赤石と魔石と犯罪パーティ
第四章 赤石と魔石と犯罪パーティ
「珍しいな。使い魔か?」
(ほんとは違うけどいいか)
「よく言われる、これでいいか」
銅タグを水晶に翳し身元確認をする
「あいよ、入場料と人頭税で500エリップだ」
「高いな、何故」言いながら500エリップ1枚を出す。
「冒険者が初めて入る時には仕方がないんだ、次回からは銅タグを翳すだけで通行可能だ」
「後、従魔と一緒に泊まれる宿屋は無いか教えてくれないか」
「殆どは大丈夫だ、馬屋の一角に従魔を入れる小屋があるからな」
「いやいや部屋で一緒に」
「あ~う~その大きさだったら、ん~オオボラ亭なら泊まれるかも」
場所を聞き向かう
「カラン、コロン」ドアベルがなり中にはいる
「いらっしゃい、食事、宿泊?」
「こいつと一緒に泊まりたい」
「従魔と、ん~割高になるけど」
「構わない」
「なら、一日50エリップ食事別、逗留するなら日数で割引があるよ」
「とりあえず1カ月で」
「ありがたいね、なら300エリップ前払いだ」
「随分安くないか」
「従魔が問題を起こしたらその場で出ってもらうからさ」
「そうか注意しよう」
無事宿屋を確保したのでギルドに再登録に向かった。冒険者は街を移動するのが常なので必ず訪れたギルドに訪問し再登録をする義務が生じる。
「スザク様、登録完了です。それと赤石の報酬です。」
渡されたのは3千エリップ高額である
「随分多いな内訳は?」
「ゴブリンの赤石の状態が良いので50個で1000エリップ、オークの赤石5個で400エリップとなります。」
「逆に質問ですがどうやってこの量の赤石を」
「オプシからここに来る途中の森の奥に村があってそこでね」
「魔物が村を造っていたんですか、どこですか?」
「心配しなくてもいいよその結果がこの赤石だ」
「いいえ、調査するのが決まりです。」
地図を借り大体の場所に印を入れ現場に焼いた残骸があるので直ぐわかると教えた。調査が終了したら別に報酬があるらしく宿を聞かれたのでオオボラ亭にいると伝える。
宿に帰り部屋で荷物を整理しながら今後の予定を立てる。
「能力上げと、北の山のトロールの召喚か、ブラット!」
「ここに、主様」
「眷属召喚の条件はあるのか?」
「HA、私がかの物の血を吸うこと。闇夜で有ることです。」
「身体能力は関係ないのか?」
「聖なる気を纏っていない事と耐性が無ければ」
「眷属は昼行動できるのか?」
「残念ながら、日があると焼かれ消えてしまいます」
「普段はどこに?」
「魔の門の狭間に、いつでもどこでも呼び出すことは可能です。」
「俺のスキルよりすごくないか?」
「倒され消されると再召喚は出来ません」
「ん!死ぬのと同じか」
「はい、ダメージの自然回復は出来ませんので」
「ポーションは使えるか。このかばんを持っておけ」
ブラットは受け取り摩の狭間にしまい込む、その他準備をして翌日に備え眠りに着いた。
宿の食事を済まし北の門から山に向かう門番に挨拶をして見えない位置に移動すると馬を召喚する。
「ブヒヒーン、ブルブフ」
「良し、山まで頼むぞ」
ビースト化した馬、体も大きく筋肉が浮き出しスレイプニルのようだ
その馬に乗り休憩なしで3日、駆け抜けた。山のふもとに着き馬を戻し一息つく
太助と空太に探査を命じ、ブラッドとメイを従え山に登る。リザードやロックスネーク、などを蹴散らしていく山の中腹に大きい洞窟があると太助が教えてきた空太と太助が監視している中スザクが洞窟の前に立った。
「ブラット中を見に行ってくれ」
ブラットはフォグ・コルボのスキルで中に入っていく。共有した視覚で中を見ていくと洞窟の中に大きい空間が現れその真ん中にトロールが2体その奥に道が続いていて途中途中に何匹か点在している。
「まず手前2体、ブラットは奥の個体を牽制、鬼助、鬼丸、ゴブ、メイで相手するぞ」
鬼助、鬼丸が右、ゴブ、メイが左を担当し分断する。右のトロールは大剣を持ち鬼助に切りかかるが鬼助は金棒で受け止めると鬼丸がメイスを叩き込む。
左のトロールは湾曲刀をふりまわそうとするがメイの風刃で体が切り裂かれる。動きが散漫になったところにゴブの鋼で出来た棍棒の突きが入る。
