表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から日本に帰ってきたらなぜか魔法学院に入学 この際遠慮なく能力を発揮したろ  作者: 枕崎 削節


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

360/370

360 学期末の恒例

投稿間隔が開いて申し訳ありません。ヨタヨタでしたが、なんとか書き上げました。

 翌週の月曜日に長らくジジイに付き添っていたカレンが魔法学院に帰還する。アメリカへの極秘潜入から数えて丸々1か月以上も留守にしていただけにAクラスの生徒たちは皆挙って「どこで何をしていたのか?」と聞きたげな様子だが、カレン自身が「余計なことを聞くな」オーラを全身から発散しているおかげもあって誰ひとり彼女に事情を尋ねようという人間はいない。本物の女神様がそのような空気を教室に創り上げているので、一般の生徒たちはカレンに近づくことさえままならない状況。


 とはいえ薄々事情に勘付いている勇者の浜川茂樹などは…


(おそらく自衛隊の任務が絡んでいるだろうから、ここは余計なことは聞かないように周囲の生徒たちに働きかけておこう)


 などという具合に考えているよう。


 そしてもうひとり、すべての事情を熟知している美鈴はカレンの件に関しては彼女が不在の時分から「一切知らぬ存ぜぬ」と貫き通しているだけに、彼女に聞いたところで徒労に終わることなどクラスの生徒全員が承知している。


 ということでカレンが復帰したにも拘らず、なんともモヤモヤする空気が流れるままにAクラスは通常通りの授業を進めていくのであった。





   ◇◇◇◇◇





 所変わってEクラスでは、カレンが学院に戻ってきたという話を聞き付けた元原と横田のテンションがやけに高い。



「おい、ついに俺たちが待ち望んだ日がやってきたな。カレンさんが戻ってきたぞ」


「またあのプルンプルンを拝めるとなると、久しぶりに隠し撮りの用意をしないといけないな」


「それにしてもこの1か月、やはりボスのおジイさんに付きっ切りだったんだろうな」


「うん、その件に関してはちょっと気になっていたんだ。あれだけの戦いの後に急に倒れるなんて只事じゃないはずだ。それでカレンさんが付きっ切りで回復にあたって、元気になったから戻って来たんじゃないかな」


「俺もそんな気がするけど、どうせだったらこの際ボスに訊いてみるか?」


「そうだな、案外簡単に教えてくれるかもしれないな」


 元原と横田の両名はパワードスーツ部隊としてアメリカ潜入に参加したのでこの辺の事情に関して知っているのは当然であって、根っからのアホで変態であってもジジイの容態がどうなっているのか気にかかるところではあったらしい。


 という訳もあって、このような極々軽い気持ちで両名は桜の元に。そして直立不動の姿勢でデカい声を口から発する。



「ボス、お聞きしたいことがありますが、お時間をいただいてよろしいでしょうか?」


「朝っぱらからなんですの?」


「本日からカレンさんが久方ぶりに登校したと耳にしました」


「ボスのおジイ様の回復にあたっていたと聞いておりますが、無事にお元気になられましたのでしょうか?」


 真剣な表情で聞いてくる元原と横田。両者の口から飛び出てきた思わぬ質問に、桜の目がスッと細められる。


(はて、おジイ様のことを心配する気持ちはありがたいんですけど、朝っぱらの教室で自衛隊の守秘義務に抵触する重要事項を大声で口にするのはいかがなものでしょうねぇ~。誰が聞いているとも限りませんのに)


 ということで桜は両名に釘を刺す方針を固めたよう。もちろんこれは先々に渡って元原と横田がウッカリして機密事項を漏らさないようにという、ある意味では部下への教育の一環でもある。


 

「その件に関して教えても構いませんが、代金は高くつきますよ」


「ボス、それは一体いかほどですか?」


 元原が不安げに桜に訊き返してくる。目の前の暴君が「代金は高い」と言うからには、どのような対価を要求されるのか不安を覚えるのは致し方ないだろう。



「おや、お代がいかほどなんて聞いてくるからには相応の覚悟があるようですね。いいですわ、私が要求する代金を教えましょう」


 元原と横田の両名からゴクリとツバを飲み込む音が聞こえてくる。「相応の覚悟」という物騒なセリフを耳にして、二人とも「とんでもない人にとんでもない質問をぶつけてしまった」という後悔の念に駆られているよう。


