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召喚と転生

前に書いた物を少し変えてみました。

 第一章 廃棄とスキル


「カチャ、カチャ、ジージリジリ、カチカチ」

「パーン、パパーン残念!後一歩でした。再度セーブ地点から始めますか?」

薄暗い部屋でボサボサの頭、分厚いメガネをかけた小太りの男がPCを見つめていた。

(ふ~今回もだめか?ソロではゲームクリアは難しいか)

年齢はもう四十を過ぎ親の遺産で暮らす引きこもりの中年男、普通に大学を卒業し会社に勤めたが三十歳の時会社が倒産し其処から転落の人生が始まる。

幾つか会社に勤めたが同僚とのコミニケーションが取れず長く続かなかった。当然履歴書を提出した段階で理由を聞かれはっきり答えられず再就職が難しくなり引きこもりに両親も諦め何も言わなくなった。


四十歳の時その両親も事故で亡くし遺産と賠償金を貰い本人はますます近所づきあいもしない外にも出ず家の中はごみでいっぱい食事も出前で済ます

唯一の趣味であったゲームにのめり込んでいく、昔流行っていたファンタジーでもう過疎状態のゲーム理由はレアの武器ガチャを引き当てなければクリアできない。ガチャも操作されているのか重課金者しか出ないものだった。

そのゲームに遺産と賠償金をつぎ込み最高武器で臨んだしかしパーティでしか攻略が出来ないのに何をトチ狂ったか一人で延々と続けている。

(最後のドラゴンで魔力が尽きるのが敗因なんだけど魔力量はカンスト、魔力復活させるポーションも最大個数これ以上は新しい職業か種族でないと無理かでもこれ今月でサービス終了なんだよな)

ファンタジーゲームの王道ドラゴンスレイヤーこの配給元の会社は体験型のゲームに移行する為ドラゴンスレイヤーを終了しドラゴンスレイヤーⅡを発売と発表、ガチャを辞めゲーム内の熟練度やクエストで武器や防具、薬等が手に入ると宣伝、テスターを集め試験運用が終わりその評価はうなぎ上り、大ヒットとなった。


(そろそろ潮時か)


「ピロン♪」

(なんだ)


「ドラゴンスレイヤの終了に伴いプレイヤー上位5名様にドラゴンスレイヤⅡのポータブルとソフトをプレゼントいたします。受け取りますか?Yes & NO」

突然のメッセージ神山朱雀は速攻でYESをクリックした。

「ありがとうございます。ポータブルとソフトを送ります、2畳分の広さを、確保してください取り付け業者が後日訪問いたします」


朱雀は体験型ゲームのポータブルがべらぼうに高い為迷っていた。


(数百万どうしようと思ったけど大金をつぎ込んだ甲斐があった)


朱雀は数百万が浮いたと内心喜ぶとドラゴン・スレイヤⅡの情報を調べるかどうするか悩んだがボッチでやるのだからと何も知らずに始めることにした。

数日後、「これが説明書で、コール・センターの連絡シールを此処に貼りますね、では私たちはこれで失礼します。」

業者の設置が終わり分厚い説明書を渡された朱雀は取り扱い説明書をうんざりしながら見つめる

(こんなの、読んでいられるか)

説明書を放り出してポータブルに入りゲームメット装着SWを入れた。


この男本当に運が悪い、機械の不具合なのか過大な信号が脳に流れ事故死してしまう。



意識が戻ってざわついている周りを見回すと。

「召喚に成功したぞ!11人?10人の召喚だったはず」

「ざわざわ、ぼそぼそ」

(ここは?)

礼拝堂のような広間正面に祭壇があり横に牧師のような服を着た者ローブを着た男性と女性が数人祭壇の奥に王冠をした人物、牧師がおもむろに

「皆さん召喚に応じて頂きありがとうございます。」


(なんだと?召喚?)


