第001話 青く見えた世界は突然に
久々の投稿になります。
これから始まる大冒険にお付き合いください。
なお、誤字・脱字などは最初無視して一発書きで投稿していきますので、自分で気づいたら随時訂正していきます。皆様からのツッコミも大歓迎ですので、誤字・脱字報告含めてお願いします。
世界設定の不安定な部分などは、複線だったりもするのでツッコミを反映できない場合もございます。
青い・・・うっすらと見える視界は薄い青で満たされている。
少し幻想的な風景にも見えるが、目に映る物が現実的なので夢見る少年のようにはなれない。
しかも半目の状態らしいので、よく見ようと思っても瞼が開かない。さらには、閉じる事もできない。ってか、体が全く動かせない。
体の感覚はある。
後ろに回された腕を動かそうをしても、何かに押さえつけられているようにピクリともできない。
眼球だけが動かせるから、周囲の状況を観察する事しかできない。
そして、しばらく色々と試したが・・・・20分くらいで飽きた。
どうやら俺は地上3メートルくらいの場所にいるらしい。
大きな四角いホールのような部屋で釣られているような格好だ。
円筒の石の柱が並び支えられた広い部屋自体も石造りに見える。
微妙に下に傾けられた俺の視界では天井は見えないが、部屋の中央付近に四角く日差しが注いでるみたいなので、天井は一部が開いているのだろうか?
床には通路のように赤い絨毯が一筋敷かれていて、それを踏まないように人が動いているのが見える。
見える風景はそれだけだ。
何がなんだかサッパリわからん。
でも、見える風景は薄い青で満たされている為に美しく見える。
20メートルはある長方形のホールを多くの人が奥の入り口から出入りしているのがわかる。
入ってきた人が俺の下まできて、しばらくしたら部屋を出ていく。
その繰り返しだ。
残念ながら半目で、しかも首が動かないから下でなにやってるのかは全然見えない
今は夏なのか、薄着の人が多い。
男なんか半裸に近い。
何て名前だか知らんが、古代のギリシアとかローマ時代の彫刻で見るような格好だ。
当然、若い女性も薄着なのだが・・・俺は半目でしかも首が動かせない。
ふくよかな女性的な部分を上から見下ろせる場所に居るのに、もどかしい事この上ない。
この何もできない状態というのは
ヒマだ!
腹が減る訳でもなく、喉も乾かないから特に不自由はしてな・・・
いや、全体的に無茶苦茶不自由だった!
この状況に慣れてどうする。
目も慣れてきたのか、うっすら青かった視界も普通に見えるようになってきた。
人間の脳ってすげえな。意識しないと青が感じられない。
そういや勤め先で流れてるBGMもある時を境に聞こえなくなったな。
「いま有線なってる?」ってバイトさんに確認するようになってたっけ?
そして、ただ流されてもイカン!
このままの状態が終わらないと考えると、かなり怖い。
何かこの状況を改善する方法を見つけなければ・・・まずは再確認!
たぶん、俺は置物か何かになってるような気がする!
幸い口元には鮭は見当たらないから、かの有名な北海道土産ではない事は確信できたが、絶対に壁に飾られている何かになってる気がする。
しかもランドマーク的な何かだ。
だって、部屋に入ってくる人が全員俺を見る。
部屋に入って最初に俺を見てから頭を低くして部屋に入ってくる。
もしかして『あの人』か?
いや、頭にいばらのトゲ的なモノが刺さってる感触もないし、掌が何かで貫かれてもいないから『あの人』でもない。
まぁ、バカな事をいくら考えても答えなんか出ない。
それよりも、なんでこんな事になってるのかが気になる。
誰か教えてくれ・・・
(そろそろです)
ん?
(そろそろ解放されます)
え?
(準備はよろしいですか?)
ちょっと待て!
(では3秒後に開放します)
ここチョット高いし足元が見えな・・・!
カシャーーーン!
きれいなガラスが砕ける音がした・・・
破片がこわくて腕で頭を守ろうとしたが、青かった欠片が空気に溶けるように光の粒となって消えていく。
そして、思ったよりゆっくりと体が降りていく。
多くの人が驚いた目で俺を見る。
足元を確認しようと下を見たとき、俺も驚いた目になる。
足元には赤い絨毯が敷かれ、特に危険な物はない。
ただ、そんな事よりも『大事なモノ』が視線の先にあり。
あって欲しかった服が俺にはなかった・・・・
「全裸だったのかよーーー!」
そう、俺の異世界での旅は、この一言で始まるのだった。