 そんな二人の感情など構いもせずに、声をひそめた桜が申し渡す。



「おジイ様とカレンさんに関する質問の代金はそれほど高いモノではありませんわ。答えを知ったあとに口封じのため二人とも三途の川を渡ってもらいますの。ということで代金は二人の命ですわ」


「ボ、ボス、自分たちは急に何も知りたくなくなりましたぁぁぁ!」


「ボ、ボス… どうか自分たちの今の発言を忘れていただくようにお願いいたします」


「遠慮しなくていいですわ。一度死んでもらってから、カレンさんに記憶の操作をしてもらって復活させるだけの簡単な作業です。根性を見せてやってみるのも一興ですよ」


 桜は笑顔を顔に張り付けてはいるが、その瞳の奥はけっして笑ってはいない。つまり本当にやってみせるという宣言をしたのも同然。元原と横田はその場で桜に睨まれて動くことも出来ずにガクブルしている。


 そんな時に突然横から登場してきたのは、空気を読まないことには定評のある明日香ちゃん。ことにこの土日はクルトワを伴って実家に戻ってスイーツを食べまくっていたおかげもあってすこぶる機嫌がよろしい。



「桜ちゃん、桜ちゃん! おジイさんの具合はどうだったんですか~? 途中まで電車で一緒だったのに、お見舞いに行けなくって気にはなっていたんですよ~」


「明日香ちゃん、言葉を返すようですが、なにが『気にはなっていた』ですか? どうせ頭の中は甘い物のことでいっぱいだったんでしょう」


「桜ちゃん、バカなことを言わないでくださいよ~。食べ物が頭に入るわけないじゃないですか。お父さんが買ってきてくれたスイーツだったら全部私とクルトワさんのお腹の中に納まりましたよ~」


「そういう意味で言ったわけではないのに…」


 ニコニコ顔で答える明日香ちゃん。さすがに桜も呆れた表情を浮かべている。



「おジイ様でしたら今日退院しますわ。もうすっかり元気ですの」


「そうでしたか。よかったですよ~。カレンさんがずっと付きっ切りで治癒していたんですから、元気になって当たり前ですよね」


 目の前で繰り広げられる桜と明日香ちゃんのやり取りを耳にして、真っ青になるのはその場に立ち尽くしている元原と横田。



「えっ、カレンさんが付きっ切りで治癒したおかげで退院だって? お、俺は何も聞こえなかったぞ」


「ボ、ボス、自分は今考え事をしていたせいで何も耳に入ってきませんでした」


 明日香ちゃんの声は近くに立っている元原と横田の耳にも当然届いている。この両者が求めていた答えが明日香ちゃんと桜の口から明かされてしまうという偶然が起きてしまったために、元原と横田は何とかこの不幸な事態を切り抜けようと懸命に悪足搔きしている。


 だが桜としてもこの事態にしばし頭を抱える。まさかここにきて明日香ちゃんの天然砲が炸裂するとは予想外の状況らしい。短い時間頭を抱えて悩んだ桜は、何かを決意した表情で元原と横田に視線を向ける。



「偶然とはいえ聞かれてしまっては仕方がありませんわ。そこの二人と明日香ちゃんは私と一緒に第3訓練場に来てください。明日香ちゃんは食べた分のカロリーを全部吐き出してもらいますわ」


「桜ちゃん、どうかそれだけは許してくださいよ~」

 

 守秘すべき秘密の一端が漏れたという事態に際して、桜はいかにも非情な決断を下したという表情で元原と横田プラス明日香ちゃんに言い渡している。これには元原と横田は体をブルブル震わせて逃げ出すことも出来ずに立ちすくすばかりというヘビに睨まれたカエル状態。どうやらこれから直ちに両者に対する死刑執行が敢行される模様。偶然とはいってもあまりに不運なこの二人。すべては明日香ちゃんの天然砲のせいなのに。だがここで…