「え!何?召喚って」

朱雀を含め11人が広間の真ん中で声の主を見る

「いったい、何がどうなっているんだ!説明しろ」

学生服を着た男が怒鳴る。朱雀は他に目線を移すと同じ学生服を着た男が3人、ブレザーを着た女3人、スーツを着た男女4人が牧師ふうの男を見ている。

「ここはサウス王国只今召喚の儀式が執り行われ成功した」

「あなた達はこれから訓練をしこの国の為に働かねばならない」

「はあ!!勝手に召喚して働けと?そんな事出来るわけがないだろう」

「そうだ!そうだ」

朱雀は沈黙している

(ここは勇者召喚で礼をもってお願いするのが、俺が知っているラノの定番なんだが少しおかしいな)

「黙りなさい!召喚の儀で私たちも10人の犠牲を払っている。国の為に働くのは当然だ」

「何を言っても、そんな勝手な命令は聞けないな!除け此処を出ていく!」

「いいだろう、だが外は魔物や獣、野盗、賊であふれている、知識も金も無くどうやって生きていく」

「ちょっと待って、召喚したってことはあなた達にとって必要なはずでしょ。」

スーツをきた女性が訪ねる

「そこの男よりも頭はよさそうだ、その通りだ、召喚された者は民より身体能力が高く成長速度早い。」

牧師の後を引き継ぐように

「召喚した者は成長速度の速さで他者を圧倒し強くなることができます。だから私たちの為に働くのです。」

「なら協力を要請するというのが筋なのでは?」

「ふふふ、そうなのですか?ではあなた達を処分して再度召喚の儀をすることにしましょう」

「そんな、普通は歓待するのが・」

「普通?確かに召喚者はこの国の誰よりも強くなる可能性はあります喜ばしい事です。でも国に必要なければ処分します」


(ほう、ラノベの召喚転移とは違うのか・・・?)


「なら言うことを聞くから歓待しなさい。」

「あはは、、、それはあなた達次第ですね、それこそ王国の騎士のもと訓練を積み重ね信頼を得なさい。」

「なら、俺達は利用されるだけか」

「いいえ、信頼を得ればその対価として貴族の称号を与えましょう。又は土地や貴金属、国で与えられることが出来る全てを」

「待て!元の世界に戻ることは?」

スーツの男が叫ぶ

「残念ですができませんね」

「嘘でしょう。」

「帰してくれ!」

(嘘だな、10人の犠牲で召喚したのなら逆もできると思うが)

ブレザーを着た女性が手を上げ

「質問しても?」

「何かしら、どうぞ」

「先ほど召喚で10人の犠牲と言いましたよね、だとしたら元の世界に戻るのも10人の犠牲が必要とか?」

「あら、バレてしまいました。そうです10人の尊い命が必要です、でもあなた達に命を差し出す人がいると思います」


召喚者と牧師?王女?との問答を行っている後ろで王と側近が話し合っていた。

「11人いるがどういうことだ?」

「分かりませんが水晶の欠片を翳せば何かしらの情報を掴めるかもしれません」

「スノウ王女!翳しの儀を」

側近の言葉を受け


「問答はこれくらいで翳しの儀をします。一人ずつこちらに」

文句を言いながら先ず高校生の男が王女の元に

この者に祝福をと唱えながら小さい水晶を額に当てる、すると混じりけのない赤となってひかった。

「おおう、やはり才能(身体能力と魔力量)はあるようだ」

この世界では水晶光る色で才能(身体能力・魔力量)がランク分けされていた。

ランクトップは虹、次に白、青、赤、ときて濁った白、青、赤そして弱い光で白、青、赤と続き灰色が最低、才能が上位であれば魔法や剣の上達が早い。

順番にランクを調べていくが青と赤の判定が、最後に朱雀の番に


(なにこの小太りの珍竹林はこれでも召喚者?)

表情でわかるくらい嫌な顔をする

「この者に祝福を、ん!祝福を」

最低の灰色の弱い光で合った。

「お父様、出来損ないが混じっているようです。」


(え~出来損ない何で?)


