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四天王復活と八部神

第六章

      四天王復活と八部神


そんな騒動があったことも3年が経つと住民の記憶から綺麗に消えていた。

スザクも街の住民に溶け込み中の良い冒険者やギルド職員も増え冒険者としての評価が上った。

いつものようにギルドに行き依頼書を確認していると

「スザクさんいいところに、お願いがあるんですが?」

呼ばれたので受付にいくと

「スザクさん、スザクさんは使い魔でしたね」

「ああ、そうだけど。」

「実は使い魔の子がどうしても冒険者になりたいとギルドに毎日来るんですよ」

「それが俺と関係が?」

「大ありです、その子スザクさんが冒険者をしていると知って同じ使い魔だから冒険者登録をさせろと駄々をこねまして。」

「最弱な使い魔は冒険者に出来ないとはっきり言えば?それに俺は運良く強い魔物を使役出来たと言えば納得するだろ」

「それが、使役しているのがフェンリルなのです。」

「おいおい、神獣を使役だとなにもんだ」

「10歳になったばかりの子供です」

「普通の?」

「由緒ある貴族の女の子で・・・す」


「親が許さない、トラブルの元だ。」

「実は司祭様が許可を出しました。冒険者の厳しさを体験すれば諦めるだろうと」

パーティに参加するよりもソロで使い魔のスザクの方が厳しいだろうとの考えで許可を出したのだろう

「司祭の考えは甘いと思うぞ」

「何故ですか?」

「神獣を使役しているのだろ、素質はそこら辺の冒険者より上だ、余程の事が無ければ諦める事は無いな。」

スザク担当の受付ミヨンは司祭様の依頼内容を伝えた。

「冒険者を諦める様に厳しく指導する事が条件です」

「諦めなかったら?」

「それでも報酬は出ます。」

指名依頼を受けたスザクは翌日の朝に東門に来るように伝えて貰う


朝に門に行くと

「あれか、目立つな、」

「お前がリリカか?」

「そうです、使い魔のスザクさんですよね」

スザクはリリカを見て神獣が居ないので

「神獣は?」

「ラブは目立つから外で待ってるの」

「そうか、それより冒険者になりたいのにそのかっこは無いと思うが、それに武器は?」

「殺生はだめだってラブが」

「まったく!ラブとやらに少し待てと言っとけ」

リリカを連れ防具やと武器屋に連れ最低限の装備を買ってやった。

「いいか、身を守るのに神獣だよりはだめだ、もしそのラブが戦っている最中にリリカが狙われたら離れた位置から投擲されたら?」

「命が無い。」

「そうだ、では行こう」

街の外に出るとフェンリルのラブがゆっくりと近づいて来る。

「お前は?」

「ラブ、冒険者の心得を教えてくれる人でスザクさん」

「ふん!死霊使いがね」

神獣フェンリル、スザクを看破する。一瞬唖然としたが直ぐに

「流石神獣だな、どこで分かった。(ほんとは違うけどね)」

「お前から匂うのだよ、死霊の匂いがな」

スザクとラブがにらみ合うがリリカが間に入る。

「ラブ、死霊使いって?」

「そのままだよ、死した者を利用するネクロマンサー人々から忌み嫌われる存在特に聖教者にな良く化けた、褒めてやる。」

リリカはスザクから離れる。

「それでどうする」

「知れた事よ」

ラブはスザクをかみ殺そうと飛びかかるが太郎と鬼助、鬼丸を召喚しラブを止め押さえつけるが神獣の力は恐ろしく強く太郎は噛み消し鬼丸は体当たりで鬼助は雷撃を放ち消し飛ばした。次にスザクを雷撃しようとしたが再召喚の太郎がラブの死角から大きな体で止める