「コラ、桜。二人をからかうのも大概にするんだ」


 声の方向に元原と横田が目を遣ると、そこには聡史が立っている。絶体絶命の危機にまさに救いの神が登場といわんばかりに両者が慈悲を乞う気持ちがこもった視線を送っている。


 聡史は他の人間に話が聞かれないように周囲を遮音結界で覆ってから桜に向かって説教開始。



「桜、そもそも元原と横田は一緒にアメリカ潜入ミッションに参加していたんだから、ウチのジイさんがレプティリアンの副王と刺し違えるようにして倒れたのも知っている。容態を心配しても当然だろう」


「言われてみたらそんな気がしてきましたわ」


 桜としてはこの事態の落としどころをどのように持っていくか少々悩んでいただけに、聡史の横槍は歓迎する方向らしい。トボけているフリをしつつも、兄にこの場を任せるつもりのよう。



「言われる前に気付くんだ! それから元原と横田はジイさんが倒れた件を含めて今回のミッションは自衛隊の守秘義務の属している。絶対に人前で話すんじゃないぞ。もちろん明日香ちゃんもだからな」


「りょ、了解であります」


「絶対に喋りません」


「私も絶対に喋りませんよ~」


 こうして聡史によって何とか命拾いする元原と横田。そして明日香ちゃんのティッシュペーパーよりも薄っぺらい口約束。この場を乗り切ればなんとかなるという安易な発想がミエミエなのはいつものこと。


 何はともあれ、元原、横田、明日香ちゃんの3名は余計なことを口走らないという教訓を新たにするのだった。





   ◇◇◇◇◇





 さて、カレンが不在中の先週には魔法学院では期末テストが実施されている。不在だったカレンは不本意ながらも赤点を取った生徒と一緒に追試を受ける必要がある。


 本物の女神様がEクラスの底抜けのアホたちと一緒になって追試を受けるというのもおかしな話だが、学院の規定でそのように決められているので仕方がない。ということで追試が終了するまでの間、カレンは自主練やダンジョンでの活動は自粛となっている。


 もっともEクラスのアホたちとは違って日頃から勉学の面でも優秀な成績を収めているカレンなので、授業を受けられなかった期間の学習内容をサラサラッと教科書に目を通すだけで特に問題はないはず。


 逆にいつものように問題なのはEクラスの生徒たちで、採点をする教員が思わず頭を抱えるように珍回答が続出しているのは言うまでもない。


 そんな彼らのテストの回答をいつものように覗いてみると…



【現代国語】


 問題 次の( )の中に体の部分を入れて慣用句を完成させなさい


 1 文化祭の準備にお金がかかりすぎて(  )が出てしまった 【正解 足】


 美晴の回答 ( 血反吐 )


 先生のコメント… そこまで大袈裟に準備をするものではないでしょう。文化祭で死人を出すつもりですか?



 2 その意見にはクラスの全員が(  )を揃えて反対した 【正解 口】


 ほのかの回答( シッポ  )


 先生のコメント… 可愛さで誤魔化そうとしても問屋が卸しません



 3 明治生まれの祖父は(  )が固い性格だ  【 正解 頭】


 足立の回答 ( うんこ )


 先生のコメント… それは性格ではなくて体質です



 4 秘密は守る。私は(  )が固いから  【正解 口】


 元原の回答 ( チンコ )


 先生のコメント… あとで職員室に来なさい



 問題 次の( )に当てはまる言葉を入れてことわざを完成させて意味を書きなさい


 1(   )の納め時    


 【正解 年貢  意味… 全て諦めて相手の言いなりになる】



 頼朝の回答 (  天狗  )


 意味 ( 神社に天狗のお面を奉納するといいことがある )


 先生のコメント… 色々と誤解しているぞ



 横田の回答 ( TENGA ) 


 意味 (ルームメイトが寝静まった12時以降がベストなタイミング)


 先生のコメント… お前も職員室に来い! 