両方とも傷は出来たがそんなにダメージを受けているように見えない。
「体がでかいし硬いな」
行き成り「眼がひかるとゴブ達の動きがとまり鬼助とゴブが消し飛ばされた。」
「鬼丸とメイもダメージを受けるが持ちこたえた。」
スザクは落ち着いて再度呼び出しついでに太郎、次郎を呼ぶ。太郎、次郎はトロールの足をかみ砕き横倒しに成功再度呼び出した鬼助、ゴブがタコ殴りにする
息も絶え絶えのところでスザクの風刃で止めを刺し幽鬼使いスキルを発動するが失敗
「うわ~また失敗!次だ」
もう一方のトロールにスキルを使用する。
「召喚!召喚。」
「召喚に成功しました、貴方の影の狭間に取り込みます。」
「ぴろん♪能力上がります。」
「久々に上がったな、」
呼び出してダンプと付けた。
名:ダンプ:種族:トロール魔物:スキル:ムーブ(目の光りが相手を拘束その熱で消し炭にする)咆哮(相手を気絶させる)クレイモア
「ダンプ前に、メイ後方他は戻れ」
ダンプは大きな体ではあるが思ったより俊敏で相次いで中にいるトロールを倒していく。
「結局ダンプだけか、ブラットは?」
「ここに」眷属召喚で1体のトロールをだす
見るとダメージで体はボロボロである
「ブラッド、ポーションで回復しておけよ。」
ブラットはいくらでも眷属に出来るがダメージもそのままなのが欠点である。
山での成果はトロール1体、トロールの赤石が3、ロックスネーク、10、リザード、5となった。
ギルドで報告をすると
「こ、これは少しお待ちください」
後ろで話し合っている
「お待たせしました。この赤石は北の山で?」
「そうだが」
「こちらの調査では5体との報告なのですが」
「いや!3体しかいなかったな。」
「分かりました。トロールの討伐報酬と合わせて3千6百エリップになりますご確認を」
確認して金袋に入れているとギルドは職員を北の山トロールの調査に派遣した。
スザクは依頼が残っているかボードを確認するが街の手伝い依頼しか残っていなかった。
(今日は終わりにして武器でも見に行くか。
朱雀は街の武防具店と道具店に行くことにした。数店舗見ていくと突然
「スザク様ではありませんか?」
声を掛けられ振り向くと其処に以前に助けたフバイの娘、コットンがいた。
「コットンさん元気でしたか?」
「はい。その節はありがとうございました。ところでスザク様は何を?」
コットンに使用している武防具を買い替える為に色々見て回っていると話すと
「スザク様!何故私どもの店に来て下さらないのですか?折角父が割符を渡したというのに。」
というと直ぐにスザクを自分の店にと連れて行った。
フバイの店は多店舗と比べて小さい方だった。しかしどこから仕入れるのだろうか結構良い物が多く値段も一般価格と保々同じである
「コットンさん、こんなに良い物があるのに人が余り居ないようですが?」
「ふふふ。それは紹介状ないと売らないからです。」
「紹介状?」
「スザク様もお持ちではないですか」
スザクはフバイから貰った割符を思い出し。割符に確か名前が書いてあることを思い出し鞄からとりだした。
「これの事か」
それは特殊な紙でできた四角形をしていて魔力水で渡した相手の名前が記入されていた。
「はい、それを店にいる人に見せれば買うことができます。」
「なるほど、だから偽物が出来ないように特殊加工の紙に魔力水で名前を書くのか。」
単純に製法が門外不出でコピーが出来ないと言うことだ。
話ながら店の中で必要な物を探すと奥の樽に雑多に詰め込まれた剣が沢山ありそこから何となく気持ちが惹かれるので傍まで行くと
(なんだ?淡く光を放っているものがいくつかあるぞ)
スザクは光を放っている短剣と2尺ほどの剣を取りだす。
短剣を鞘から抜くと小毒剣:毒の追加攻撃付与と剣の名前と情報が表示された。
(ほ~なんでこれが十把一絡げで売ってんだ)
剣も抜くやはり短火剣:火の追加攻撃付与と表示
(名持ちの武器がこんな扱いにされるとは)
「コットンさんこれはいくらですか?」
「え?この樽の品は鍛冶屋に引き取ってもらう廃棄物ですけど」
スザクはその廃棄という言葉でこの世界に来た事を思い出した。
