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召喚者

召喚された召喚者の動向です

第2章 召喚者10人



召喚の儀で10人の勇者を向かい入れたサウス王国の神官、牧師、

スノウ王女、はこれからの方針について話し合っている。


「では、10人を3班に?」

「ええ!騎士、近衛兵、魔法士と順番に教育してもらいます。」

「割り振りどうしますか」

「知り合い同士3、3、4でいいのではなくて」

男性の学生3人、女性の学生3人、社会人の男と女の4人

学生のリーダと思われる

男子学生:鈴木卓也:召喚者:種族:人族


女学生のリーダ:白田順子:召喚者:種族:人族


社会人のリーダー:山城里香:召喚者:種族:人族


「それぞれ、騎士団長、近衛隊長、魔法士長に通達をお願い」

山田正樹、田中成都、鈴木卓也が騎士団

川田さくら、神田もも子、白田順子は近衛兵団

鈴田れいな、高木誠也、田所雅、山城里香を魔法士団に預かりとし3カ月でローテションすることになった。

召喚者と訓練するメリットは召喚者と一緒にいる者はLVが各段に上がりやすい。デメリットは召喚者自身のLVは上がりにくい事だ。これは重要な秘匿事項で王族の直系と側近の一部しか知らない。

「ぜいぃ、ゼイ、ク、しんどい」

山田は基礎訓練から悲鳴を上げる。

「まだまだ始まったばかり基礎中の基礎だぞ、しっかりせんか!」

騎士団長のリトル・ジンが叱咤激励をする。訓練は鎧を装着しての走り込みと剣の振り込みがメインだがそれでも身体能力は上がった。

「これで上がるとは」

今まで危険な魔物の討伐や戦争でしか上がらず最近ではそれも中々上がらなかったリトル・ジンは、ほくそ笑んだ。


リトル・ジン:騎士団長:種族:人族:固有能力:拳闘剣士


ジンはこのままいけば王国の古代史で伝説の英雄に到達するのも夢ではない。他の騎士も今の俺に近い能力までに行くだろう。

「もうーいや!こんな事したくない。魔法なんて使えないじゃん。」

神田ももこが泣きながら文句をいった。

魔法師団に組み込まれた女子学生体力と感情が訓練についていけない訓練を嫌がるようになり師団長のマリアン・スカーレットは煽てながらの指導に四苦八苦する

「もう少し頑張りましょう。身体能力上がれば魔法が使え体力もついていけるようになります。」

時間は多少かかったがやっと上がった。上がると魔法が使えるようになり女子学生は魔法にのめり込んでいった。


マリアン・スカーレット:魔法師団長:種族:人族:固有能力:魔法士


社会人四人組は諦めて訓練をだらだらこなしていく。

「召喚って元の世界で俺達の立ち位置はどうなっているんだろう?」

「行方不明か失踪、はたまた誘拐だろ当然会社は首だろうな。」

「いやだ~会社に入るのにあれだけ苦労したのに」

「私も会社に入るのに浪人までしたのに!!」

「君達もう少し真面目に取り組んでほしいな」

近衛兵団長のリチャード・ホーディングが意見していると能力が上がった。


リチャード・ホーディング:近衛兵団長:種族:人族:固有能力:聖騎士


「おっと上がったみたいだな、魔法を使えるかも」

「ほんと、でもどうやって使うの?」

「リチャードどうやるんだ?」

リチャードはうんざりしながら魔法の仕組み方法を説明しながら実践して見せる・

「凄い、凄い!」

四台元素の初歩魔法を使用できるようになった。鈴田れいな、高木誠也、田所雅、山城里香らは面白がって魔法の訓練に殆どを費やした。

「山城!魔法ばかりでなく基礎訓練もしなくては制御が・・」

「ちゃんとやるわよ!」

いいながらする気配はない、初歩魔法まではいいが中、高位魔法を使用するには基礎訓練で身体能力を上げ魔法の制御をしっかり覚えないと暴走したり高位魔法がそもそも使えない恐れがあるのだ。

