



えっ



光の粒子になり消えるかと思われた雲が、あっという間に俺たち向かってというより、地表に落下してきた。

衝撃が来るかと思われたが、全く無く俺たちは雲に埋もれた。




俺は風魔法で雲を蹴散らした。窒息するかと思った。

ライヤも脱出している。あれ、レオは?

落ちた雲の中で、レオがいるらしきあたりが渦巻いている。

レオが頭だけ雲から出した。



『もくもぐ、パパ、美味しいよ。』


何!



俺は近くにあった雲をちぎり食べてみた。

おおー、巨大綿あめだ。

俺たちは、巨大綿あめの中にいる、ある意味夢のような光景だ。




綿あめを食べるのに飽きた。

そこで炎で燃やしたらあっという間に綿あめが燃えていく。

まずいアイテムも燃えると思い、慌てて水魔法で消火した。

水が綿あめを溶かしていく。今度は三人で水魔法を使い綿あめを溶かしまくった。



巨大綿あめの中から、魔法陣とスクロールやドロップアイテムを探すのは大変だった。

溶けた綿あめが、今度は水あめのようになり乾いて固まり始めた。



三人してべとべとになり固まりかけながらも、ようやく魔法陣を探し当てると、そのそばに水あめで固まって身動きがとれない、()()()を見つけた。



「いたのかよ!」




世界樹は、一枝を俺に向かって伸ばしてくる。

通訳してもらわなくてもわかるぞ。『助けて』と言っているのが。



「ちっ。」



思わず舌打ちしてしまった。

無視しようとしたら、世界樹(やつ)め、スクロールをちらつかせている。




ライヤが浄化魔法を使えるようになっていたので、なんとか無事脱出することができた。

俺たちは、ドヤ顔(顔ないけど)で手(枝)を振る世界樹に見送られながら、魔法陣に乗り帰還した。




こうして、6階層ボス攻略は終了した。





世界樹・・・・・4階層にいた魔物 種族:ユグドラシル・ツリー 

スクロール・・・ボス攻略をするとドロップするレアアイテム。

        魔法スキルが使えるようになる。


6階層ダンジョンはいかがでしたでしょうか!?

これからも応援よろしくお願いします。

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