「なんと!」

そこにラブの隙ができブラット、ダンプを召喚、ダンプがラブを殴りブラットはその長い爪を硬質化させ心臓を突く。

太助、治助は空からスキル乱舞を使用して目くらまし。一太、双葉が咆哮しラブの首に取りついた

「ク、なんだこの数はしかもこの強さは」

不知火は驚きつつ豪炎を放ちスザクのビースト数体をその大魔力で消し飛ばす。

「風刃!」

スザクの魔法で切り刻むラブは長い毛を硬化させたが大きいダメージを受けた。

いきなりの戦いで驚いているリリカは慌てて<ホーリー・サークル>をスザクの周りに展開させた。

死霊使いに致命的な魔法だがスザクには全く危害を与えることは無かった。

「何故?なんで聞かないの、ラブどうして」

「ネクロマンサーではないのか?」

「少し違うな?細かい事は知らなくていいから、これで最後!」

止めの魔法を放とうとするとリリカがラブの前に立つ。

「待って!殺さないで」

叫びスザクを見つめる

「なら、先に手を出したラブにいいな。」

ダークビーストたちを戻しラブを開放した。リリカはラブに辞める様に説得した。

「リリカ、こいつは危険だ。依頼を取り消した方がいい。」

「どうする、リリカ?」

リリカはスザクを見つめ自分の直感を信じ当初の予定で冒険者になるべく教えを乞うことにしてラブに大人しくついてくるように言った。ラブも渋々同意しスザクを警戒しながら東の平原に向かう。

「スザクさんはネクロマンサーなのですか?」

「ダークカフディ(摩を使役する者)と言うらしい。」

「ラブ知ってる?」

「昔に爺さんが特殊な死霊使いの話をしていたな。」

「それはどんな風に伝え聞いた?」

「信じられないが、使役した死霊の能力が上がったり、上位個体に生まれ変わるといった具合だ。」

「死霊の能力が上がるのは異常か」

「普通そうだろ、死した者が成長することはあり得ない。しかも生まれ変わるなんて。」

スザクはダークビーストたちを召喚して能力上がりある程度上がると上位個体になったと神獣のラブに説明、ラブもその話を聞きネクロマンサーと使い魔の間の職業だと結論づける。

スザクはリリカに一つ一つ冒険者としての行動を教えていく。野営の場所、警戒すべき事由、獲物の生態、戦い方等、リリカも幼いながら才能があり飲み込みも早くラブが居る為魔物は簡単に倒すことができ能力も上がっていく。3カ月みっちり教え込まれたリリカは身体能力があがり中級冒険者並みなった。。

名:リリカ:聖女:使い魔:種族:人族:スキル:聖魔法:使役獣:神獣フェンリル


「もう教えることは無い。依頼達成の書類にサインを」

書類にサインをしていると、ラブが突然警戒の唸り声をあげリリカに

「リリカ後ろに下がれ」

スザクも突然の圧力にラブが見て要る方を見つめる。そこに黒く大きいラブのような魔物が現れた。

「暫くぶりだな、白蘭!」

「生きていたのか兄者?」

2頭の間に冷たい空気の揺らぎ立ち昇る。

(何だ、こいつは?)

神獣ラブの兄神獣フェンリルの不知火だった。昔にあまりの残酷な行いにより仲間に粛清され火山に焼かれ死んだはずだった。

「俺は山の火ごときで焼かれることは無い。あれから魔物を倒し続けて力を付けた。お前らに復讐する為に」

スザクから見ても力の差は歴然だ

「スザクとやらリリカを連れて逃げてくれ!」

不知火はラブが言うと同時に行動を起こしリリカに襲い掛かるがゴブがリリカの前に立ち鬼丸が後ろからその身を庇うように岩場の上に引っ張り上げもっと後ろにいる一太に放る。一太はその背に乗せ一気に戦場から離れた。

「お前らー!」

ゴブを粉砕、鬼丸を足元に押さえつけ一太に飛びかかろうとしたが鬼丸がその足を掴み辛うじてリリカを脱出させた。

鬼丸の腕をかみ砕きスザクを睨み叫んだ!

不知火がスザクに体を向けたその時ラブが咆哮雷撃しながらその首に噛み突いた。

不知火に電撃が走り焦げた匂いの黒い煙が立ち登る。

動きが止まる沈黙の時間が過ぎるがラブはその口を離そうとせず雷撃をもう一度放つが倒れる気配がない。

「白蘭、その程度かつまらん」

言うと体をひねりながら高質化させた体毛で串刺しにする。ラブも避け切れずくらった。

白い体が赤く染まりながら風神刃をと雷神刃を交互に放つが不知火は笑いながら風壁、雷壁を張りラブの攻撃を弾く、ゆっくり近づき豪炎でラブを焼き尽くす為口の中から炎が見え放つ寸前で

「ブラッド全力で!」

「鬼丸、ダンプ、鬼助、援護」

「太助、治助、攪乱しろ」

「ゴブ、メイは俺を守れ。」

スザクが命令し不知火を攻撃し始めた。ブラッドの眷属は豪炎で次々焼かれるがトロールには通用せず不知火に湾曲刀で切りつけると同時に次々にその他の眷属が湧き出て不知火を囲み蹂躙しようとする。不知火も豪炎迅で戦いの場を炎で染めつくす。その炎はブラッドの眷属を焼きつくしスザクのビーストも塵のように掻き消す。

