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5 徳川家康と大体セットでいるあの武将

あの男、戦国ゲームやってるときに、家康が敵だと、絶対いますよね。

大阪城ぐらいじゃないだろうか。いないの。



本日も二話連続更新!

ちょっと一話分早くあげますね







 半兵衛が命じた徳川軍お迎えを無事完了させて織田軍の布陣する竜ヶ鼻へと戻った寧々子は、そのまま秀吉と半兵衛がいる木下隊へ直行する。


 木下隊の布陣する場所へ戻ると、すぐに見えるところに半兵衛が待ち構えていた。

 寧々子は半兵衛の前で馬を止めて降り立った。




「おつかれさまです」

「命じられた通り、徳川軍を送り届けました。いろいろ言いたいことが山積みです」

「詳細は戦のあとに聞きますが、肝心なところだけ確認のためにお聞きします。神のお話は聞けましたか?」

「ええ」

「それは重畳。ならば、あとでお願いごとをまた一つするでしょう」

「お願い事という名目の命令ですね。承知しました」




 二人で話していると、遠くから秀吉が招集を呼びかける声がしたので二人も応じた。


 全員集まったのを確認すると、秀吉は皆へ向けて口を開いた。




「朝倉軍も浅井軍と合流、こちらも徳川殿と合流が成った。これから戦が本格的に始まる。こちらもあちらもおよそ一万三千からなる軍勢じゃ。しかも今回は両軍とも、万全の状態を期しておる故、金ヶ崎のようにはいかぬじゃろう。とても厳しい戦いが予想されるが、皆の奮戦を期待している」

「おおー!!」




 木下隊の士気をあげると、そのあと秀吉は各小隊に細かな指示を出す。


 自分も持ち場に戻ろうとしたところをまたまたにこやかな笑みを浮かべた半兵衛に肩をがっしりと掴まれてしまう寧々子。




「お願いしたいことがあります」

「……今度はなんでしょうか、隊長」




 もはや慣れてきた光景故、寧々子は諦めながら半兵衛のお願い事を待った。




「徳川殿の元へ行ってください」

「え? でもあちらには徳川四天王の内三人がいるくらいの精鋭揃いで特に問題なさそうですし、厳しい戦いになるのですからこちらにいて被害をできる限り減らした方がいいのでは?」

「その徳川四天王、てなんですか、初めて聞きました」

「え!? まだ彼らをそう言わない!?」




 寧々子が言う徳川四天王とは、徳川家臣の中で最も家康の天下取りに最も貢献したとされる榊原康政・本多忠勝・酒井忠次・井伊直政の四人を指す言葉。

 またさらに、榊原康政・本多忠勝・井伊直政のみを指して徳川三人衆または徳川三傑とも呼ばれることもある。


 この姉川の戦い時点で全員生まれてはおり、井伊直政を除いた三人はここに参戦しているが、この段階ではまだこの通称はおそらく存在していない様子。


 四天王中、井伊直政が最大の功労者とされているので、その直政がいないのでそれも当然かもしれない。




「ごめんなさい。時系列的にまだ早かったようです。忘れてください」

「そんな大層な通称がつく武将が四人も家康様の元にはいるのですね。さすがというべきか」

「それは家康様のどれに対しての発言なのでしょう」

「元々人柄がよい方でありますし、どちらにも、ですね。まぁそれはさておき、救いに行け、というわけではないのです。僕が見に行く方が確実ではありますが、僕はそれほど強くはありませんし、藤吉郎様の側を離れるのは立場上よくないので」

「つまり、徳川家の実力を見て来い、ということですか?」

「ええ」




 なるほど、軍師である半兵衛としては今後味方としては大きく心強く、敵になることがあれば秀吉にとって最大の脅威となるであろう徳川軍を把握しておきたいというところだろうか。