リチャードは諦め召喚者の為に尽力することを辞めた。

「仕方がないな、まあ奴らが基礎を疎かにするなら俺達の脅威にはならなくていいか」

召喚者を冷めた目で見つめた。

3カ月経つと召喚者たちはLVが20にまで上がり魔法も中位まで使えるようになり。訓練中は王国の兵達も練習で手を抜き負けていたので天狗になっていた。

「もう訓練しなくても大丈夫だ、実戦を経験したい。」

「いや、まだ6カ月訓練しないと魔法の・・」

「これだけ魔法扱えれば後は訓練より実戦の方が実に着く!」

リトル、リチャード、マリアンは一歩も引かない召喚者に辟易して王と王女に相談することになった。

「そうなのですか?実力は?」

「はい、中位程度の魔物や獣単体は大丈夫ですが下位クラスでも複数を相手にすると危ないかと。」

「全く召喚者があそこまで理を知らないとは嘆かわしい、仕方がない奴らを死なせないようにうまく立ち回って兵の身体能力上げに利用しなさい、実践戦闘で死人が出ればそれはそれでよい!」

サウス王は手を振り、リトルたちを下がらせる。

「スノウよ、馬鹿な召喚者で良かったな。」

「はい、お父様。それよりあの者達に褒美を渡すのですか?」

「一代名誉貴族の称号と幾ばくかのお金で狭い領地に押し込めればよいだろう。」

「そうですね。では北にある帝国領と緩衝地帯を挟んだ荒れ地をあてがいましょう。」


大陸の南に位置し北に帝国がありその間は深い森と小さな国が点在し中規模な国は東にイース国、西にウエス国がありその周辺にも小さい国が多数存在していた。

「なるほど、帝国に召喚者らを当てるのか?」

「はい、召喚者と知れば帝国も迂闊には動かないでしょう。」

「その間にイース、もしくはウエスのどちらかと戦争をするのだな。」

「そうです、召喚者の恩恵で兵の実力も大陸一ですから勝つのは容易でしょう。」

「リチャードどうする?」

「王様の命令だ、実戦に入ろう。」

「では下位の魔物がいるグランツ平原に行きましょう。」

「グランツか、妥当か。」

「群れで来ても小さい個体だから大丈夫だろう。」

「決まりだな、一緒に行く兵の選別が終わったらすぐに行こう。」

騎士団、魔法師団、近衛兵団それぞれに分かれて行動する

平原では

「キャあ~何なの魔法が当たらない、いった~い」

女子学生チームの川田さくらが叫びリーダーの白田順子が体当たりしてくる牙兎を魔法やメイスで倒す。神田もも子は震えながら魔法を連発する。

近衛兵団のリチャード達は召喚者が大怪我をしないように牙兎の一部の注意を引く。

やっと群れを殲滅する。リチャードはため息を築かれないようにしながら数えると15匹であった。

(15匹程度でどれだけ時間がかかるんだ)

思っていたら

ぴろん♪

「身体能力上がりました。」とメッセージが流れた。

(おおう、なんと能力が上がった。これは良いぞ)