(廃棄か、だがその中にも光る物があると言うことか)
まるで自分に言い聞かせるように思い
「ではこの二つを売ってください」
「いえいえ、これはお金を払って鍛冶屋に引き取ってもらう品で売り物ではないですからお売りすることは」
「処分するのであればぜひ私に売ってください」
コットンは売り物では無いと説明するがあまりに熱心に頼まれるので
「スザク様、処分する品を売ることは商人としてできませんですが其処までおっしゃるのであればスザク様に樽事引き取っていただく。もちろんお金を支払ってですよ。」
「分かった。全部引き取ろう。」
樽の中にはまだ名持ちの武器が数点あるのでスザクは直ぐに魔法袋に全部移した。
コットンは手早く廃棄費用として10エリップを渡す。
「スザク様他に入用な物は?」
「革鎧とフードが付いたローブそれに靴だな」
「少しお待ちください」
店の奥に行き店の者に持たせた品をテーブルに置きスザクに説明する
「まず、この靴ですが沼地に生息する泥鰐の革を素材にした一品で熱や氷に強く軽く丈夫で滑りにくいですどうでしょう」
靴の次は革鎧、ローブとスザクに渡す
「店に展示している物よりずいぶん良い物だ、全部買ういくら?」
「父より助けて頂いたお礼をしなければと言われていますのでお金を頂くわけにはいきません。どうぞこのままお持ちください。」
「いや~これほどの品を只と言うわけには」
(欲しいが、只より高い物はないというからなでも持ってる金では足りないはず分割で話をしてみよう)
「スザク様これは助けて頂いた報酬と考えて頂けないでしょうかそれならばスザク様も気軽に受け取れると思いますが」
スザクもそういわれて報酬として受け取ることにした。
「では、報酬として受け取らせてもらおう。そういえば魔石の買い取りもしているのか?」
コットンは目を輝かせて
「はい、魔石は通常の魔物からは中々でないですから貴重なのです通常は赤石と言われる魔物の心臓が死んで変化した物しかありませんが稀に赤石とは別に体の中心に黒い石があることがありそれを魔石と呼んでいます。貴重ですから高く買い取りさせて頂きます」
赤石は魔道具や武防具の材料として使う。魔石は魔法武防具や魔法のアクセサリの材料になる。
一見同じように見えるが赤石は付与、魔石は発動と大きな違いがある
例えば火の付与は攻撃した後に追加攻撃で火がその部位で燃えるが魔石を使うと炎の剣になる。
「ならこれを」
出したのは小指の爪ほどの魔石。
「分かりました。少し見させて頂きます。」
重さと輝きを見る箱に入れると箱に平たくついている水晶に重さと輝きの等級が表示した。
「0.5匁と1ルクスです。小さいながらアクセの材料として最適ですねこれなら~900エリップでいかがでしょうか?」
「こんな小さい物がそんなにするものなのか?」
「魔石自体希少ですしそれに小さいですが品質自体そう悪くないですから」
「今までで一番は子供の拳くらいの大きさで15万~18万エッリップでしたね。」
「それだけあれば一生遊んで暮らせるな」
スザクは魔石の値段に驚いたが流通している事を考えると必ず発見できるところがあると思い聞いてみた
「コットンさん必ず取れる場所か魔物がいるところがあるんじゃないのですか」
「スザク様よくお分かりですね、そうですダンジョンと呼ばれる魔物の沸く場所がありそこで魔物を倒せば一定の確率で取れますでも魔物の脅威が大きく中々安定的には取れないのです。」
ダンジョンの魔物を倒すと赤石ではなく魔石が必ず取れるが品質がピンキリなのと脅威度がB以上の為、銀タグの冒険者数人がいないと確実に生きて戻れないそんな場所である。
「ダンジョンかソロでは難しいか」
「そうですね、回復者は必ず必要ですし時間の感覚がずれるので日用品や食料、薬も必要でしょう。」
「さらに常に魔物が現れるので見張りを交代してするので数人、なのでパーティで入るのが通例です」
ダンジョンの話を聞きながら回復薬、解毒麻麻痺薬、灯りなど必要な物を買っていく
「ありがとう、良い買い物が出来た。」
「いいえ、お眼に叶う物を用意いますのでまたいらしてください」
フランの店から出て宿に帰る。