「そうか、時間と費用の無駄だ、廃棄しろ」

「仰せのままに」

「廃棄?え!廃棄とはどういうこと」

「うぐ!な、なんで」

行き成り傍にいた衛士が朱雀の胸に剣を突き刺した。


剣を突き刺されたままその場に倒れた朱雀を指さし外に捨てなさいと命令された衛士は引きずり扉の外に。

朱雀は辛うじて息をしている景色が暗くなりながら王女を睨むなんでとつぶやきながら外に捨てられた。

「待ってください、何故!あの人も私たちの仲間では」

「召喚したのは10人くずが一人余計だったのです」

「でも何も殺さ無くても?」

「あの光り方では訓練しても子供以下です。そんなものは無駄です」

「でしたら裏方の仕事をさせても?」

「子供以下と言ったでしょう、あのような者が召喚者と知られればあなた達やこの国が舐められてしまいます。」

その他リスクの説明をしたのち転移陣に入り言葉を紡ぎ転移していく。

朱雀は剣を突き刺されたまま血を流し倒れている。血の匂いを嗅いで掃除やと呼ばれる小さなスラッグと呼ばれる軟体の小さな虫の魔物が朱雀に集まってきた。

スラッグは死んだ獣や魔物をその体液で溶かし細い管を使い栄養とする。攻撃力はないがその体液は肉や骨を溶かすほど強烈である。

朱雀は意識が消えかかる寸前偶然にも突き刺さった剣の重みで重心が外側になり寝返りのように回転し剣の束がスラッグを押しつぶした。


突然、ぴろん♪

「スラッグを倒しました。」

「初討伐の特典を手に入れました。」

「九死に一生の称号を得ました。」

「討伐の経験値により身体能力が上がります。」

朱雀の頭の中に立て続けに流れ込んできた。

「身体能力上がった為異常状態を回復します」

先ほどまで朦朧としていたのが体全体の能力が上がり剣が抜け傷が治るつまり状態が回復する。失った血は戻らないが意識はっきりした。


「一体何が起こったんだ、」


体をさすりさっきまで剣で刺さったと思われる胸も異常が無いことを確認していると

「あっつ」

廻りにいる数十匹のスラッグの一匹の体液をあびる。横に落ちていた剣を握り

「この野郎。」

剣を振り回しスラッグを切り刻むと

ぴろん♪

「討伐経験値により身体能力が上がります:討伐経験値により身体能力があがります:討伐経験値により身体能力上がります:討伐経験値により身体能力上がります」

また頭の中にメッセージが流れる

「ふう、ふう一体なにが起こっているんだ。」

廻りにスラッグの残骸が転がっていてその中に小さく赤く光る石が転がっていた。

(落ち着け、落ち着くんだ)

廻りを見渡し他に魔物が居ないのを見て不思議な小さい石を拾い集め安全な場所を探す。

(やはり神殿しかないが、おや横にあるのは?)

神殿の横に建物のような物があり朱雀は恐る恐る近づき調べるとそれは大型のごみ集積所

(これは、十分外敵から身を守れるな、開くかな?)

扉を見ると特に鍵などは無くすんなり開いた中を見ると

「く、くっさい!」

ごみは無かったが掃除はされておらず生臭い匂いが充満していた。匂いを我慢して扉を開けて空気を入れ換え砂埃等、外に出していき急いで中に入り扉を閉め壁に寄りかかり休憩する

(確か剣で刺されて外に放り出された、其処までは覚えているその後だ。声がして意識を取り戻したんだよな)

「そういえば特典ってなんだ」

頭に流れたメッセージを思い出し考えていると

ぴろん♪

「初討伐の特典の説明を求めますか?」

「おおぅ!もちろん」

「この世界に転生した者が初めて魔物を討伐した者だけもらえる:固有能力::=朱雀:死霊使い」

「死霊使い:所有者が死せる者を数体召喚できる」

「召喚?所有者が死せる?つまり俺が殺した奴を召喚できるのかどうすれば?」

ぴろん♪

「召喚について説明を求めますか?」

「頼む」

「死せる者を魔の狭間より召喚することが出来、能力所有者の影の中に取り込み影より出入りが自由にできる。召喚には一定の魔力が必要だが一度召喚すれば倒されるまで使用者の命で行動できる。」