召喚者も

ぴろん♪

「能力が上がりました。」

「初討伐に成功しました。」

「初討伐の特典を手に入れました。」

「やったー上がった。」

「でも初討伐特典って?」

白田順子はリチャードに尋ねるがリチャードも知らなかった。

だがまた、

ぴろん♪

「初討伐特典の固有スキル魔剣士を取得しました。」


白田順子:召喚者:種族:人族:固有能力:魔剣士


それぞれ

川田さくら:召喚者:種族:人族:固有能力:回復剣士

神田もも子:召喚者:種族:人族:固有能力:剣闘士


「魔剣士って?」

「私は回復剣士」

「自分剣闘士」

「リチャードこのスキルについて教えて」

「はい、スキルで剣士の特性が伸びます。」

「例えば、剣闘士は剣と体術に特化。回復剣士は剣と光魔法に特化し魔剣士は魔法を使った剣術に特化するという具合です。」

「そうなのね、」

白田たちは、能力が上がりスキルを得たことに小躍りした。それを見ながらリチャードと近衛兵らも上がっているのを召喚者に知られないようにする。

騎士団、魔法師団らも同じようにそれぞれ能力が上がっていった。実戦訓練を通じ上がっていく。

召喚されてから2年が経ったころ


「サウス王!褒美をもらいたい」

その頃王国の隣のピックルから戦いを仕掛けられそれを召喚者達が中心となり退け征服した。

「そうよ、この国の兵では勝てなかったでしょう。私たちがいたから楽に勝てたのよ。」

「2年前の約束を履行してもらいたい。」

王と王女、師団長らは心の中で呆れながら聞く。王が静かにそれにこたえる

「確かに活躍してくれたが足りないと思わないか。」

「ふふ、もう私達に勝てる者はいない、ここで暴れてもいいのよ」

剣を掴んで抜こうとしたが、新参の衛兵に簡単に止められた。

「え!なんで動かないの」

召喚者10人は新しく入隊した衛兵たちに拘束された。

「無礼もの!王宮で剣を抜くとは、死罪は免れぬとしれ!」

「うぐ、うぅ~どうして、こんな新兵ごときに」

「まった、待ってくれ!」

「何か言いたいことがあるのか?」

「王国の為に働いたのにこの仕打ちはないだろう!」

「王国の為に働いていたと?」

「は、はい。だから」

10人は衝撃を受けた。団長クラスならわかるが新兵に負けた事実に消沈している召喚者にサウス王はピックル国との闘いに勝利したことに対する褒美として北にあるアロード領と金品を与えた。

しかし、侍従長や侍女、家来等は自分で募集して雇用することになり

王宮の外で鈴木、山城、白田が話しあうことに

「どういうことだ、なぜ新兵に負ける」

「分からない、分らないわ」

「よう!白田」

「リチャード、何故ここに?」

「領地運営の指導と税金の説明にきた。」

「税金?」

「ああ、王国に籍を置く領主は税を納めるのは当たり前だ。」

リチャードは事細かく説明する、要約するとアロード領を10人で分けても良し10人の代表が領主となるのも良し運営の必要人員は自前で雇用する事。税金は1万人の食べる穀物か同等の金品とする。

「そんな横暴な」

「領民はいるのか?生産物は?」

「あそこは数十年前に断絶してそれ以降は領主のいない荒れ地で流民を含めどのくらいの人数住んでいるのかわからない。当然特産物も知らないな。」

「そ、そんなふざけるな、それが報酬だとそれも10人分?少ないだろ!」

今にも襲い掛かる勢いでリチャードを睨む鈴木だが山城、白田は心の中で勝てないと感じ鈴木を止める。

「怒っている場合ではないぞ、アロード領の北は帝国領真っ先に攻め込まれるのは其方たちだ。」

「そうなったら帝国側に就くだけだ!」

「ほう、それもいいだろうだが帝国の先兵としてお前らが当てられるはずだ、その時は敵として最初に切り捨てる。」

リチャードが発する摩闘気に3人は恐れを抱いた。

「じょ、冗談だ、う裏切る訳ないだろう」

リチャードは王様の親書を渡し勲一等の働きにより一代子爵として男爵の地位を授けると書かれていた。

不承不承だが肩書が無いよりましなので受けることになった。

「より良い領地にするようにとの言いつけだ!励めよ。」

用が済むと踵を返し王宮に戻っていくその後ろ姿を見て

「俺達は身体能力が各段に上げられたんだもっと魔物を狩って、能力を上げて見返してやろう」

しかし王国兵の助けがあって上がっていたのも知らない愚かな召喚者、基礎訓練を疎かにした為、魔法の精度や剣術、体術も中級程度の練度しかなかった。当然今までのやり方では命の危険が伴う、そんなことを後で知ることになる。

