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管理棟と犯罪行為パーティー

        第五章 


  ダンジョン管理塔と犯罪者パーティ


(脱獄するのは簡単だけど後々面倒だからな、お!ブラットか)

ブラットはこっそりカイルの影に潜って盗み聞きしていてそれはスザクに筒抜けになっている。

(なるほど、此処をでても狙われるのか)

考えていると牢屋番がきて。

「おい!部屋が被害で修繕費を払えば出ていいとよ。大地の風に礼をいいな」

(ふざけているなだが大人しくしとくか)

「不本意だがいくらだ」

「こいつ!ツっ10万エリップだ」

「おお、10万?修繕どころか建て替えしてもお釣りがくるだろう」

ニヤニヤしながら「決まりだ、迷惑料も入っている」


スザクは仕方がないと荷物を持ってこさせマジックパックからお金を出そうとしたが中身は空だった。

「中が空なんだが?」

「知らんな、最初から何も入って無かったぞ」

「それは可笑しいな?荷物を渡す時剣を入れたのを見たはずそれも無いのは?」

「う、いや見てないな、最初から何もなかった。それより払えなかったら労役刑になるがいいか。」

スザクは一旦後ろを向き懐から出すように見せながら影の狭間に入れといた皮袋をとりだし中から10万エリップをだす

「これでいいな!」

「ど、どこから私物は提出する規則のはずや・」

「猫糞対策で金の袋は分けて持っている。とにかく金を払った、出してもらおう」

「駄目だ!規則違反で」

言う前に指を鳴らし牢屋の扉を壊し外にでて牢屋番に

「これ以上難癖つけるなら命は無いと思え!」

「な、何をもし俺達に傷一つ付けたら重罪で死刑だぞ」

あらかじめ太助に盗まれたものを探してもらっていたので牢屋番を無視して隠してある部屋の前に立ち

「長官を呼んでもらおう、立ち合いでこの部屋を開けるからな」


牢屋番は大汗を流しスザクを扉から退かそうとしたがスザクは動かない、騒ぎを聞きつけて数人と長官のジョンもやってくる

「何の騒ぎだ。」

スザクが扉の前で数人とやり取りしていた

「お前が長官?」

「生意気な、そうだジョンと言う」

「罰金を払えと言って私物を返してもらったが中身を全部盗まれてねその盗まれたものがこの部屋にあるから立ち会え」

ジョンは牢屋番を睨むと大汗を掻いている。こいつやったなと思うがもう遅い

「おい開けろ」

鍵を開けると其処にお金と剣や野営道具、魔石に赤石、ポーションが数多く、テ-ブルの上に置かれていた。

「どういう事だ、説明しろ」

「いや、こ、これは自分がコツコツ貯めて。」

「ふざけるな、お前の賃金でこれだけのものを買えるか!」

ジョンはスザクに頭を下げ陳謝する

「俺の物を返してくれ、後はそっちに任す。10万エリップを払ったもういいだろう。」

「10万?それは賄賂か?」


「はあ、そっちが請求した賠償金だろ」

ジョンは牢屋番を再度睨み

「どうやら手違いがあったようだ。おい!」

「は、はい返します」

「すまない、修繕費と罰金で1万5千エリップだ」

この牢屋番荷物は盗むは金を大幅に多く請求するはひどすぎる、だがこいつだけだろうかとジョンに払いながら

「この慣れ具合こいつだけかな?」

ジョンは他の人間を見ると殆どが小刻みに震えているのを見て顔を振り

「君のお陰でこの管理塔の不正が明るみになった。しかし見過ごしていた私の責任は大きい国に報告して採決を待つことになるだろう。」

「いつからここに配属」

「月の頭からだな」

「だったら分からなくて当然だと思うが」

「そんなことは言い訳にならない。ところで君が言っていることは本当なのか」

「ああ、ダンジョンの中でボス部屋に閉じ込められたが証拠はない。」

「彼らのダンジョンの記録を読み直すと君の言う通り新しく入り行動した冒険者は必ず事故で死んでいるしかも全部で18人。放ってはおけない、報告書に追記して踏査依頼を掛けるつもりだ」

「それなら早くしてくれ、あいつら俺を消す積だからな。」

「だったら護衛を付けよう。」

「そうじゃなくて、降りかかる火の粉は払わないとね」

「うん、まさか撃退出来ると?」

「撃退どころか命はないな。」

「怒りは分かるが、堪えてくれないか出来れば生きて捕らえたい。」

「だが、証拠がないと罪に問えないと思うが」

「待ってくれ、おい!チジミお前何か知っているだろ答えたら降格処分だけで済むようにする。他にも知っていたら同じ処分にするぞ」

ジョンは部屋にいる牢屋番や職員を睨みつける。後ろにいた若い受付職員が恐る恐る手を上げた

「君の名は?」

「オクルと言います」

震えながら答えると中の数人が怒気を含んだ目でにらみつける。

「今、睨んだ奴は労役刑にすると検見人に報告するからなオクル話せ」

オクルはスザクの言っていたことをカイル達が話しているところを偶然聞いてしまいチジミ他に報告したが既に周知のことで、黙っていないとあのパーティに貶められ犯罪者にされることになると脅され口を告ぐんだと証言した。