 問題 次の慣用句とよく似た意味の別のことわざや言い回しを答えなさい


 二階から目薬  【正解 焼け石に水 隔靴痛痒】


 

 美晴の回答  ( ヒップアタックで座薬 )


 先生のコメント… 失敗した時のダメージは相当なモノですが、成功した際にはより深刻なダメージを食らうでしょう




 【現代社会】


 日本の裁判制度は三審制が取り入れられています。一審の裁判所から順に名称を記入して、このような制度が取り入れられている理由を書きなさい


 【正解 一審 地方裁判所(簡易裁判所、家庭裁判所)  二審 高等裁判所  三審 最高裁判所】


 【正解の理由  慎重で正しい裁判が行われるようにこのような制度を設けたのが最大の目的で、誤審や事実誤認があっても反論の機会を求めることができ、万一にも被告に不利益がないように人権を保障している】



 桜の回答


  一審 ( 私が )裁判所


  二審 ( なし )裁判所


  三審 ( なし )裁判所


  理由 


 ( 逮捕の時に手っ取り早く犯人を殺しておけば余計な手間と時間が節約できますわ 私が法律ですの )


 先生のコメント… もう何も言いません。



 【古文】


 枕草子の冒頭の部分を現代語訳しなさい


 春はあけぼのやうやう白くなりゆく山際 少し明かりて紫立ちたる煙細くたなびきたる


 【正解】


 春はだんだん夜が明けようとする頃合い 少しずつ明るくなって紫がかっている雲が横に細くたなびいてく様が美しい



 明日香ちゃんの回答


 ( 誰が曙ですかぁぁぁぁ! )


 先生のコメント… 色々と気にしすぎじゃないですか? スクールカウンセラーの予約をお勧めします



【英語】


 次の言葉を日本語にしなさい


 No Smoking  【正解】 禁煙


 美晴の回答  ( 横綱がいない )


 先生のコメント… スモウのキングだったら二宮力士長がいます



【オマケ 一年生の英語】


 次の短文を和訳しなさい


  Yesterday I walked on a broad street at twilight time, but since so many people walked on that street, it was difficult for me to walk straight.


 【正解】


 昨日、私は夕暮れ時に大きな通りを歩きました。しかしとてもたくさんの人が歩いていたので真っ直ぐに歩くのが大変でした



 美咲の回答


 ( クックック、逢魔が刻に漆黒なる闇に向かいて歩き出す者よ、そなたの行く手には数多の邪魔者が道を遮ろうとするだろう。だがひとたび暗黒の労役に生きたままの夥しい魂を運び去る深淵なる特異点を目指すのであらば、敢えて止めはせぬ。おのれの心の赴くままに脇目も振らずに荒涼たる道を突き進むがよいであろう )


 先生のコメント… だいぶコジらせているようなので療養棟での相談をお勧めします。それから駅から電車に乗る人が全員ブラック企業に勤めているとは限りませんよ。さらに付け加えると、駅は乗り換え地点であって特異点ではありません。



 このような勢いで珍回答が続出して採点をする教員の腹筋を崩壊させている。もちろんこんな回答をする多くの生徒は追試を受ける羽目になるのは当然の話。カレンがひとりで追試を受ける事態は回避されたが、逆にこんな頭の造りの面々と一緒に試験を受けるのは相当な屈辱のように思われる。


 ともあれ追試で合格点を取らないと補習が用意されているので、Eクラスのアホたちは必死になって追試科目の勉強を始めるのだった。





   ◇◇◇◇◇





 魔法学園が学期末を迎える頃、アメリカ国内においてレプティリアンの息がかかったこれまで富と権力を欲しいままにしていたディープステートと呼ばれる既得権益層はパニック状態に陥っている。


 もちろんこれは当然の成り行きで、レプティリアンというバックを失ってしまえば彼らは政府の強硬な取り締まりによって締め付けられていくのは明白。ましてや来年早々に発足するジョーカー大統領は声高にDSを名指しで批判しているだけに、これまでの数々の悪行が白日の下に晒されて逮捕拘留といった憂き目に遭うことすらも現実のモノとなりつつある。