「微妙なスキルだな~」

「後は九死に一生の称号か」

ぴろん♪

「九死に一生の称号について説明を求めますか?」

「お願いします」

「死ぬ寸前に能力が上がり回復した者が得られる称号:欠損するような即死攻撃を受けても欠損せず90%の体力と引き換えに必ず生き残る」

「死なないのか」


(これもしかしてチートかも、即死しないし能力が上がれば状態回復で元に戻る。凄いぞ)


「ぴろん♪」


  神山朱雀:転生者

  種族:人族

  固有能力:死霊使い


目の前に突然、透明なボードに情報が表示された。


「思っただけで表示するのか、これはこの世界ではどうなんだ」

「ぐぅ~ぐるる」

お腹が鳴った

「こんな時でもお腹はへるんだな」

突然この世界に引き込まれしかも殺されかけた一連の出来事にいくばくかの怒りを覚えたがお腹の音で今後の事を考え始めた。

「運が良いのか剣がただで手に入った能力も確認できた。雨梅雨を凌ぐ場所も確保できた。後はスキルの検証と水、食料の確保か」

扉を開け外の様子を窺い人がいない事を確かめ外に神殿の横を通り森に入った。

森に入って剣を構えながら食べられるものを探していくと正面に上半身裸の緑色の1mぐらいの人が現れた。

「何だ、あれは」

「ギギ、ガギィ」

言葉ともとれる声を出しながら持っていた、こん棒を振り回し襲ってきた。

(おいおい、まさかゲームの中のゴブリン?俺は勝てるのか)

心の中で思うと緑色の存在の横に透明ボードが現れた。


  名:ゴブリン

  ゴブリン族

  スキル:毒霧

「相手の種族と能力が見られるのか」

小さい体を見て勝てると思い剣を構え相手の攻撃を受けようとしたが毒霧攻撃を受けこん棒で一撃を受けてしまった。

「嘘だろう目が~体が~」

毒に侵され皮膚から紫の煙があがり眼もかすみこん棒の攻撃で左肩を砕かれてひん死の状態になる朱雀は改めてゲームと現実の違いをその身に刻み込まれた。

「うわ~やめろ、やめろ!」

勝ち誇り油断し近づいたゴブリンはめちゃくちゃに振り回された剣先で切り倒された。

ぴろん♪

「能力が上がりました状態異常が回復しました。死霊使いスキルを使いますか?」

朱雀は能力が上がったことで状態異常が回復した。目の前に自分が倒したゴブリンの死体を見て自分が魔物とはいえ殺したことの罪悪感に恐れと気持ち悪さで吐く、食べていないので胃液を絞り出すように嗚咽する

(うっぷ、ゲーップ)

ぴろん♪

「召喚しますか?」

「おっぷ、なんだ、うぅ~召喚!」

「相手が拒否しますもう一度スキルを使いますか?」

「ふっ~成功率は低いのか、え~いい、召喚!」

「召喚に成功しました貴方の影に取り込みます。」

「何だよ、ゴブリンごときで成功率半分かよ、まあ成功したからいい、かはあはあ出てこい!」

すると先ほどのゴブリンが影から水から上がるように出てきた。

「ギャ、ギャ」

朱雀の前で叫んでいる

「うるさいな、静かに!」

命令すると素直に従う、体外は変わらないが赤黒い目を光らせている、

「眼が変だよ?こえ~」

透明ボードには

  名:ゴブリン

  ゴブリン族

  スキル:毒霧


朱雀はまだ気持ち悪さは残っているがいろいろと考察していく。


(あららほんとに召喚出来るんだしかも俺より強いんじゃね)