「何だ、みな知っていたのかお前ら覚悟しろ!厳罰だ。」


慌ててチジミ他関与していた者達がカイル達のしてきたことを我先には話そうとするがもう遅い自分と一緒に赴任してきた衛士たちに命じ牢屋に収監した。

「スザク君、証言者は確保できた。後はカイル達が君を襲撃した事実を見届けるだけだ。なので、検見人と行動してくれないか?」

「検見人とやらの安全は担保出来ないがそれでも。」

ジョンはそれでいいと、検見人は実力者で自分の身ぐらい守れるとのことで了解した。

カイルらは管理塔の出来事を知らず、スザクの従魔の対策を講じていた。

「あの鳥を如何にかしないと」

「魔法を使う前に魔道具の箱に閉じ込めることが出来れば」

「ダラダラ、マジックバックを持っていたよな、其処に入れて隙を見て道具を直前に出せば箱に閉じ込める事ができるはずだ。」

「私たちが囮になればより成功するわ!」

後は襲う場所をどうするかだが、ギルドの依頼受付担当に協力者がいるので事前にどこに行くかわかる為先回りして待ち伏せすると決まった。

数週間後にスザクが戻ってくる。金で何でもする男に見張りをさせ動向を注視した。

数日後に動きがありギルドの内通者から場所を聞き先回りしてスザクが来るのをまった。

「そろそろだ、皆準備はいいか?」

そこは岩場で要所、要所に身を隠すところがあり待ち伏せするには最高の場所である。スザクはわざとその場所を選んだことをカイル達は知らない。

「そこに隠れているのはわかってる、出て来いよ!」

カイルがゆっくり前に出てきて剣を抜きスザクに切りかかるふりをすると太助がカイルに向かって飛びかかるが簡単に避けられてしまう太助はもう一度攻撃しようと反転するときにダラダラが魔道具の箱を開き太助に投げつけ上手く箱に閉じ込めることに成功した。

「良し!捕まえた。」

「これでお前の攻撃手段はない、覚悟しろ」

「そうよ、邪魔者には消えて貰わないと。」

身を隠していた2人も出てきた。

「何故襲う?」

「知ってはいけない事を知ってしまったからな。」

「ああ、雇った冒険者をボス部屋の生贄にしていることか?」

「うるせい!ああその通りだ。命は貰うぞ」

ダラダラが動こうとしたその時

「待ちなさい!その話は本当ですか?」

「だ、誰だ!」

「検見人のマーガレットだそうだ。」

「検見人だとなんでここに」

「それよりもどうする」

「いっそ2人ともやっちまおう。」

「太郎!手加減しろよ」

太郎が咆哮で一瞬動きを止めダラダラに体当たりキャンとブッキラを前足で凪飛ばす。残ったカイルに覆いかぶさり押しつぶした。

「ご苦労、戻って。」

「スザクさん今の?」

「内緒でお願い。それよりこいつらを拘束したけどどうする?」

するとマーガレットは指笛で荷馬車に鉄の檻を付けた。移送用の馬車を呼び4人を放り込み街に帰る。

「ところで、忘れてない。」

「何が?」

「箱、箱に閉じ込められた あ、の」

「ああ太助の事か心配ない、見ろよ、太助!」

空から太助がスザクの肩に舞い降りた。マーガレットは多少驚きはしたがそれ以上は聞くことは無かった。

街に戻ると見慣れない騎士たちがいることで住人が騒いでいた。そこにカイルら4人が檻の馬車に入れられて戻ってきた事でもっと大きな騒ぎになった。

「大地の風が何で檻に入ってるんだ」

「街にとって大事なパーティだぞ」

「え・え~い、壊してしまえ!」

暴動が起きそうになるが騎士の隊長のドゴウ・イッテンが

「国に弓引けば反逆罪で死刑だ、それでも良いか!」

ドゴウの一括で住民の暴動は抑えられた。それでもギルド長や街の名士が説明を求めたので、検見人のマーガレットがカイルらの行った犯罪を説明し証人もいる事を伝える

「そんな、信じられない。」

「だが、事故死が18人と多すぎだ、長官は疑わなかったのか?」

「18人?聞いていないぞ、だがカイルはギルドの指名依頼や雑用などの依頼もこなし街にとって信用のおけるパーティで犯罪を犯すことは・」

「その前にギルドの受付にミシルがいるだろうそいつが情報をカイルに流していた、これだけでも信頼が置けると言えるか?」

長官は驚き直ぐにミシルを呼び事実かどうか問いただした。ミシルはカイルがつかまり騎士や検見人のいる前では嘘は吐けずすべてを話した。

ミシルもその犯罪に手を貸していたことで長官まで事故死の情報が上がっていなかったことも分かった。

カイル大地の風の犯罪が露見して長官と街の名士が住民に説明することで騒動が収まりそのままマーガレットとドゴウ達は4人を王都に連行しミシルは長官に任せた。


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