不知火は薄笑いでスザクに

「スザクと言ったか降参するなら今の内だ」

言うや否や再度呼び出し不知火の死角から攻める。

「ええい!なんだ、お前はネクロマンサーではないのか?」

襲い掛かるビーストを圧倒的な力で塵にするが直ぐに現れキリがないと見るやスザクに狙いを付け豪炎迅でスザクと不知火の周りを炎に閉じ込める

(この神獣には勝てない、どうする。)

「お前がその辺の奴より強いのは認めようだがいつまで召喚し続けられるかな」

(魔力は断然向こうが上、尽きたら黒焦げ確実)

スザクは勝てないまでもこの状況なら一つだけ逆転の眼があると呼び出し続けて次の手を準備する

「兄者!」

ラブが炎の壁を突き抜け体当たりをしながらその牙で肩のあたりを食い破る。

「邪魔だ!」

食い破られたが引きはがし炎の中に投げ飛ばす。スザクは意識がそれたその時に水雹弾を多量に不知火に放った。水雹弾は高温の炎にまとわれた不知火に向かう

「ははは、無駄、無駄!この炎は消せん」

スザクの水雹弾は氷の中に圧縮した水を入れたものだった。散弾のように不知火に襲い掛かる

多量の水雹弾は高温の炎で中の水が一気に膨張爆砕した、水蒸気爆発だ。

爆発と炎が収まった時、不知火を中心にクレータのように抉れた風景が現れた。巻き込まれた生きとし生ける物たちは影も形もない。

スザクも爆発の衝撃破で体の骨と言う骨は砕け皮膚も焼け爛れる。ラブもその身は焼かれ四肢も砕け契れている。不知火と言えば爆心にいたのでその殆どは吹き飛んだ辛うじて首が解る程度だ。

「ぴろん♪」

「九死に一生の称号により死を免れました。」

「神獣を倒し経験値により能力が上がります・・・・・・」

能力が上がり状態異常が回復したスザクは

(まだ、鳴りやまらないなどこまで上がるんだ?)

「能力が上がりました。」

「スキル幽鬼使いが昇華しました。」

スキルの確認をすると死せる者と契約で使役することが出来ると

(契約?今までと何が違うんだ)

頭の中に内容が流れ込み目の前に爆砕した不知火に

「死して尚この世に未練がある者よ、我に力を貸せ、ならばこの世で我の影となり復活させよう」

手に証文が現れその光が不知火に照らすと頭に同じ証文が光ると透き通る不知火が現れる

「起こしたのはやはりお前か?何を望む。」

「お前の力!代わりに望みを一つ最大限約束しよう。」

「強者と戦うのが望み!敗れた今静かに朽ちよう」

「本心ではあるまい。」

不知火は虫の息のラブを見つめ

「ああ、望みが合った。弟の白蘭を救ってくれ」

「それでいいのか?最初から助けるつもりなんだが。」

「構わない!」

「ぴろん♪。ここに神獣不知火と契約により影に取り込みます。」

(召喚できた。それより白蘭を)

白蘭の元で<ホーリー・サークル>を掛け体の傷や欠損を治していく。失った血や体力は戻らないのでポーションで疑似的に補完する。

一通り治療が済み危機的な状態を脱したので、不知火を呼んだ。

「スザク!白蘭の事礼を言おう。」

「契約だからな、気にすることは無い。それより身体能力は下がったんじゃ。」

「そのようだ、」

「使用できる魔法は変わらない?」

「変わらない、むしろ増えているな。」

スザクの水雹弾、ビーストの影渡り、風刃、水刃、炎刃、を見せつける

「それと!」

黒い霧状になり消え後ろに現れる。

「便利だな」

「あ、兄者その姿は?」白蘭ことラブが話しかける

黒く艶の合った毛で覆われたかつての姿ではなく黒く炎のような体毛赤黒い眼、魔犬ケルベロスに酷似していた。

「気にすることは無い。こうしてまた会えた」

スザクは先ほどと打って変わった不知火を不審に思い

「不知火、聞きたいのだが」

「スザクいや、主と呼ぼう。心に思った通りだ」

(白蘭には知られたくない。)

(分かった。)

「白蘭いやラブこのことは内緒な」

依頼は完了、リリカと合流し街にもどる。出来事を盛んに聞きたがるが何とか追い払ったと濁し事件にはならず。司祭は仕方なく冒険者ではなく準聖騎士ならと許した。リリカも冒険者ではなく準聖騎士で納得した。