もっとも王宮で新兵に押さえつけられたのはリチャード他の団長クラスがこっそり召喚者を魔法で抑制していたからである。

力の差に気づかない召喚者の未来は前途多難が待っている。


「仕方がない先ず領地に行ってから考えよう。」

召喚者10人は時間をかけ荷物を買いそろえ準備をして馬車でアロード領に向かった。

ガラガラ・ギーギ ガッターン道が整備されていない為馬車がきしみ揺れる。

「あぅ、いってー、けつにタコが出来そうだ、後何日かかるんだ」

「まって、地図によると順調にいけば7日ね」

もう1カ月も馬車で移動している一行なんおトラブルも無かった日が落ち野営の準備をしていると領地の方角から複数の声と足音がする

「誰か来るぞ、どうする?」

「鈴木君が相手して白田班と私達山城班は左右に隠れて様子を見ましょう」

「もし相手が危害を銜えそうならその時は」

「その時は?」

「身を守るために攻撃もやむなし」

多少の打ち合わせをして配置についた。

「やはり旅人だ!」リーダーらしき男が叫ぶ

「馬車からすると金も荷物も多そうだ」

総勢20人の男たちが近づいて来る

「とまれ!何者だ。」鈴木が大声で叫んだ


「随分な物言いだな、」仲間に合図をして囲もうとする

「何をする」

「大人しくしな、抵抗しなければ命まで取らねえからよ」

はっきり相手の意図が分かったので白田、山城班に

「野盗だ!攻撃をしろ」と激を飛ばした。

野盗は左右からの奇襲で5人鈴木たちの正面にいた2人を無力化する。残り13人なのだが直ぐ体制を立て直し鈴木らに正面の3人が襲い掛かり左右にそれぞれ2人が向かった。

野盗として可なり修羅場を体験しているのだろう山田と田中は押され始めた。鈴木も魔法を放つが交わされ反対に攻撃を受けてしまう。

白田班、山城班も似たような状況に陥っている。

「なんで当たらないの!王都では簡単だったのに」

山城班は4人だった為何とか2人を撃退拘束し白田班の援護に回ると瞬く間に無力化に成功。

「怪我は?」

「大丈夫、早く鈴木君を助けないと。」

7人が後ろから野盗を攻撃、リーダーだけになった。

「チッ、やるじゃないか、だがな 無限の光よ我に力を貸しこの世の闇を照らせライトニングホール」

上位の光の範囲魔法を炸裂させた。

10人は体に熱を伴う光の渦にさらされ火傷を負うしかし身体能力が上がったお陰で致命傷には成らなかった。

「大地に住む水の精霊我を助け、敵を攻撃せよウォータカット」

山城が水魔法で攻撃、斬撃が幾つも襲い体がバラバラになった。初めて人を殺しその無残な死体を見た瞬間体が震え嘔吐した山城、それを気遣う仲間

「大乗、部か?」

「うぶ、げっ、おっぷ、だ、大丈夫よ、これくらい」

「なんなのよ~ い、一体」

「捕まえた奴らから情報を取ろう」

尋問していくと、アロード領内の端を根城とする野党で旅人や商隊を襲っていること。奪った荷を街で処分していること等々

「おい!お前ら仲間は、首領は?」

「は、はいこの先にある狩人が使っていた小屋に後10人程、首領はあんたたちが・・」

「奴か!でどうするこいつら」

「た、助けてください何でもします。」

召喚者10人はこの首領を失った野盗たちを利用することにし裏切らないように奴隷にする

「これでよし!」

「なあ、これ消えないよな」

19人の男たちに奴隷契約に相当する奴隷の紋を刻む。これは奴隷商から学んだ非合法なやり方を少し工夫した魔法で召喚者10人が奴隷の主人となる特異な物だった。

「おいおい!10人が同意しないと解除できないってわかっているだろ、それに解除しようとしたら」

手の親指を立て首の前で横に動かす。

「そうだったな」

野盗を奴隷にすると案内をさせながら領主の舘に向かうことにした。

舘のある街に行く途中に幾つかの大小の村や町を通過するたびに町長村長の挨拶や接待を受ける。

「なあ山城、あいつらの態度どう思う?」

「素直に受け取れない、何か腹黒さを感じる」

「はああ、舘に着いたら各村や町に査察に人を送らないとな。」

問題が山積みな領地運営に辟易する一行であった。






召喚者の獲得スキル


川田さくら:回復剣士、神田もも子:剣闘士、白田順子:魔剣士

山田正樹:狂戦士、田中成都:槍使い、鈴木卓也:聖剣士

鈴田れいな:女戦士、高木誠也:剣闘士、田所雅:闘戦士、山城里香:聖戦士


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