「ゴブリンじゃあ呼びづらいな、短くゴブで、いいっか」

ぴろん♪

「名前を付けたこと会話することができます」

  名:ゴブ

  種族:ゴブリン族

  スキル:毒霧


「会話?ゴブ分かるか」

「ワカリマス 」

「便利だな、そうだ毒霧はどうやって使うんだそれと解毒剤は?」

「フォグ サケブ カラダ ドクキリ フンム ゲドク コレ」


口の中の牙を抜き渡されるどうやらその牙の中に解毒液が入っているらしい。それを服のポケットに入れる。

「牙は生えるのか?」

「イチニチ モト」

「分かった。定期的にくれるか?」

「アルジノオモウママニ」

ゴブを先頭に進んでいき果実を食いながら進んでいくと今度はゴブリンが複数体現れた。

「ゴブ行け!」

眼も前に現れたゴブリンはゴブを囲み4体はこん棒で叩くが互角に渡り合う、朱雀が剣で隙が出来たゴブリンを切り殺す。残りの一体がおかしい行動をするとゴブがいつの間にか傷だらけになっている

「ギャ、ギャー」

「ゴブ大丈夫か!」

(何かつぶやいたらゴブが血だらけにまさか)

慌てて能力を見る

名:ゴブリンメイジ

種族:ゴブリン族

スキル:風魔法:風刃

「メイジだ、ゴブ両腕を盾にして突っ込め!」

「グギー」

魔法を両腕で受けながら飛び込んでいく、ゴブの皮膚は硬く少しの間ゴブリンメイジの風刃を受け止める。

ゴブは腕や体に風魔法の風刃を受け切り刻まれ煙のようにきえる。メイジがゴブに集中しているそこに隙ができ朱雀は上がった身体能力でゴブの横をすり抜けメイジの横から剣で薙ぎ払った。

「ウギャ」

簡単に腰から肩にかけて剣が移動すると共に体が二つに分かれた。さっきより罪悪感は薄れている

(感情の起伏がさっきより薄いな、ゴブリンはラノベでは最弱なはず、やばい所に連れられてきたな)

心の中で汗を掻きながらメイジに向かって召喚!拒否が続くが成功する」

「召喚に成功しました影に取り込みます。」

「時間が掛かったな、さて出てこい!」

  ゴブリンメイジ

  種族:ゴブリン族

  スキル:風魔法:風刃

「え~お前はメイにする」

  名:メイ

  種族:ゴブリン族

  スキル:風魔法:風刃

「主よ、ご命令を」

「あれ、普通の会話が出来るの?」

「はい。」

「いやちょっと待って、ゴブ!」

「アルジ ヤクニ タッタ」

「メイ、ゴブは片言しか話せないんだお前と何が違う」

「主よ、魔法が使えるからでは?」

「すると魔法を使う魔物は全て知能が高いと」

「主様、自然に使える魔物は威力が低く詠唱をする魔物は高い傾向があります。」

「そうか、ところでメイの魔法を見せてくれ」

「仰せの通り、大地の魔を窮する者よ力を貸せ:風刃」

“シュ、シュ、シュ”

目の前の大木が一撃で根から水平に切られ、その後横に縦にと細々となり山になった。

(うわ~なんて威力だ~)

