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俺のうちにもダンジョンができました  作者: 森羅月光
第二章 新たなる出会い
13/24

13 相棒ができた

子ライオンに名前をつけた。

花子と太郎にした。


母さんに殴られた。俺もネーミングセンスがなかった。



姉ライオンには、ライヤ。

弟ライオンには、レオ。

家族構成が違うがアニメからパクった。

名前をつけたら、驚いたことがおきた。


『ぼく、もっと小さくなれるよ。』


レオが言うと、なんと普通の猫の大きさに変化したのだ。レベルが関係しているのかライヤは変化できないらしい。

ふたりとも毎日ミルクを半端なく飲んでいるので、元気になった。

ちなみに小さくなったレオならミルク代を節約できると思ったが、小さくなっても飲む量は変わらなかった。

それと、流暢にしゃべるようになった。

特にレオは興味津々でいろんなことを質問してくる。


さすがに、この大きさでは外へ連れていけず、家の中でしか行動できなかったが、普通の猫と同じくらいの大きさになれるなら外に連れだせる。


うーん、耳が少し丸くて、手足がまあまあ太いが、外国のめずらしい猫といえば通るだろう。


ライヤも、体力がついてダンジョンでレベル上げすれば、変化できるようになるだろう。


母さんも少しずつだが二人に慣れ、レオが抱っこできる大きさに変化したので大喜びだ。

言葉はわからないようだが、「ライヤちゃんも早く小さくなれるといいわね。」というと「にゃーん(はい)。」と会話が成立している。


母さんもファンタジーに馴染んでいる。

家の中もにぎやかになった。



小さいレオをつれて、牛舎に行った。

牛を見てレオが言った。


『おいしそう』


()()()()。いいか、レオ。これは牛といって牛乳をだしてもらっている。

()()()()()()()()()。」


『牛乳ってなあに?』


「乳の事だがミルクともいう。ミルクでおいしい食べ物が作れるんだ。レオももう少し大きくなれば、食べれるようになるから、牛たちとは仲良くするんだぞ。」


『わかった。』


キラキラした瞳を牛たちに向けたレオだったが、レオより何倍も大きいのに牛たちは本能なのか、レオをみて怖がって固まっている。そして、牛たちはレオの強さを感じてか、後ずさりしていった。


かわいそうなので、牛舎をあとにした。次は鶏小屋だ。

あれ、鶏小屋に一羽もいない。どこにいったのかと探したら、遠くにやはり固まって集団でこちらをうかがっていた。

どうやら、レオの強さを感じ取った鶏らは、逃げ出していたようだ。


そちらを指差して、レオに言った。


「レオ、あれは鶏といって卵産んでもらっている。

やはり、おいしい食べ物に使うから、()()()()()()()()()()()。」


『卵知ってるよ。白くて丸いもの。母さんが持ってるのを見たことあるよ。』



なぜ俺のことをママと呼ぶのか聞いてみたら、単に乳をくれる者はすべてママと呼んでいるらしい。

俺が母さんと言っているのを覚えたレオたちは、俺の母親の事は『母さん』と呼んでいる。

ちなみに俺のことはなんとか説明して、今は『パパ』と呼ばれている。



そのあと、畑や田んぼに行った。


「こんなふうに整地された土地は、畑や田んぼと呼んでいる。畑や田んぼに入って荒らすんじゃないぞ。うちだけじゃなく、違う家の田畑もダメだぞ。」


『わかった。』


「賢いな。」


うちの子、素直で可愛い。抱き上げて頭をなでてやる。

そのまま、工場に向かう。

工場は、今では近隣20名くらいの、高齢男女が働いている。

ダンジョン野菜やネット用高級きのこ果物の袋詰め、チーズケーキなどを中心とした乳製品製造、ワインの瓶詰など俺でも把握できないほど商売を広げている。

自家製チーズ作りもはじめ、本格的な酵母室まで作られている。

ネット販売はもちろん、大手スーパーとの取引きも順調らしく、あいかわらず活気にあふれている。

すべて母さんとその仲間たちに任せている。

俺はというと、材料倉庫にせっせとダンジョンアイテムを運び(あつめ)こんだり、こっそりとワイン作りをしている。


ふと気づいたが、近隣の高齢者たちが若返っている。

ひざが痛くて歩けないとこぼしていた70代の佐々木のばあちゃんが走っているのをみた。

やはり、高齢と糖尿病で目が霞むと言っていた、60代の高田のばあちゃんがパソコンを使って事務仕事をしていた。ものすごいタイピング技術だった。

70代の田所のじいちゃんが米俵を素手でもちあげていた。

などなど例をあげるときりがない。

どうやら、スライム水やダンジョン野菜などを食べているせいか、みな健康になり元気に働いているので、気力も体力も充実しているようだ。


衛生上動物は入れないので、レオを抱きながら工場の窓から中をのぞくと、10人くらいのじいさんとばあさんが働いていた。近隣のほとんどの人がいるんじゃないだろうか。


「レオ、ここは母さんたちが食べ物を作っている場所だから、清潔な人しか入れないんだ。みんな仕事中だから邪魔しちゃだめだぞ。あと、俺や母さん以外にもたくさんの人がここにはいるが、絶対襲うなよ。それと、大きい姿だと皆、驚くから気をつけろよ。」


