4話
校長室へ入ると、正面の大きなデスクには隻腕のひょろっとした男が座っていた。
「いや〜マナちゃん、雑用任せてすまんね。ほんまありがとな」
「いいのなのです〜。それじゃあマナは帰らせてもらいます。今日は新作ケーキの発売日なのですよ」
そういうとマナはこっちの方が速いからと窓から飛び降りてしまった。
「おい、アルフレッド。ふらっと消えたと思ったらこんなとこで何してるんだ?」
「こらユウト、呼び捨てはあかんで〜。僕はこれでもここの校長センセーなんやから」
「……、それでアルフレッド先生はここで何をしてるんだ? 何故俺を呼んだんだ?」
「そうそうそれでいいんや」
そう言ってアルフレッドは満足そうにうなずいている。
「僕がここへ着た理由はある仕事や。それでなお前を呼んだ理由はお前にここである生徒の護衛をしてほしいからや」
「護衛だと? マナもそのためにか担任にしたんだな」
「そうや。そうでもないとマナちゃんが一学校の担任なんてするわけないやろ」
「護衛の対象は誰だ。俺やマナがつくなんてよっぽどの相手だろう」
「対象の名前はシャルロット・サターナ。孤児院の娘や」
「孤児院の娘だと? なんでそんなヤツに護衛がいるんだ」
「それは彼女が闇魔法の使い手やからや。お前ならこの意味分かるやろ」
「闇魔法だと……!? それならそいつは−−」
「失礼します。校長先生、シャルロットさんをつれてきました」
俺の言葉を遮って部屋に入ってきたのは青い髪を後ろで一纏めにしたいかにも秘書って感じの女性だった。
「ありがとうアマンダちゃん、それじゃあシャルロットさんこっちに来てくれへんか」
「はい」
入ってきたのはブロンドの髪を腰まで伸ばした碧眼の女の子だった。そして朝助けた女の子だった。
「ほな紹介する、こちらはユウト。君の護衛を担当するものや。ユウト挨拶せえ」
「−−カミカワ・ユウトだ。護衛を担当する。これからよろしくな」
「シャルロット・サターナよ。これからよろしくね、ってあなたもしかして朝私を助けてくれた人じゃない?」
「ああ、そうだ。もう大丈夫か?」
「ええ、あなたのおかげで怪我しないですんだわ。ありがとね」
「もう面識あったんか?それなら都合ええわ。今日から君たちには学校の寮に住んでもらうことになっとるから。じゃあアマンダちゃん、案内よろしく頼むわ」
「はい、分かりました」
そういうとアマンダさんとシャルロットは部屋を出ていってしまった。
「おいアルフレッド、まだ話は終わってないぞ。ちゃんと説明しろ」
「だからアルフレッド先生って呼べって言ってるやろ。それに僕これからデートやから、もう話は終わりや。また今度な」
そう言ってアルフレッドは窓から飛び降りていってしまった。
「おい! 待てアルフレッド!」
急いで窓から下をのぞくがそこにはもう誰もいなかった。
しかたないので諦めてシャルロット達の後を追う。それにしても闇魔法だと。その魔法を使えるってことは−−、
「あいつは魔神の生まれ変わりだっていうのか……」
そろそろ戦闘シーンを・・・
その前に魔法とか主人公の説明とかですかねーー
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