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それじゃ、またいつか。
最後の夜に君に贈ろう。
<三夜目>
君とした初めての約束は、
確か遥か昔の神様の時代。
一緒に生涯を過ごそうっていう約束は
結局叶わなかった。
けど、約束したんだ。
何回でも、何百回でも
世界が終わるその日まで
君に会いに行くって。
次に会ったのは、
比較的近い時代の話。
あの綺麗な星空の夜のことだった。
でもやっぱり、世界は僕らを
分断してしまった。
悔しいから、
もう一度会いに行ったんだ。
その時の君は、
僕と正反対だった。
ずっと君が好きだったのに、
その時も伝えられなかった。
そして、その子はどうなったか?
もう一度巡り会えたんだ。
今度は、兄妹だった。
一生君を守るって誓った。
けれど、君は病気だった。
もう長くは持たなかった。
世界はまた裏切った。
でも、絶対君にもう一度会うって
今ここで誓うよ。
たとえどんなに世界が僕らを
裏切ったとしても。
世界が終わるその日まで。
パチっと暖炉の火が燃えた。
「こんな話つまんないよね」
君に話しかけた。
その時すでに返事はなかった。
僕は静かにこう言った。
「僕が世界で一番好きな君に」
「おやすみ…」
また一つ、世界のどこかで
物語が一つ終わった。