 当然の考えだと思うので寧々子は納得して素直に承諾した。


 となれば、さっそく徳川軍の元へ向かうべく、再び馬を走らせた。


 なんか、わざわざ戻る必要あったのか。

 無駄な遠回りをしたのではないか。

 一瞬そういう疑問が浮かんだが、それを考えてしまったらいけない気がすると直感が訴えたので寧々子はその疑問を振り払った。




 徳川軍は織田軍と合流していたので、お迎えの時ほどの距離はなくすぐに会うことができた。

 しかしやってきたはいいものの、お迎えの時と違って明確にやることがあってやってきたわけではないのでどうしようか悩む。

 とりあえず家康に取り次いでもらえばどうにでもなるだろう思っていたところに、




「…………」

「わっ!? びっくりした」




 目の前にいつのまにか本多忠勝が無言で立っていた。


 寧々子よりも圧倒的に体格に差があり、身長も大分違うので雰囲気で気圧されそうだ。


 忠勝は、寧々子を警戒する風もなければ睨むこともせず、ただ無言で見下ろしていた。

 なんの反応も行動もないので、恐る恐る寧々子から声をかける。




「あの……本多忠勝様、徳川家康様にお会いしたいのですが、どちらにおられるでしょうか?」

「……殿は、あちらで支度されている」

「ありがとうございます。それでは失礼」




 お礼を言ってそのままそそくさと立ち去ろうとしたが、何故か行こうとする先へ立ちはだかり続ける忠勝。


 右へ動けば右へ。

 左へ動けば左へ。


 ……なぜ。




「あの?」

「……何用か」

「あ、御用をお聞きしたかったのですね。徳川軍へ同伴するようにと隊長……竹中半兵衛殿に言われまして、その許可をいただきたく」

「……ついてまいれ」




 用を伝えると取り次ぎをしてくれるのか忠勝は寧々子を家康の元まで案内してくれる。


 蘭丸以上の口数の少なさに少し動揺するも、悪い人ではないようだ。


 忠勝についていくと、馬を愛でる家康が見えてきた。

 家康は忠勝が近づいてきたことに気付いたのか、こちらを振り向く。




「おや、忠勝。どうしたの?」




 家康が忠勝に声をかけたときに口調が敬語でないことに一瞬戸惑う寧々子。


 さきほど二人で話したときに敬語を常に使っていたので普段から敬語なのかと勝手に思っていた。


 やはり主君と家臣という立場があると、砕けた……といって良いのか分からないが、敬語は少なめなのかな。


 しかし寧々子の中で家康は少々可愛い男となっているのでキリっとした風を装っているかのように聞こえる。

 悪くいうと、子供が大人の真似事をしているときのような感じ。




「……客人を」

「ああ、お客さんを案内してきたんだね。ありがとう」




 忠勝へお礼を言って、忠勝の横からひょこっと顔をだして客の顔を確認する家康。


 そういう仕草を三十路手前の男がするものじゃありません。

 かわいいです。




「おやおや。これは驚きです。寧……治殿」




 おっと家康様、そのミスはグレーですよ。

 といっても、私も時々現代語混じりに半兵衛と話してしまうけれども。




「先程はありがとうございました」

「いえ、こちらこそ戦の前に楽しいひと時をありがとうございました。今度はいかがされましたか?」

「半兵衛殿に、今回は家康様と共に戦えと言われまして」

「ほう。 ……ああ、なるほどね」




 家康はなにかを察したみたいだけども、それと寧々子が考えることが一致しているのかは定かではない。




「いいですよ、共に戦場を駆け抜けようではありませんか。半兵衛殿の話だと、治殿はなかなかに腕がいいと言っていましたし、期待です」

「いや、そんなに期待されるほどでは……ひっ!」




 家康から、期待、という発言が出た時に鋭い視線を感じて斜め上を見上げると忠勝からすごく睨まれていた。


 ドウドウ忠勝、と馬をいさめる風に家康にいさめられて少し視線を緩くなった。




「すみません。忠勝は強い人に興味があるんです」

「いや、ほんとに大した実力ではないのでそんな気にされるほどでは。未だ傷一つついたことのない忠勝殿の方が十分すごいお方です」

「……謙遜されるな」




 いや、謙遜じゃない。事実。

 私自身が強いわけではなく、うまく立ち回っているだけだ。




「とりあえず治殿は私といてもらってもいいですか? 命令とはいえ、あなたにもしものことがあれば、もしかしたら織田・徳川の問題に発展してしまうかもしれないので」

「ご迷惑をおかけします」

「いいえ。私といれば忠勝の武勇も見られますから」




 おお、徳川随一の武勇が見られると言うなら半兵衛のためにも大きな収穫になるし、個人的にも嬉しい。




「さて、そろそろみなの準備もできたでしょう。忠勝、治殿、参りましょう。この戦、一番槍は我々徳川が仰せつかりましたので」

「はい」

「承知」








読了ありがとうございます。

ブクマ・ptよろしくお願いします!


もう一話本日中にあげます!

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