真新しい防具を身に着け腰に剣、胸の横に短剣を装備しローブを着こみギルドに行った。
依頼書の貼ってある壁を見ていたら
「なあ!」突然話しかけられた。振り向くと
「魔物使いは君か?」
本当は違うが頷く
「パーティに誘われず大変だろ、実は僕たちダンジョンに行くので荷物持ちを探しているんだ、戦闘に参加しなくてもいいからダンジョンの踏破に参加しないか?」
「ダンジョン?」
「そうなんだ、戦闘は僕たちが担当するから荷物の管理と雑用する冒険者を探していたんだ。どうだい」
「ダンジョンに興味はあるな」
「そうだろ中々ダンジョンに入る機会はないだろうからどうだい」
「報酬は?」
少し顔が引きつったが
「戦闘しないから500エリップでどうだい。」
「それプラスダンジョンで得られる魔石と稀にでる宝箱」
「う~ん均等割りというわけにいかないけど多少なら」
「数個でも貰えれば。」
「よし決まりだな、では明日朝一西の門に来てくれ」
そういうとその場を去ってしまった。
(おいおい、メンバーの構成や荷物の量聞いてないぞ)
翌朝胡散臭いと思いながら門にいくがまだ誰も居ない
「時間も守れないとはあまりいいパーティではなさそうだ」
門について少し経つと4人と荷物持ちが現れた。
「待たせたかな」
「そんなには待ってないな」
「ドスン、ドッスン」重そうな大きい袋2個を地面に落とす
「あっしはこれで」男が報酬を貰い帰っていった。
「これを担いで、食料と野営道具が入っているから扱いには気を付けてね」
冷たい口調で亜人の女が言う。
「これを一人で?」
「そうだ、契約したんだ、今更いやだとは言わないでくれ」
大きい男が横柄ないいかたで答える。
「あなたの仕事、」
小柄な女がぶっきらぼうにいう。スザクは予期していたかのように、門の影に行き見えないように背負子をマジックパックから出し4人の前で背負子に荷物を括り付け背負った。肩にずしりと来るが今のスザクには特に支障はない
「荷物も心配なさそうだ行こう。」
辻馬車に乗りダンジョンに向かう。4人はダンジョンの話は全くせず昨日の飲み会の話に終始していた。そうこうしているとダンジョン入り口に着いた。
「5人なら500エリップだ」
ダンジョンは国で管理しているので入るには資格と料金が必要で冒険者もしくは国の許可書を持っている一人100エリップ払えることだ
5人はダンジョンに入る。そこは洞窟が続き所々に扉がありその一つがボス部屋と呼ばれ倒さなければ次回層に行けない決まりとなっていた。
「みんないつ魔物が出てきてもおかしくないから注意しろ」
「一階層は簡単よ、カイル。」
「この間そう言って怪我したのは誰だ」
「うるっさい!ダラダラ」
「喧嘩はしないで、キャン」
「ブッキラの言う通りだ」
カイルは言いながら剣を抜き迫ってきた牙狼を切った。煙のように消え其処に魔石が落ちる。奥からまた数頭が走り攻撃してきたがダラダラが盾で弾き止め、キャンの炎の魔法で焼く
「楽勝でしょう」魔石を回収して進んでいく
スザクはこっそりブラットにダンジョン内の探査を命じていたので驚くことは無かった。
「スザク君、魔物使いにしては落ち着いているね」
「そうか、襲われる心配は無いんだろ。」
カイルは落ち着きすぎているスザクを気にしながらダンジョンを進んでいく
「ここが最後の部屋らしいな」
「ボス部屋ね、」
「気を引き締めていくぞ、いいか?」
オウ、と気合を入れたカイルのパーティは扉を開ける、そこにオーガ2体がこちらを見入るように立っている。
「オーガよ」
「今回は外れ!どうする。」
「決まっている」
突然、後ろにいたカイルがオーガに向かうようにスザクを蹴り飛ばした
「計画通りに部屋から出るぞ!」
扉が閉まる前に4人は外にでる。
「あ~あ、今回は1階層だけかよ」
「仕方がないさ、あいつが食われたら準備な」
「次のゴブリンは楽勝だな」
ボス部屋はランダムで魔物が変わるが1階層はオーガとゴブリンで攻略者が失敗すると次は違う魔物が出てくる決まりでスザクを生贄にしたのだ。しかし部屋に入れる気配がない
「おかしいな、」
「中で逃げ回ってんだろ、もう少し待とう」
(何かあると思ったけど蹴り飛ばすことはないだろ)