 そして岡山室長によってわざとCIAにリークされたレプティリアンの地下施設が壊滅に陥ったデータは、大西洋を渡ってイギリスのMI6にももたらされている。



「おい、これは本物なのか?」


「アメリカ側ではもはやパニック状態で、我が国に亡命を希望する人間が続出していると報告がある」


「ということは多分に事実だと考えたほうがいいな。こんな神をも恐れぬ不届きな所業に手を下したのは何者だ?」


「おそらくは日本だろう。現にロスアンゼルスの大統領補佐官の狙撃事件の当日には神殺しと思しき人物の姿が防犯カメラに捉えられている」


「クソっ、忘れた頃になってあの忌々しい神殺しがまたぞろ活動を開始したのか」


「6年前の一件は現在もなお我が組織に痛手を残している。あんなバケモノが暗躍し出したとなると、地下施設の潰滅も自ずと理解できてくるな」


「なんとも頭の痛い問題だ。だから我々は百数十年前から日本に対する陰謀を張り巡らせて数十年かけて第二次世界大戦に巻き込んで滅亡の淵まで追い込んだのに、ヤツらはあっという間に国家を復興させて今や我が国すらも上回る経済力を誇っていやがる。あの時に完全に息の根を止めておいたらこんな事態にはならなかったはずだ」


「おいおい、過ぎたことを今更悔やんでも何の足しにもならないぞ。それよりもこの情報を各方面にいち早く知らせなければならない」


「そうだな、まずは長官に報告してからこちらも迅速に動き出そう」


 こうしてアメリカ合衆国内に置かれていたレプティリアンの地下施設潰滅の報告はイギリス並びにヨーロッパ中の関係者の間に光の速さ並みの速度で広がっていく。





   ◇◇◇◇◇





 さて、日本ではイギリスと呼ばれているこの国は正式な名称を〔グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国〕としている。グレートブリテン島内のイングランド、スコットランド、ウェールズの3つの王権が統合されたのと、歴史的に長らくイングランド王が領有していた北アイルランドを含めた地域で成立しているのがイギリスという国家。


 歴史的にひも解くと、元々はケルト人が住んでいた地域に北方からバイキングが押し寄せてきて初めてノルマン朝という王政を開始して、その後はいくつかの王朝が勃興したが、新たな国王は常にフランスなどの大陸の血を引く人物が据えられるという奇妙な歴史を持っている。


 要は国民は正確な記録がある以前からその地に根を生やした先住民族なのだが、支配層だけは常にヨーロッパ大陸の血を引いた異民族というのがイギリスにとってはあまり触れて欲しくない真の姿となる。


 このイギリスという国は16世紀まではグレートブリテン島内での内戦に明け暮れており、島国ということもあってヨーロッパの中ではさしたる影響力を持たない国家と見做されていたのは事実。それがのちに〔太陽が沈まぬ帝国〕と呼ばれるほどの覇権国家となるのはアルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を破ったのがきっかけ。


 ただしこの戦争の原因を作ったイギリス政府の非道な行為に関して触れないわけにはいかない。当時主に南米やアジアとの植民地貿易で多額の財を成していたスペインに対して、それを羨んだエリザベス1世は私掠赦免状を交付して広く海賊行為を推奨した。その被害を受けたのは主にスペイン船であって、あまりの被害のヒドさに抗議をするもイギリス政府はもけんもほろろ。スペインとしても堪りかねて「よろしい、ならば戦争だ!」となった次第。当初は圧倒的に優位と見られていた無敵艦隊があろうことかイギリス(海賊)艦隊に敗れ去って、イギリスが制海権を手に入れたところからその躍進が始まる。


 手始めにインドやエジプトを圧倒的な海軍力で手中に収めると、アフリカやビルマ方面にも手を伸ばす。当時の中華大陸を支配していた清朝との交易が始まったのもこの時代。特に悪名で名高いのは清に対する対外貿易赤字を解消するためにビルマ産のアヘンを大量に流入させては、当時の清の人々をアヘン漬けにしたこと。さらには抗議をする清にアヘン戦争を吹っ掛けては、勝利後に不平等条約を結んで数か所の港と香港などの領地を得るなどやりたい放題。


