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7 賊を投入し、浅井軍を混乱させよ!

昨日に引き続き、こちら更新!


寧々子とねねさまの作戦実行です!










 寧々子と入れ替わっているおねねさまは半兵衛と接触したのち、金ヶ崎城へと戻っていった。

 金ヶ崎城へ戻ると、それまでわずかな手勢しかなかった城に人が増えていた。


 その中には、秀吉や明智光秀、池田勝正の姿も確認できた。


 総大将である織田信長と距離ができたことでここまで後退してきたのだろう。次なる前線の地はここになる。




「もうすぐ賊がここへ来てしまうな。浅井・朝倉軍が今どれだけの距離にあるのかも気になる。急がねば」




 再び走り出そうとしたとき、急に体が重くなった。


 疲労が蓄積されたのだ。


 賊たちのところから金ヶ崎城まで気配や足音を消すために気を張ったり、全力疾走したこと。


 またそれ以前にも寧々子が前線で戦っていたりした分が押し寄せてきていた。


 動いている間はあまり気にならなかったのだが、一回止まってしまうと体が感じ取ってしまったようだ。




「鍛えてある肉体故、フル活用しても問題ないと思うたが、寧々子は自分の力をうまく調整して使っていたのだな。妾がだいぶ消耗させてしまったか」




 慣れないことはするものではないな、と反省し、今度寧々子にちゃんと体のペース配分を教わろうと決めたところで残り少ない体力を振り絞ってねねさまは、浅井軍のいるところへと向かっていった。

















「もう少ししたら朝倉殿の軍と合流できよう。皆の者、合流したら一気に織田軍を薙ぎ払っていくぞ!」




 浅井長政の掛け声に「おー!」と声を上げる浅井軍。


 集団の先頭でそれを率いている男こそ、浅井長政である。


 織田信長の妹・お市姫の夫であり、信長からすれば義理の弟にあたる長政。

 身長は高く、物腰柔らかそうな雰囲気と面立ちをしており、大きな盾と長い矛を持っている。

 姫を守る騎士、守護者ガーディアンという肩書きが似合いそうな優男である。

 まさに魔王と評される男の妹を嫁にもらっただけはある。


 お急ぎの勢いで戦場を駆け抜けていく浅井軍。

 少し離れたところにはバラバラに乱れた朝倉軍の欠片たる兵がちらほら見えてきている。




「もうすぐだ……っ!?」




 朝倉軍が一部とはいえ視界に入りだしたので、光明が見えたかのような気持ちになった浅井長政の前に突然、人の集団が転がり現れてきた。




「うぉぉぉぉ!?」

「なんだ!?」

「いてぇ!」

「ぎゃぁぁああああ!」




 浅井軍か、突如現れた謎の集団なのか、どちらからなのか分からない悲鳴がその場に木霊した。


 突然のことに驚いて長政も馬を止め、味方へ状況確認の指示を出す。




「何事だ!?」

「わ、わかりません! 急に、人が横から転がり落ちて……」

「潜んでいた敵兵である可能性は!?」




 わかりません、としか繰り返さない味方に「くっ」と苦悶の声をあげる長政。

 しかし突然現れた上に、見たところ鎧を着ていないようなのでどこの兵か皆目見当がつかない。

 いや、そもそも兵なのか?




「怯むな! まずは体制を立て直して隊列を戻すんだ!」




 このまま何も分からない状況でむやみに味方へ状況確認をさせるより、まずは敵襲かもしれない可能性を考えて長政は体制の立て直しを味方へ命じる。


 それと同時に転がり落ちてきた集団も続々と起き上がって周りをキョロキョロを見渡している。




「んあ? なんだ、ここは」

「さっきまで城のすぐ近くにいたはずなのに」

「おいどうなってんだぁ?」

「俺たちが見ていたのは城ではなかった!?」




 どうやら混乱しているのは相手側も同じようだ。

 敵ではないのか? と警戒を少し緩める長政。


 そんな優しさがきっと歴史で浅井家滅亡を招いてしまったのだろう。


 長政は静かに謎の集団に歩み寄って話しかける。




「お前たち、何者だ? ここは今戦場だ。無関係であるなら即刻立ち去った方がいい」




 鎧を着ていないことから民である可能性を考慮し、優しい言葉をかける長政。


 しかし相手にその優しさは届かず、むしろ鋭い視線を多く受ける。




「ああん?!」

「……おい、待て。こいつらの装備見てみろ」

「確かに……さっきまで行こうとしていた城の奴らより綺麗だな」

「こいつらのを剥ぎ取っていこうぜ、頭!」

「よくわからん状況だが、さっきのやつらより上物ってんなら選択肢は一択だ!!」




 謎の集団は一同揃って悪い笑みを浮かべると「うぉぉぉぉぉ!」と声をあげて浅井軍へ襲い掛かっていった。




「こいつら、山賊か! くっ、こんなときに……さっさと追い払って朝倉軍に合流するぞ!!」




 長政の掛け声に浅井軍も「おおおおお!!」と声を張り上げて山賊たちへ向かっていった。













 その様子を少し離れたところから見届けたおねねさま。

 うまくいったことに満足したのか、うんうんと首を縦に振っている。




「作戦成功じゃ。やれやれ、久しぶりに生身に戻った故、かなり疲弊してしまった。返すぞ、寧々子」




 そういうと眠らされていた寧々子が強制的にたたき起こされ、外に出る。




「うわっ!? え! 状況どうなったの!? ……うっ、なにこれ、体が重い、しんどい」


“ すまぬ。そなたが調整して体を動かしていることに気付かなんだ。今度うまい運用方法を伝授しておくれ ”


「まじかよ……。戦、終わったの?」


“ 浅井軍と朝倉軍の合流は阻止した。後は旦那様たちが朝倉軍を撃退できれば勝てる ”


「なるほど。なら、戻りますかね」




 意識がなくなる前からかなり変化した自身の体調に戸惑いながらも動こうとする寧々子。


 ふと下をみると、賊と浅井軍がせめぎ合っているのが見える。



 ただの賊とはいえ、戦を経験している浅井軍とあれだけ対等に戦える実力がもったいないな。

 あとでなにか手を打って勧誘しておこうか。



 などと、先のことを考える。


 しかし今は先のことより目の前のこと。


 重たく疲れ切った体を引きずって、寧々子は再び金ヶ崎城へと向かっていった。


読了ありがとうございます。

ブクマ・pt、よろしくお願いします!


突然状況が変わっても、変わる前よりいい状況だったら目の前の宝欲しさに方向転換しますよね、賊。


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