オーガ2体が目の前にいるのだが近づくことはない、スザクの前に現れたブラットがバスターソードで瞬殺する。
ブラットをねぎらいながら魔石を回収して奥の階段を下り2階層の扉の前の横に石碑があり文字が手を翳し文字を読むと石碑が光り自身も同じように光る。頭の中に言葉が
「登録できました。入り口と繋がり相互に行き来できます。」
スザクは外に出ることにした。
「お!終わったようだ」
「扉を開けるぞ」
そこには居ないはずのオーガが立っている。
「なんでよ」
「そこから前に行くな!でるぞ。」
だが勢いが付きすぎ戦闘開始のラインを踏んでしまった為扉が閉まり閉じ込められた。
「バカヤロウ!もうこうなったらオーガを倒さないと」
「魔物使いは?」
「気にする暇はないぞ」
オーガと乱戦になる、数時間後にボロボロになったカイル達ダラダラは盾を粉砕され腕を折られている。キャンは魔力が枯渇し気絶、ブッキラは辛うじて立っている。カイルは胸を抉られ今にも命が消えそうである
「カイル!飲んで」
回復ポーションを飲ます傷は治るが欠損は治らないので片肺は失うこととなる。
「ゲッホ、ゴホ」
「どう。」
「ヒュー、何とか、だが長くは動けそうにないな」
「魔石を回収して皆の回復を待って移動しよう。」
部屋にいる間、魔物はわかず外からも入ることは出来ない、いわゆるセーフティゾーンになるのだ。
カイル4人は石碑で手を翳しダンジョンから脱出した後、外の管理塔の部屋で休む。
「一体何が起こったんだ。」
「規則が変わった?」
「考えられるのは2つ、奴がオーガを倒した。規則が変化した。」
「使い魔がオーガを倒すことはあり得ない、すると規則が変化したとしか・・」
「今まで安全に魔石を確保出来てきたのに」
「だけどおかしくない、今までうまく言っていたのに突然変わるなんて」
「毎回こんな事をしていたのか?」
聞き覚えのある声だ、声のする方向に振り向くと死んだと思われたスザクがいる。
「生きていたのか?どうやって何故ここにいる。」
「何故?どうやって、当然倒してに決まってる」
4人は顔を見合わせ
「そんなバカな使い魔にオーガを倒す力はないはず」
そういいながらスザクの隙を伺う。火蓋を切ったのはキャン部屋の中だが炎を撃つその後に続くようにカイルが剣を打突しに行く。
スザクは指を弾き目の前に水の壁を構築し炎を相殺し打突も水の壁に阻まれた。
「魔法?」
「魔導士なのか?使い魔がじゃないのか?」
ブッキラが光魔法を放つ、指を鳴らしその魔法を弾く
「弾いた?どうやって。」
管理塔の職員が大きい音に驚き部屋に入る。
「何をしている、此処での騒ぎはご法度だ!」
「こいつがいきなり・・・」
「反対だろう!」
直接見ていない管理職員は困りとりあえず両者から聞き取りをする。
カイルの大地の風はこの街で長く冒険者をしているので信用され直ぐに開放された。
「君!スザクと言ったかどうして騒ぎを?」
「何度もいったろ、あいつら度々メンバー募集で入った人を生贄にしてボスを倒していたんだ、記録を見ればわかるはずだ。」
「確かに事故で無くなる者は多いが新人は連携のミスが多い」
「でもそれはパーティがカバーするだろ」
「ええい、カイル達は街に功績を上げている期待のパーティだ、お前のような使い魔とは違う。」
聞いてくれず事実がはっきりするまで牢屋にぶち込まれた。
開放された大地の風は直ぐに街に戻る辻馬車に乗り込む
「カイル、まずくないか?」
「大丈夫だ!それより奴を始末しよう。俺達に変な噂が広がる前にな。」
「そうね、私たちはこの街で長く貢献して信用されているから少しでも醜聞が広まるのはいやね。」
「でも、あいつスザクと言ったかしら使い魔じゃないわ」
「そうだ、魔法を使ったそしてあの従魔」
「だから魔導士だって。」
「だが、ギルドで使い魔だと言ってじゃないか。」
「隠していた?」
「わざわざ隠す必要が?」
「あの従魔じゃないか?」
「只の下級の魔物のはずよ」
「だけど仮面をつけてたぞ。」
スザクのダークビーストは他と区別する為顔が黒く骸骨のように見える仮面を付けているのだ。それを勘違いして魔法を使う別な個体と結論づけた。