 このようなあまりにも非道なイギリスの植民地政策をもって、その内情を知る人はかの国をこのように呼ばわる。敢えて言おう、ブリカスと。


 現在にも渡って火種として残るパレスチナ問題や、最近新たに紛争が勃発したインド-パキスタン間のカシミール地方の領有をめぐる争いも大元を正せばブリカス、ゲフンゲフン… イギリスの無責任な植民地政策が招いた悲劇が原因と捉えて間違いない。


 このような真っ黒な歴史を持つイギリスという国家であるが、ぶっちゃけてしまうとDSの総本山と断じて構わない。アメリカの国内に巣くう既得権益層というのは高々二百年の歴史しか持ちあわせていないが、イギリスを中心としたヨーロッパ中に蔓延る国家すらも背後から操るDSというのは、ゆうに千年以上の歴史を連綿と綴ってきている。


 ここ最近ネット界隈でまことしやかに囁かれている「ロ〇チャイルド家が世界支配を企んでいる」という都市伝説だが、ヨーロッパ中のディープステートからしたら「何言っているんだ?」と鼻で笑われるだろう。


 彼らからしたらロ〇チャイルドなど所詮はフロント企業もしくは金庫番に過ぎない。何を隠そういまだに金融界を通してその経済力で世界を支配しているのは、カール大帝の戴冠に始まりその後着実に富を蓄財してきたヨーロッパ中の王侯貴族で相違ない。現在は多くの国で王政が廃されているにしても、彼らは没収されなかった目の眩むような多額の資産によって大きな影響力を維持している。事情を知っている人々は彼らのことをこのように呼ぶ… 黒い貴族と。


 当然黒い貴族たちはレプティリアンと何らかの繋がりを持っているのは言うまでもない。逆に繋がりがあるからこそ度重なる宗教戦争や革命があっても、これまで蓄えてきた資産を守ってこれたといえよう。


 そして近年話題に上がるグローバル化という単語だが、仕掛けているのはこの黒い貴族たちが陰で糸を引く政府の官僚機構に属する人間たち。けっして表には出ずに安全な場所から世界を牛耳るのはよほど気分はいいのだろう。しかもグローバル化の波に乗って国際的な投資が活発になればなるほど、自分たちの懐に大金が転がり込んでくるのだから笑いが止まらないはず。


 近年世界的な問題となっている温暖化やコロナウイルスに関するワクチンの問題などもヨーロッパ政府が最も声高に主張しているというのは背後で糸を引いているDSに踊らされているだけで、その象徴となって一時的に話題となったグ〇ダとかいう名前の少女などは滑稽ですらある。そもそも温暖化が進めば元々気候が寒冷地に属するヨーロッパは住みやすくなるし、農業の収穫も上がるはず。誰でもちょっと考えればわかるはずなのに盲目的に〔温暖化=悪〕と決めつけているのは、何者かによって情報操作が行われていると考えたほうが良いと思われる。


 さてこの黒い貴族についてだが、実はこの物語の早い部分で登場している。それはアラクネーという女性のレプティリアンが比叡ダンジョンのラスボスとして登場してくる前のお話。フランスのニースに集まって話し合いを持った有力家系の当主の会合。彼らはまさに黒い貴族そのものといってよい。というよりもレプティリアンが直接人間に成りすまして人々を顎で使っている真っ黒な貴族と呼んでも差し支えない連中。


 つまりこれらの黒い貴族の中にはレプティリアンが人間に成りすまして当主を務めている家系が多々見受けられるということ。そのレプティリアンたちだが、CIAから緊急連絡がもたらされる前から直接米国内の地下拠点が襲撃されているとの情報を現地から得ている。


 当初は彼らも「どうせ人間風情が大したことなど出来るわけがない」と楽観視していたのだが、状況は時を追うごとに悪くなるばかり。とはいえ遠く離れた場所で起きていることに対して手を拱くままに情報収集に努めていると、最終的には副王すら倒されて地下施設は放棄されたとの知らせが届く。