スザクもこの5年で今までの召喚者より身体能力は確実に上になり転生して何度も死線を潜り抜けてきたことで、サウス国に対する復讐も薄らいでいった

「不知火やり過ぎだ!」

「湧き上がる力が抑えられない暫く好きにさせよ。」

不知火は今までの鬱憤を晴らすようにダンジョンの魔物を倒していった。というのも心にある闇に付け込まれ魔王の四天王に支配されてしまっていたことが自負心を傷つけられたからだ。

ダンジョンの5階層ボス部屋で暇すぎるスザクは倒した魔物の魔石や宝箱の完全回復ポーション、ストレージバック、赤龍タガーを並べる

ストレージバックを腰のベルトに通しその中に荷物やアイテムを入れ身軽になったスザクは次の階層に向かう。

「不知火このダンジョンは何階層あるんだ」

「主、7階層だ。」

不知火との戦いでゴブ、メイ、鬼助、治助、次郎、双葉、ダンプ、空太が影の狭間から奥底に消えてしまった。

今は太助、太郎、ブラットのみである。スキルの変化で使役する数にも制限が掛かった。

魔石を回収しながら6、7階層を踏破して最後に部屋に入る。

薄暗く拝殿のような作りで扉が閉まると壁の松明が順番に着き部屋全体を照らすと中央に豪華な椅子があり黒い鎧の騎士が座っていた。

スザクは前に立ち見つめていると

「よくぞここまでたどり着いた。褒めてやる。さあ!我を倒しこの宝を持つ資格を得るがいい。」

椅子から立ち何処から出したのだろう、槍を手にスザクに向かって歩き出した

「主、英雄黒騎士だ!」

「そこにいるのは不知火、久しいな!」

「知り合いなのか?」

「昔に連れだって国に仕えた友だ。」

「黒騎士ウェイ・クー参る」

槍を回転させ目で追えないほどのスピードで突いてきた。スザクに届くと思われた瞬間太郎が槍を止め、ブラットがバスターソードを横に凪ぐ

黒騎士は掴まれた槍を手放しバスターソードを鎧の腕で止めそのまま叩き折った。

「只の寄生虫ではなかったか、名前は?」

ブラットと太郎を従えたスザクは答えず、豪炎爆を放った。

あっという間に爆発を伴う炎が黒騎士を襲う。

「不知火!どんな男だ?」

「我の知る黒騎士は、正義に誇りを持ち決して弱者を見放さない孤高の騎士だった。」

スザクは距離を取った。

炎が収まるとそこに何事も綯いように剣を抜き放った黒騎士が立っている。


「魔法の威力もまあまあか。」

「黒騎士!国の教会墓地に英雄として眠ったはずのお前が何故ここにいる。」

「眠りから引き戻されたとき利用されたことに気づいたのだよ。その気持ちを汲んで復活してくれた存在によって今ここにいる。」

「魂を売ったか!ウェイ・クー!!」

不知火が身体強化し炎を身に纏い黒騎士の首に向かい噛み砕きに行った。不知火と黒騎士の魔闘気がぶつかり波動が部屋中広がる。その圧力はビーストを掻き消すほど辛うじてスザクは防御魔法で波動を後ろに流す。

不知火、黒騎士は精神力の戦いになっている。少しでも先に動いた方が大きなダメージを受ける。

(両者とも後の先を狙っているのか、割って入るのは無理だな、)

