09 初日終了
「やっぱアドリア様最強だな!」
「アドリア様優勝!アドリア様優勝!」
「俺フィリルちゃんのファンになっちゃったかもしれない。服がツボ」
「腰つきがえちい」
「デボラちゃん応援してたんだけどなー……」
「いつも惜しいのよね……」
「しかしあのイオンって子もスゴイ根性だぜ」
「根性ってレベルか?あれ」
「すげえよな」
「スゲエっていうか、ヤベエよあれ」
「強いのは完全にリゼさんだったんだけどな。ありゃビビるわ」
「マリエラ様って方は初めて見たけど、戦い方がちょっと地味ね」
「いやあれは玄人好みって言うんだ」
興奮冷めやらぬ観客たちは口々に試合の感想を語りながら帰途についた。
貴賓席の貴族たちは専用の出口から身分の順に退場したが平民たちにはそのような配慮はない。
七つある平民用の出口に五万人が殺到した。
自分の後の試合を観戦していたティナ・アズールは心に受けた衝撃に少しよろめきつつ、ゆっくりと進む人波に揉まれていた。
(わ、わぁ~……。私、綺麗に負けさせてもらって良かったぁ~……!お兄ちゃんの言ってたこと正解だった……。ていうか何でみんなあそこまでするの?試合だよ、殺し合いじゃないんだよ?王子様は素敵だけどそこまでするようなこと?いくら回復魔法があるからってやっていいことと悪いことがあるでしょ、人として……。踏みつけはダメだよ、絶対……。みんなおかしいよ……)