「メイ何回でも放てるのか?」

「主様。連続で60は放てるかと」

「魔力は元に戻るのか?」

「自然には戻りませんが主様の影に戻れば元に。」

「使えないスキルと思ったけどとんでもないチートだな」

「ゴブ、メイ俺を守れ」

朱雀は命令をすると森の奥に進んでいく。

「メイここはゴブリンしかいないのか?」

コブとメイによるゴブリンの大量殺戮で森を進んでいく途中に質問した

「主様、この先に大規模なゴブリンの村ができていてこの辺りの獣や魔物は餌になったようです。」

「大規模だと何匹いる。」

「500前後かと」

「まさか、メイジやら居るんじゃないだろうな」

「主様、大部分はゴブリンとメイジ、アーチャですがオーク族のオーク10体オーガ族のオーガ3体ゴブリン族キング1体がいると思います」

「俺達で勝てるか?」

ゴブリンを倒しまくって今では影に50体のダークビーストを使役している

「主様、オーガとキングを他と切り離せば問題ないかと」

「逆にその2体には勝てないのか?」

「はい、オーガの持つ魔力を帯びたメイス、キングが使うアックスを防ぐ手立てはありません。

「俺の魔法でもか」

「残念ながら今のままでは足りません」

「だがな、この辺りにはもう魔物がいないんだよな」

「主様、神殿の反対側で魔物を倒してはいかがでしょうか」

「そうだな~数で勝負するか」

それからの朱雀たちはかったぱしから魔物を倒し何とか100体の召喚に成功した。

その途中で

ぴろん♪

「固有スキル死霊使いが幽鬼使いなりますこれにより召喚個体数増えます経験値の取得により能力が上がります:但し召喚魔力量以内」

(幽鬼使い?数が増え能力が上がるのか。)