『うん。わかった。』


レオを抱いたまま、工場のすぐ横にある事務所に向かった。

事務所には4人のばあさん、もとい母さんを含め奥様方がいた。


「あら、たっちゃん。その子が拾った子猫なの?ちょっと大きいのね。」


60代タイピング技術に特化している、高田のばあちゃんが声をかけてきた。


「そ、そうなんだ。きっと海外の猫なんだよ。捨てられ野生化したから大きいのかな?うちで育てることにしたからいじめないでね。ハハハ。」


俺は顔を引きつかせながら言った。

レオがナイスタイミングで鳴いてくれた。


『みゃあ、みゃあ、みゃあ(ぼく、レオだよ。よろしくね。)』


「あら、みてくれは大きいけど鳴き声は子猫ね。」


鳴き声で事務所にいた、奥様達が集まってきた。


「あら、()()()()()()()()の猫ね。」

()()()()ね。」


レオは奥様達の人気者になり、おとなしく頭をなでられていた。


「今、悪さしないよう教えているところ。賢いから可愛がってやって。あっ電話鳴ってるよ。それじゃ。」


俺はそそくさと、レオを抱きしめ事務所を出た。




ライヤもすっかり元気になり、レオとじゃれている。


「レオ、ライヤ。明日から一緒にダンジョンにはいるぞ。まずは、ライヤのレベル上げをするから、狙いはメタルスライムだな。」


『うん、パパと一緒にダンジョンに行くの楽しみだわ。』


赤い瞳をキラキラさせて、うちの娘はなんて可愛いんだ。元気になってよかった。


『僕も、僕も。』


「そうだな。三人でレベル上げをがんばろう。」


レオとライヤが俺に飛びかかり、じゃれついてきた。今はふたりとも抱き上げることができるが、あっという間に大きくなるだろう。小型に変化できてよかったと思う。

しばらく三人して遊んだ。




ライヤがまだ変化できないので、姿を見られないよう夜明け前にダンジョンにいった。

3階に行こうとしたら俺とレオは入れたが、ライヤに立体スクリーンの表示がでず3階魔法陣部屋(ワープしつ)にいけなかった。

聞いたところ、ライヤはまだ魔物を倒したことがないらしい。

そこで、一階層のスライムを倒して、下の階層に向かうことにした。


普通のスライムがいたので、ライヤに倒させることにする。

ライヤの()()()()()()()()()だ。

せっかくなので、携帯カメラで撮りたいが、ダンジョンや魔物の事は極秘なのでやめておく。

俺とレオはすぐ助けに入れるよう構えながら、ライヤを見守った。

俺たちの心配をよそに、ライヤはいとも簡単に、爪でスライムを一太刀で倒した。

あっという間のできごとだった。

それに、戦う時、爪が通常より3倍も長さが伸びた。爪って伸びるんだ。さすが、猫族最強種。

それからは、ライヤが先頭で、次々と出会うスライムを倒していった。

俺があれほど苦労した複数のスライムも、いとも簡単に倒していく。

迷路を迷うことなく、最短でボス部屋へと向かっている。なんとなく方向がわかるそうだ。

ふたりは走りながらスライムを倒して行く。俺は、その後をひたすらアイテムを拾いながら追っかけた。


あっという間に1階層ボス部屋にたどりついた。

魔法陣に乗ると、俺は【4階まで】、レオは【3階まで】、ライヤは【2階まで】とばらばらの表示が出た。

やっぱりレベルが関係しているらしい。


2階層にいき、やはりライヤを先頭に、2階層スライムを倒していく。

『野菜すら』が爆発しない。どうやら、【威圧】スキルで爆発しないようだ。

苦もなく2階層スライムを倒していく。集団スライムも二人して簡単に倒していく。


ドロップするアイテムの量がすごい。

俺は母ライオンのおかげで収納魔法を譲り受けていたので、どんどん詰め込んでいった。

収納魔法、便利だ。大量に保管できるうえ、いわゆる状態保存、劣化や腐りもせず温度も保管した時のままで、重量も関係なく収納できる。

とりあえず、かたっぱしから詰め込んでいった。


またも走り抜けながら、あっという間に2階層ボス部屋にたどりつく。

魔法陣に乗ると、俺は【4階まで】、レオとライヤが【3階まで】の表示になった。


【鑑定】

種族:ホワイトエンペラーライオン ライヤ 生後10日 メス

レベル5

契約者:神崎達也

ダンジョンネコ科系モンスターの最強種。リーダーの雄に雌が数匹、群れを作り集団生活をしている。


すごい、たった数時間でライヤのレベルが5まであがった。

3階層にも行ける。

ここからはひたすら『メタすら』でレベル上げをしていこう。

魔法陣を使って三人で3階層に行く。



3階層を一日中探索したが、『メタすら』は3匹しか出なかった。

2匹をライヤが倒し、1匹はレオが倒した。

さすが、レアスライム、出現率が低い。

しかし、ふたりの攻撃力がものすごく高い。


【鑑定】

種族:ホワイトエンペラーライオン レオ 生後10日 オス

レベル13

契約者:神崎達也

ダンジョンネコ科系モンスターの最強種。リーダーの雄に雌が数匹、群れを作り集団生活をしている。


【鑑定】

種族:ホワイトエンペラーライオン ライヤ 生後10日 メス

レベル11

契約者:神崎達也

ダンジョンネコ科系モンスターの最強種。リーダーの雄に雌が数匹、群れを作り集団生活をしている。


1日でかなりレベルも上がった。

この調子でいけば2・3日で、4階層にも行けるだろう。

今まで、ボッチだったが、やはり仲間がいると楽しい。








主人公がチートになってしまいました。が、ふたりの新たな相棒たちの成長を、もうしばらくお楽しみください。

『メタすら』→メタルスライムの略。レベル100のレアスライム。大幅にレベルが上がるボーナス魔物です。


たくさんの応援ありがとうございます。誤字報告が続々きました。未熟者で申し訳ありません。

こりずに、感想・評価・ブクマよろしくお願いします。m(_ _)m


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