2話
「ふぅ〜、間に合ったー」
あのあとあの女の子を抱えて学園に来た俺は彼女を入り口にいた先生に預けると急いで会場へ向かった。どうやらギリギリだったようで他の生徒はみんな着席してこちらを見ている。周りの視線が痛い……。そんなことを思いながら自分の席へ向かう。俺の席は後ろの端らしくそそくさと席へ向かう。
おっ、隣の席は女の子のようだ。茶色いショートカットにで顔立ちも悪くない。おっとりした雰囲気でとてもこんな学校にくるようには思えない。料理や手芸などをしているほうが似合いそうだ。ただ、でかい。なにがとは言わないがある部位がものすごく大きい。すると見られていることに気がついたのか声をかけてきた。
「あの〜、私なにか変ですか?さっきから色んな人に見られるんですけど」
そういって彼女は前の席に座る男へ目を向ける。そいつはさっと前を向いたがたまにちらちらとこちらを見ている。他にもそんなやつが2,3人いる。どう答えたものかと思っていると俺とは反対側の隣に座っている女の子が、
「みんなあなたの胸をみている。それは男を惑わす狂気の物体」
と起伏のない声色でいった。いや、最後のほうは気持ちがこもってた気がする。そんな彼女のとある部位は小さかった。草原が広がっていた。
「そそっ、そうなんですかあああ〜?」
彼女は自分の部位を腕で抱いて隠しながら涙目で聞いてきたが、彼女のものはそんなことで隠せるものでもなく逆にもっと男達の視線を集めることとなっていた。彼女の隣からものすごい殺気を感じる。
「いや、俺は君みたいな子がこんな学校には似合わないなと思って。家で料理とか裁縫とかしてるのが似合ってそうだったからさ」
そんなことを話しているうちにアナウンスがかかった。どうやら入学式がはじまるようだ。