 この報告には人間に化けているレプティリアン一同が大きな衝撃を受けたのは間違いない。同時に犯人探しが始まって、米国の地下施設からもたらされた監視映像を解析した結果、聡史たちの正体をようやく掴んだ模様。


 これらの情報を基にして、彼らの間で緊急のビデオ会議が開催される。



「まさか思ったが、日本人に我らが米国の拠点を完膚なきまでに破壊されるとは…」


「それだけならまだしも、惑星航行船に搭乗して地下施設を脱出したはずの同胞たちの行方が一切不明となっているぞ」


「成層圏航行中に何らかの事故があったのか?」


「それは考えにくい。ただし腑に落ちない点がある。予定通りにソルトレークシティー上空の高度200キロに達した段階で、脱出船との通信が突然途切れてしまったのだ」


「何らかの攻撃を受けたのか?」


「その形跡は何もないが、そう考えたほうが良いかもしれない」


「一体何者が?」


「情報を精査すると、日本以外には考えられないという結論に至った。ロシア、中国、朝鮮半島全域の軍事基地だけをわずか1週間ですべて壊滅に追い込むなどという芸当は、何らかの進んだ技術を手に入れていると考えたほうが良いだろう」


「なんということだ! 我らが潜む地下拠点を滅亡に追い込んだだけではなくて脱出する同胞たちまでも手に掛けるとは、日本という国は言語道断!」


「今までは対岸の火事という気分で様子見をしていたが、かくなる上は看過できぬ。日本に対して米国と同様の断交も辞さない態度をヨーロッパ中の国々に表明させるぞ」


「そうしよう。さらには地下拠点襲撃に直接関与した人間共には刺客を送って我らの手で亡き者にしようぞ」


「そんな手練れがいるのか? 相手は副王様ですら敗れたとんでもない強者だぞ」


「案ずるな、我に心当たりがるゆえに任せておくがいい」


 こうしてビデオ会議は終了する。日本と聡史たちに対してなんとも物騒な内容が取り決められたようだが、この話合いをコッソリとハッキングして一部始終を記録している目があることにはレプティリアン側も気づいてはいない。何を隠そう、その目こそが弥生によってネットワーク内にバラ撒かれたアバター。当然この情報は量子コンピューターオペレーションルームを通して岡山室長の元に届けられる。


 そしてその日の夜半、誰もが寝静まる時間帯にレーダーにも映らずに目視も出来ない不可視の飛翔体が複数ヨーロッパ中に現れて上空からレーザー光を発射する。何十代にも渡って世界の裏側で栄華を極めた一族は、その光がもたらす滅びの熱によって瞬間的に蒸発し、贅を尽くした邸宅は一万度の高温によって生じた炎によって灰となって崩れ落ちていくのであった。


体調不良によって中々執筆活動が出来ないもどかしい時期が続きました。ようやく体調も一段落したので、これからはもう少しペースを上げて投稿していきたいと思っております。とはいえ内容はちょっと前のツイッターだったらあっという間にバンされる危険なモノとなっていますので、どこまで続けられるか作者としても気が気ではありません。


この続きは出来上がり次第投稿いたします。どうぞお楽しみに!


最後に皆様にいつものお願いです。


「面白かった」

「続きが気になる」

「もっと早く投稿して」


と、感じていただけましたら、ブックマークや評価を是非お願いします。

評価はページの下側にある【☆☆☆☆☆】をクリックすると簡単にできます。

〔いいね〕ボタンもポチッとしていただく幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 二階から目薬  【正解 焼け石に水 隔靴痛痒】 『二階から目薬』と『隔靴痛痒』は上手く目的が達成できず(もどかしい) 『焼け石に水』はわずかばかりの事では効果が無い(諦観) と思ってたので正解合っ…
更新楽しみにしてました。 最近は陰謀論と認知戦の話が盛り上がってます(奥山真司のスタンダードジャーナルで)。 ポイントは分断であり、要はどちらかの意見でなく両極端な意見をどちらもヒートアップさせ、民衆…
更新乙 まってました~ 体調と相談しながら続きお待ちしてます!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