「召喚の成功率は悪いから痛しかゆし」

召喚の成功率は悪く大牙熊5体白狼が10体、黒梟5体残りはゴブリンしか召喚できなかったが戦力としては申し分無かった。

  名:太郎

  種族:大牙熊

  スキル:咆哮:身代わり


  名:次郎

  種族:魔物大牙熊

  スキル:鉤裂き:身代わり


  名:一太

  種族:魔物白狼族

  スキル:噛み裂き 瞬歩


  名:双葉

  種族:魔物白狼族

  スキル:瞬歩:威嚇


  名:太助

  種族:魔物黒梟族

  スキル:乱舞:ヒュウジ


  名:治助

  種族:魔物黒梟族

  スキル:乱舞:ヒュウジ

名前を付けるのがめんどくさいので数匹だけ付けた。

「各段に召喚の成功率が落ちているがメイなぜかわかるか?」

「主様幽鬼使いのスキル自体が稀で詳細は良く分かっていないのです。」

「そうか、キングは欲しいんだけどな~」

「我ら魔物は自我が強く余程の事が無ければ従属しません。力の差を見せつけるか傾倒させなければ」

「召喚に応じないと」

「その通りでございます。」

「だが俺が倒さないとな~。」

「身体能力が上がらんのは?」

「主様、上がるための経験値が1/200

で」

「あ!召喚したのが200だから、うわ~ビーストの数が増えればそれだけ上がらないのか」

「その通りです。」

「ビーストを開放すれば上がるんだろうその後改めて召喚すれば?」

「召喚に応じる確率は変わらないのです」

「そうかメイのようなメイジが応じるのも難しいいと。」

「はい」

「召喚スキルを駆使しても200体しか成功しなかったし今のままでいいか」

「この世界の一番強い種族はどうなっている」

「魔物の最高はドラゴンで次は亜人でエルフ族筆頭にドワーフ、獣人他等々かと」

「エルフか、人族は?」

「騎士や冒険者の者と聞いておりますが召喚で招かれた者はその上になると聞いております」

「俺では太刀打ちできないのか」

「主様、我らが居りますれば召喚人以外には後れを取ることは無いかと」

メイを見ながら朱雀は

「そうだがドラゴンを倒せるぐらいには上げたい、色々教えてくれ」

メイと話しをしながらゴミ集客所に戻った。相変わらず神殿には人の気配がない。ゴブとメイに神殿に入り様子を見るように命令する。

ごみ集客所の中に入り太郎に護衛をさせる。

「ボッチの俺には最高のスキルだな」

皆の帰りを待った。やがてメイとゴブが戻り中には誰も居ない事広間しかない事聞く

「それでこれを」

差し出されたのは衣服と靴小物を入れられそうな鞄

「あはは、気が利くね」

鞄を開けると小さいナイフと水袋が入っていた。服や靴を着替えベルトに剣とナイフを刺す、その後鞄を肩にかける

「良い具合だな、メイどうだ」

「お似合いかと」

一息ついたら睡魔に襲われるごみ集客所の中でゴブ達に守るように言い眠りについた。

朝になり表に出るとメイ達が傍に来て命令を待つ

「メイこれからゴブリンの集落を落とすぞ」

「仰せのままに」

朱雀は太助と治助に偵察を命じ一太、二葉、を専攻させ後方に太郎と次郎を配置、前にゴブとメイジを伴い集落を目指した。

「どうやら、殆どが寝ている」

「正面から突撃する、太助たちはキングとオーガの注意を引いてくれ一太と太郎達はこのまま突っ込め、ゴブとメイは俺と援護しながら攻撃行くぞ!」

太助らはヒュウジの能力で巨大化しキングとオーガをメイスやアクスが届かない位置からうまく牽制する、白狼の一太らは体当たりと牙、太郎達の太い前足の爪でなぎ倒していく。打ち漏らしは俺、ゴブとメイとで止めを刺して回る。ゴブリンの集団は大きく廻りを囲む

(楽でいいや)

キングとオーガは徐々に焦りだす仲間らが倒されていくが太助らに阻まれて助けに行けず動きが取れないためだ。

朝からの戦いは夕方まで続き最後のオークが倒され残りはオーガとキングのみとなった。500を超える集団に何回もゴブらは倒されるが直ぐ影から呼び出して戦列に戻る為相手もどうにもならない状態だった。

500の村を殲滅すると同時に影より呼び出すための魔力が足りなくなり動けるビーストは10体。

朱雀は幽鬼使いスキルを多用しているが未だに成功していない

「クッソー!ゴブリンアーチャとオークは欲しかったな、残ったのはオーガとキングかダメもとで試すか」

ビーストたちにオーガを拘束させ朱雀が風刃で止めを刺しスキルを使用する

「召喚!召喚!・・・召喚!」

「召喚に成功しました、影に取り込みます。」

「よっし!」

「次はキング!召喚!・!・!・!・」

「拒否により召喚できません。」

「駄目か、でもオーガは成功、でてこい!」

  名:オーガ

  種族:魔物オーガ族

  スキル:硬化


(でかい!こいつを見れば大概はにげるな)


「おまえの名は鬼助!」


  名:鬼助

  種族:魔物オーガ族

  スキル:硬化

「太助とメイ以外帰れとメイ、ん!」

ぴろん♪

「身体能力が上がりました」

  名:神山朱雀:転生者

  種族:人族

  固有スキル:死霊使い→幽鬼使い

  称号:九死に一生


「やっと上がった

メイと人の住む街に向かうことにした。

「太助、上から街がどの方向にあるか見てくれ、」

「メイ、キングが持っていたアックスは使えるか?」

「主様、申し訳ありません今の私には、」

「そうか。ゴブは使えると思う」

「無理だと思います。」

「そうか鬼助に持たすか」

「ホーウ、ホウ」

「見つけたみたいだな」

念話で北北東に人工物の塔が見えると伝えてきた。メイを先に歩かせ太助を頭上の警戒に当てる。

「ふう、ふう歩き辛いな一太、双葉!」

「ウオーン」

「俺とメイを乗せて街に迎え」

2頭に乗り今までよりはるかに早く進んでいく途中牙猪や牙熊、牙狼

に遭遇するがメイの風刃で一蹴していくやっと森を抜けると太助を手元に戻し定位置の肩に乗せる。人から警戒されるのが嫌なので白狼とメイを影に戻し歩いていくことにした。


「一太に乗って移動するのもいいが目立つから馬が欲しいな。」

朱雀は転移してきた時より一回り大きく筋肉質に顔つきも男らしくなっていき内面も引きこもりのクズその者が前向きで積極的な男に変貌。見た目が変わりあの時いた者達が見ても気づかれないだろう。

暫く歩いていくと正面に複数人の男たちが野営の片付けをしていたので情報を得るために近づいていく

あちらも気づいているのだろう目配せしながら待ち構えている

「すいません、少しいいですか?」

「ああ~ん、なんだ!」

「この先の街までどのくらいかかります?」

男たちがニヤニヤしながら顔で合図をして朱雀を囲む

「街までか。ただでは教えられないな、金と剣を渡したら教えてやるよ」

おもむろに剣を抜き朱雀に向ける

「ひふみよ7人か、」


  名:ハギ:盗賊

  種族:人族


  名:ヤット:盗賊

  種族:人族


その他も概ね似たようなステータスだったスキル持ちはいなかった。

(俺で勝てるか?)

