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寧々子ターン:心強い味方

なんと、週間ランキングに載ることができました……!

たくさん見に来てくれてありがとうございます。がんばります!

感想やポイントもしてくれるとさらに舞い上がります。






 秀吉と運命の出会いがあった出来事から約五年の月日が経った。

 私は来年には十四になる。

 そろそろ周囲から結婚に関する浮いた話が出始めてもおかしくない。

 この時代ではこの年齢でそれが当たり前なのだ。


 この五年間のうちに、私と秀吉は文を交わしたり、時々共に出かけたりして二人だけの時間をとり、順調に仲を深めていた。


 前世では全く興味がなかった秀吉に対して、こうして実際に接してみるとだいぶ印象が変わった。


 今のところではあるが、女性を見てもへらへらしたりしない。

 むしろ仕事で出世していつか大きな地位に! という夢に向けてのビジョンを語っていてわりと真面目な印象を受けた。


 きっとねねさまが惚れたのはこういうところなのかもしれない。


 また信長様の元にも時々顔を出した。

 一人で行くのは理由がなかなか見つからないのでいつも秀吉についていく形で会いにいった。

 おかげで信長様が私達を見る目がニヤニヤしたものばかりでとても恥ずかしい。


 そんな日々を過ごしているうちに、ついにあの戦が起ころうとしていた。









 信長の居城・清州城。


 ドッドッドッと騒がしい足音を響かせて信長のいる天守へ向かう一人の兵士。

 天守へ着くなり「失礼します!」と焦った口調で挨拶したあと、襖を勢いよく開けた。




「今川義元が大軍を率いて駿府を発ち、ここ尾張へ向かっている模様!」

「――義元。ついに動いたか」




 兵士の報告を聞いた信長は、時が来たのを悟ったように一人呟く。

 その場に居合わせた家臣たちは動揺するもすぐさま軍議に取り掛かるために他の主要な家臣たちを呼びに散った。


 この知らせはすぐに寧々子の元まで届いた。









「今川義元が尾張に……!?」

「うむ。今、織田の主要な家臣たちが軍議をしておる。攻めるにしても籠るにしても戦は避けられまい。わしは出なくてはならぬ」




 義父・浅野長勝より話を聞いて私はすぐに察した。


 これが桶狭間の戦いだ。

 これを機に、信長様はもちろん秀吉も今は今川の人質である家康も大きく環境が変わる。

 正直、その瞬間に立ち会いたい。




「ふく、ねねとややを頼む。危なくなったらすぐにでもここを出るのだ」

「はい、長勝様。お任せを」




 やっぱり家が大きくなくてもお姫様は城にいなくちゃいけませんよね……。

 どうにかして抜け出せないだろうか。


 そんなことを考えながら自室への道を歩んでいると、後ろからトトトと小走りに走り寄る音が耳に入る。




「ねね姉上。先程、義父上のお話を聞いてから様子がおかしいです。藤吉郎様のことをお考えですか?」

「ま、まぁそんなところ」

「仲良くされていましたし心配ですよね……。戦が始まる前に、お会いしに行っては?」

「でも戦の前だからこそ迷惑がかかってしまう。それに義父上がああ言っては義母上が外に出ることを許しては」

「ならば内緒にしていけばいいのです!」




 そう目をキラキラさせて言い切る妹に私は一歩下がって苦笑を浮かべる。


 確かに先程まで城を抜け出せないかとか考えていたが、決して秀吉に会いたいからではない。

 天下を揺るがす戦が見たいからだ。 




「やや、実はこの城の抜け道をいくつか知っております! ここにきてからひそかにあちこち探検しました」

「なんだって」




 思わず低めのボイスになるほど素で返事をしてしまった。


 そういえば秀吉と出会ってからの私は時勢や外の地理の情報収集と前世でやっていた武術……空手や薙刀、弓道の鍛錬をバレぬよう誰よりも早起きして欠かさずやっていたが、肝心の自分の住まいについてまったく調べていない。


 盲点だった。近すぎて気付かなかった。




「あと、ねね姉上が誰よりも早起きして武術の鍛錬をしていることも最近知り……」

「えっ!?」

「きっと藤吉郎様や信長様と接しているときに教えていただく機会があったのですね。それにしても長年やっていたかのような様子でややは姉上の飲み込みのよさを尊敬します!」




 二人と会っててよかったー! 勝手に納得してるけど助かった。

 しかしこれは私がつけてる日記や暇なときに書いてる同人誌(簡易版)も発掘されかねない。油断ならんぞ、妹。




「いかがします!? 義母上にはうまく隠します。愛のためにややは協力します!」




 この妹、あれか。恋バナ好きの女子タイプか。

 しかし女であり武将の娘である以上、室内で過ごすことが大半だから人のコイバナくらいしか大きい楽しみがないのだろう。

 それで身内に恋愛してる人がいたらより盛り上がることだろう。




「じゃあ、お言葉に甘えて……」

「はい、ぜひ!!」




 近くに心強い(?)味方を得て、私は城を出ることにした。


明日更新……目指しますッッ!!

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