寧々子ターン:いざ、尋常に盤双六!
読んでくれてありがとうございます。ぜひブクマ・pt等よろしくお願いします。
これにて結婚回は終わります!
盤双六って、みなさま知ってますか?
実母・朝日殿とゲームで結婚問題を解決することになった私・寧々子。
妹・ややが用意したゲームは、盤双六というもの。
全く前知識がなかったので、ゲームを始める前に素直にややへ説明を素直に求めると、
「ねね姉上は室内の遊戯よりも外を駆け回る子でしたから知らないのも無理ありませんね!」
本物のねねさま、ほんとにやんちゃだったと実感する返事をいただきました。
ややはどこぞから用意してきた盤と白黒の駒を並べ始めながら説明した。
碁で使う板かと思いきや、違うものだった
横長の長方形盤で、盤上には真ん中に空欄の横列、それに分断された上下列にはそれぞれ十二個の縦長な欄――マスが描かれていた。
「盤双六とは一対一でやるゲームです。一人十五個の石が与えられ、これをどちらが先に自分の手持ち全てを相手の陣地にゴールさせるかで勝敗が決します」
「ふむふむ。内容は単純だね。コマの進め方は?」
「手前が自分の陣、上を相手の陣とみたとき、左回りに動かします」
「なるほど。基礎はわかった」
前世にあったバックギャモンというゲームの古式版だな。
バックギャモンは、どこで見つけたか知らないが弟の三吉が情報を得て数回やったことがある。
今が戦国時代であることが功を奏し、そこまで複雑なルールもないようだ。
これなら勝てそうだな。
「――詳細なルールは以上になります。質問はありますか?」
「あとはやってみないと分からない」
「ルールも知らなかった娘に負けるほど、愚かな母ではありません。この勝負、私の勝ちでございますね」
「まだ始まってもいないのにそう判断するのは早計ですよ、母上」
バチバチと私と朝日殿の間に火花が飛び散る。
「では母上、姉上、盤の前にお座りください。皆様はそちらに」
秀吉しかいないはずなのに、ややが皆さまなどというので気になって案内している方を向くと、いつの間にか秀吉以外に義父や義母、朝日殿についてきていた兄や実父、姉もいてとても賑やかな状態になっていた。
だからなんでねねさまの家は勝手に人の話を聞いて乱入してくるんだ。
呆れた顔で家族を見やると、最後に不安や焦りが入り混じった表情を浮かべている秀吉が目に入った。
秀吉が何か悪いことをしたわけではないのになぜそんな顔をするのか。
私が勝手に始めた親子喧嘩なのだから気に病まないでほしい。
そう思いを込めて軽く微笑みを向けておいた。
おっ、照れてる。
「では、始めますよ。先攻は……」
「ねねでよいです」
「分かりました。姉上、サイコロです」
ややからサイコロを受けとったあと、朝日殿と見つめ合う。
厳しい表情を浮かべる朝日殿に、負けぬ意志を伝えるようにこちらも鋭い目つきを向ける。
そしてすぐに盤上へ目を落とし、サイコロを振った。
カラン、と部屋中にサイコロと盤が接する音が鳴り響いた。
――結果、勝利をおさめたのは私だった。
遊戯を知っている時点で朝日殿が有利かと思っていたのだが、どうやらすごく苦手なのか失敗ばかりのコマ運びをしていた。
前世で三吉とやった経験も役立ったのかもしれない。
三吉は勉強ばかりやっていたが、ゲームができないわけではなくしかもわりと強い。
私が気になるキャラがいただけで買った戦略ゲームとか、早々に投げ出した私の代わりにすいすい進めてくれたこともあった。
ありがとう、弟よ。
「……約束は約束です。心底認めるつもりはありませぬが、一応の結婚を認めましょう」
「母上……」
「ですが、結婚まで時間があるはず。それまでにいい殿方を私が連れてきましたらお見合いには連れ出します」
ほんとに懲りない。
ならさっさと質素な式でいいからあげてしまおう。
「ねね殿!」
「藤吉郎様……わっ!」
喜んだ秀吉が飛びついてくる。
半泣きの顔を見せながら「よがっだあああああ」と鼻水を垂らしながら喜んでいる。
服が汚れる……と一瞬思考がよぎったが、まぁいいかと割り切ってよしよしと頭を撫でることにした。
こうして私と秀吉の結婚は決まり、それからそう経たずのうちに身内だけでひっそりと式を執り行った。
――そして、このときもう一つの運命が動き出していた。
バックギャモン
基本的に2人で遊ぶボードゲームの一種で、盤上に配置された双方15個の駒をどちらが先に全てゴールさせることができるかを競う。世界最古のボードゲーム。
こんなものが実は日本にはあったという驚きです。気になる人は調べてみてくださいね!
明日は諸事情で、22時自動更新となります!