スザクは不知火を守るのに専念し。ブラット、太郎に自分を守護させる

部屋の崩落が始まる。ダンジョンの部屋が崩壊するはずがないのだが両者の力はそれを凌駕した。

「不知火!また会おう。」

「待て!黒騎士。」

黒騎士は部屋の振動で不知火と距離が取れた事で後ろの黒い穴に消えていった。

遺されたスザクは、このままでは部屋が崩壊、崩落で押し潰されそうになるが太郎が身を挺して守りブラットは魔法を使って岩を破壊していく。


スザクは部屋の壁に亀裂を見つけ太助に広げるように命じ完全に岩や土で埋まる前に広がった亀裂に飛び込んだ。

「ドスーン・ガラガラ・カラカラッカ・」

亀裂の先に逃げたスザクは土塊に埋まった壁を見つめていると

「主!逃げられてしまった。」

黒い霧となりスザクの前に現れた不知火が悔しそうに話す。

「魔族なのか?」

「魔族ではなく悪その者だ!」

「良く分からないのだが?」

「悪の精神体が実体化した存在この世界では魔王とも呼ばれる」

「魔族の長が魔王ではないのか?」

「魔族は魔王の部下の一つでしかない。魔王を頂点にして四天王がいて八部神、その下に魔族、魔物や死霊がいる。」

「魔王が居たのか?」

「勇者と黒騎士や他の英雄が協力して数百年前に倒して封印されたはずなのだが。」

「つまり封印を壊して復活させた奴がいると?」

「そうだ、しかし封印を解くには多大の魔力と犠牲を伴うそして条件がそろわないと難しい」

スザクはあることを思い出すし不知火に話す。


「なんと言うことを!勇者召喚の儀で10人、確かに10人召喚したのか?」

「俺を入れて11人、俺は直ぐに廃棄と言って殺されかけたけどな。」

とんでもない事だった。10人の召喚には10人の魂が必要となる。普通の召喚は魂など必要なく行われるのが通例で魂を使う召喚は禁忌とされて行われることは無いはずなのだが今回行われた勇者召喚の儀が魔王の封印に干渉してしまい、その結果が四天王の復活だった。

「人間は本当に欲深いのだな」

「仕方無いだろう、それより魔王は倒せるのかそれと黒騎士や四天王も」

「魔王の復活には幾多の魂と血そして聖女の生贄が必要だ。」

「聖女?誰だ!」

「まだ生まれていないようだ。しかし四天王が探し見つけたら復活の為に厖大な虐殺が始まるだろう。」

「これはどこに報告したらいいんだ。ギルドは信用してくれないだろう。」

「教会だな。」

「不知火、俺は幽鬼使い無理だろう。」

ダンジョンから外に出ると直ぐに管理塔衛士長のジョンに会いに行った。

「まとめると、7階層ボス部屋に英雄黒騎士がいて部屋は破壊された。魔王が復活し世界が混沌する恐れがある。」


「その通りだ。」

眼を閉じ、ため息をつきながら

「どうにも信じられない。誰も信用しないだろう。」

「だが、教皇はどうだろうか。話ぐらい聞いてもらえるかも。」

ジョンはスザクを見つめ呆れたように

「無理だ。助祭、司祭、司教でさえ数回しか会えないのにどことも言えない馬の骨の俺達は一生会えないだろうよ」

「だが今のうちに魔王の分身ともいえる四天王を倒さないと。」

スザクとジョンが話し合っていると管理塔の受付より準聖騎士のリリカが合いたいとの連絡が入る

スザクとジョンはあ!と顔を見合わせ急いで受付に行く。

今や教会所属の準聖騎士となったリリカ、鎧を付け白いマントの姿でフェンリルを従わせている。周りからは神々しく見られ尊敬を集めている。

「ジョン管理塔長お久しぶりでず。」礼を取り挨拶をする。

「おう!1カ月ぶりか?どうした。」

横にスザクが居るのを見て、

「いや、ラブがスザク殿というかその~会いたいと言いまして。」

ジョンはリリカを奥の部屋に案内するスザクも同行した。

「スザク殿!」ラブが問う。

「兄者に聞きたい事が。」

「分かった。不知火来てくれ!」

影より現れた不知火はおもむろに

「白蘭、お主波動を感じたのか?」

「昔兄者といた優いし男に似ていた。もしかして綱らなる」

「優しいか、奴に聞かせたいものよ。」

「どういう事。」

不知火が一連の事を話し始める、魔王の復活を画策する四天王の存在、それに手を貸す魂を売った者

「信じられぬ、あの黒騎士殿が」

「四天王が選んだのだろう、八部神の一人に。」

「復活した四天王は誰だと思う?」

スザクが不知火と白蘭に尋ねる。

「<ルシファー>それと<ベリアル>で間違いないと思うなぜなら魂との契約で生き返らせるほどの魔力を持つのはこの2人だ。」

「後2人は?」

沈黙する。

「八部神の一人は黒騎士、後7名は?」

「魔王討伐に参加して死んだ者と考えた方がいい」


「教会の聖堂教会墓地を調べる必要があるな」

「そこで、リリカの出番だ。」

「いやいや、そんな勝手に墓を調べることは出来ない。」

「勝手にではなく教皇に話をして協力してもらうんだ。」

リリカはとんでもない頼みに戸惑う

「リリカしか出来ない、頼む!」

「分かった、でも直ぐは・・・半月後に謁見する機会があるからその時まで待ってくれ。」

ジョンも知り合いの騎士や冒険者にそれとなく知らせると約束する。

スザクは四天王の動向と黒騎士の行方を追うことになった。

これから魔王一族と大陸国家、勇者と英雄の果てしない戦いが始まる。


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