二人と幼馴染み
今回はヒロインの幼馴染み登場です!!
幼馴染みの心境は一体…?
あまりページ数はありませんが、どうぞお楽しみください。
それから蒼井君は、ちょくちょく私に話し掛けてくるようになった。
私は別に構わないけど、蒼井君が他の人と話してるの見た事無いんだよね…。
いくら転校生とはいえ、良いのかな?
朱「ねぇ舞虎、聞いてる?」
舞「あ、ごめん。何だっけ?」
私は目の前に座っている白石朱美に謝る。
彼女は私の幼馴染み。仲が良いし、気兼ねなく話せる数少ない友人の1人である。
朱美はため息をついて話を続ける。
朱「だから、あのイケメン転校生といつの間に仲良くなったのよ!!」
イケメン転校生…?
あぁ、蒼井君の事か。
私はイケメンとかそうゆうのは興味ないし、気付くのに時間がかかった。
あ、イケメンの傍にいたら目立つじゃん…嫌だなぁ。
今更ながら私はそう思った。
舞「仲良く、ないんじゃないかな?少し話すぐらいだし…」
私がそう言うと、朱美は首を思いっきり横に振った。
…首痛くないのかな?
朱「あの転校生があんた以外の人と話してるの見た事ないんですけど、…結構噂とかたってんのよ?」
舞「え、困るソレ…」
蒼井君だってきっかけがあれば他に話したりするだろうし、何より噂とか嫌な予感しかしない。
舞「因みにどんな噂?」
朱「あんたと転校生が付き合ってる、あんたが転校生に手を出してる、…とか?」
あー、最悪だ。何をどうしてそうなったんだ。
私から手を出すとか、100%有り得ないから。
舞「どうすりゃ良いんだ…」
朱「まぁ、あんたから手を出すのは100%有り得ないけど、向こうはあんたの事気に入ってるのは間違いないんだし…諦めなさい」
舞「…考え過ぎ、転校してきたばっかで話す人がいないだけでしょ」
そうに決まってる。
てかそうじゃないと困る。
朱「まぁ、そう思いたかったらそれで良いんじゃない?」
朱美はなげやりに言う。
他人事だと思って…!!
朱「だって他人事だもん」
舞「な、なぜ私の心の声が…?」
朱「声に出してたわよ、あんた。…取り敢えず、気を付けなさいよ?あんたと転校生が仲良くしてるのを、良く思わない奴もいるんたから」
朱美は声を潜める。
…私にどうしろって言うんだ。
舞「…蒼井君は転校してきたばっかで心細いんだよ、きっと。
直ぐに私以外の人と仲良くなって、私なんかと話さなくなるって」
朱「はぁ、あんたは優しすぎんのよ」
朱美は眉間を押さえて言う。
ガタッ
その時蒼井が席に戻って来た。
朱美は蒼井を見る。
龍「…赤澤、誰やねんコイツ」
舞「あ、この子は…」
朱「聞きたい事があるなら私に直接聞けば?それとも舞虎を挟まないと会話も出来ない訳?」
蒼井君に私以外の人に興味を持ってもらうチャンスだと思い、朱美を紹介しようと思ったら…
朱美が蒼井に喧嘩腰に話しかけてしまった…。
舞「ちょっと朱美…」
朱「舞虎は黙ってて」
ピシャリと言われてしまえば、私は黙ってるしかない。
大丈夫かな、この二人。
蒼井君は完璧不機嫌だし、朱美を睨んでる。
龍「何やねん、お前に関係ないやろ」
朱「あるわよ、私は舞虎の幼馴染みなの。アンタが舞としか話さないと舞虎が迷惑なのよ、いい加減他に友達作ったら?」
うわぁ、はっきり言うなぁ…。
朱美は昔っから思った言はズバズバ言うタイプだもんね。
龍「余計なお世話や。俺が誰と話そうと俺の勝手やん、…迷惑なら、無視でもすれば良い話や。
お前にどうこう言われる筋合いないねん。」
朱「…図々しい奴、舞虎は優しいから無視出来ないんでしょ!?」
龍「だから、赤澤が迷惑しとるんやったら赤澤が俺にそう言えばええやろ!?何でお前が代弁すんねん!!幼馴染みやからって甘やかして、赤澤の為になる訳ないやん」
何か、私が蒼井君に迷惑してるって勘違いされてない?
別に迷惑とは思ってないんだけど…。
龍「赤澤、俺が迷惑ならはっきりそう言えや!!」
舞「いや、迷惑じゃないけど」
朱「舞虎!!」
朱美は何故か焦っている。
何でだろう?
舞「私はただ、蒼井君は転校してきてしばらく経つけど、私以外の人話してるの見たことないから…良いのかなって思っただけだよ」
龍「…お前、アホやな」
朱「な!?あんた何言って…」
龍「俺は、話したいって思った奴としか話さへん。そうしたいから、それでええねん」
蒼井君はそう言って机に伏せてしまった。
話したい奴としか話さない…。
それって、私と話したいって思ってくれてるって事?
朱「舞虎、私はコイツ嫌い」
朱美はふてくされてながら自分の席に戻ってしまった。
蒼井君と朱美って、相性悪いのかも…。
私は、そんな二人に苦笑いしか出来なかった。
.
なんなのよ!!
蒼井龍、知らないうちに舞虎にまとわりついて…。
しかもあれは天然のタラシよ!
確かに舞虎は子供じゃないし、何時までも私がでしゃばってちゃいけないと思うけど…。
あんな奴に正論で返されたのがムカツク!!
ちょっと顔が良いからって、あんな奴に舞虎は絶対に渡さないんだからっ!
…ん?
何か話し声が聞こえる。
後ろの方、舞虎達?
私は少しだけ後ろを見てみた。
そこには、授業中にも関わらず堪えながら笑ってる蒼井と、少しはにかんでいる舞虎の姿があった。
舞虎、何だか楽しそう…。
何話してるかは聞こえないけど、授業中こっそり話をしている二人は、まるで恋人のようで笑えない。
あの舞虎が男子と関わってる事自体珍しい、しかも楽しそうになんてね。
悔しいけど、舞虎を成長させるのに蒼井という存在は必要なのかもしれない。
でも、嫌いよあんな奴。
私の大切な幼馴染みを、たった数日であんなになつかせるなんて…気に入らない。
それに、舞虎に危害が無いとも言い切れないのは事実。
中途半端な気持ちで舞虎に近付くようなら、私が全力で離してみせる!!
覚悟なさい、蒼井龍!!
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幼馴染みはヒロイン大好きなんですね…((遠い目
いきなり主人公と対立してしまった幼馴染み。
果たしてこれからどうなるのか!?
私にも分かりません!
↑オイッ((焦
未だあまり発展しないヒロインと主人公。
ですが!!
いずれラブラブになると信じて、書き続けます。
更新は亀並みですが、どうぞ宜しくお願いします。
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