「太助!任す」

肩に乗っていた太助は音も無くはばたき鉤爪と嘴で相手の眼を狙い無力化していく、残り4人

「大地の精霊よ、我に力を与えこの地を汚す悪を倒す、ウインド!」

「地の奥に住む魔の住人我に力を貸せ、ポイズン!」

太助に向かって二つの魔法が放たれた。

「ホーウ・ピ!」

太助に当たり小さいままの太助は弾き飛ばされる。

「おい!ポーションを」

野盗は傷を負った仲間に急いでポーションを使用する朱雀はポーションで傷がみるみる治るのをみて

「なあ、そのポーションまだあるのか?」

野盗の前に進み出た。

「はあ~!」

「だから、そのポーションはまだあるのか?」

野盗は朱雀の言葉にイラつき

「随分な態度だな、お前怪我したくなかったら持ち物を全部出せ!」

「太郎出てこい!」

自分の影からでかい大牙熊が現れる

「うわぁぁぁぁぁぁぁ、なんだ」

「大地の精霊よ、」

詠唱の途中で

「バカか?詠唱するとか」

朱雀は剣で詠唱するハギ、ヤットを剣で切りつけ詠唱をキャンセルさせる。太助は他の五人を踏みつけ抑え込んだ。

「なあ、ポーションはまだあるのか?」

「踏みつけられている男が、このポーチにまだ数本」

「バカやろう!黙って」

太助が戻ってハギとヤットを鉤爪で喉を握り切り潰し絶命させた。

「太郎、ポーチの男以外やったって」

四人はそのまま押しつぶされる。

朱雀も人間を殺すことに躊躇は無かった。

(何も感じないな、なれって怖いな殺人鬼と呼ばれる奴も感情は無いのだろうか)

「う、うわ~た、助けて・・ください」

男が触れながら朱雀に懇願する

「ポーチを渡せ!」

目の前に差し出された、ポーチをひったくり中見をひっくり返すと数本の色の違ったガラスビンとどう見てもポーチよりでかい弓と矢食料他が外にでてきた。


「おお~なんだありえないほど出てきた。これは?」

「ま、マジックバックでこのくらいの荷物は入ります」

手をおおきく広げ悦明、誰でも使えると言う

「ガラスビンはポーションか?」

透明は傷を治し体力を回復、薄紫は魔力回復、赤黒いのは解毒、解麻痺そして懐から小さい袋もだしこれで許してと震える手で差し出す。もう他に情報を得られないと太郎に合図して押し潰す。小さい袋を見るこの国の貨幣が複数枚入っていた。

「ゴブ、こいつらの荷物や武具を剥ぎ取って置いて」

7人分の武具と荷物を集め目の前に置く。

「普通のリュックが4、マジックバックが2、各ポーション7、お金が入った袋が6に食料や野営道具か、野党様様だな。」

「そういえばメイ腹は減るのか?」

「特に必要ありません」

「俺が死ぬか解除するまで不死かよ」

召喚されたダークビーストは倒されても朱雀の影より元のステータスに戻される為、朱雀が死ぬか解除されるまで半永久的に存在出来る。

ぴろん♪

「召喚しますか?」

ぴろん♪

「経験値取得により上がります」

「幽鬼使いのスキル開放、使用者の召喚の成功率が上がりました。」

神山朱雀:転生者:(ダークカフディ)

種族:人族

固有能力:幽鬼使い(使用者の身体能力以下の召喚成功率UP)

「固有能力が変化するのか。」

目の前に押しつぶされ肉の塊と化した物体を見ながら冷静な自分に

「何の感情もわかないな。」吐き捨て街に向かう





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