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ねむれる姫神・外伝集  作者: flower
本編外伝
2/41

2008 総一郎

総一郎は、梅の木を見上げた。

良い枝振りだ。春は満開の花が咲き誇り、青い空を透かしてゆらゆらと揺れていた。


おそらく近いうちに、世界の経済が破綻する。


既にこの地上に巡らされた金融の「網」。

その網が破滅の芽をくるみ込み、この世界を覆っているのが分かった。


細かな光を巻き込み、崩れ去る巨大なバベル。

悲鳴を上げる小さな命が見える。


「早いうちに、手を打つようにおじさんに言ってください」

総一郎は、父を振り返った。

「空売りを」

小さな応えが帰り、背後の気配が消えた。


もういちど、空を見上げる。


暑い空だ。美しいけれど、汗がまといつく。

衣の裾を引く汚れた無数の手を振り払い、総一郎は呟いた。


「僕はまだ、お前達には食われない」


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