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レベルアップしました

初めての戦闘を終えた俺の頭の中に成長した事を告げるアナウンスが流れた。


「ゼルさん、レベルアップ出来たみたいです」


「成長補正の恩恵だな、普通レベルを1上げる為にはツインタートルなら10匹は倒さなければいけないんだが」


「俺の元のレベルが最低値の1だった事も関係あるんじゃないですか?」


「それも関係あるだろうがそれ以上にスキルの恩恵が大きいと思うぞ、戦闘職以外の人間、例えば農民や商人なんかは一生のうちレベル5まで上がる者は滅多に居ない」


俺は先程の戦闘での3つレベルが上がりレベル4になっていた。


「彼らも戦闘職には遠く及ばないが小型の魔物くらいなら生涯で何匹も倒す事になる、40年間現役でいると考えると10年でレベルが1つ上がるかどうかってとこだ」


先程まで咥えていた煙草の様な枝を捨て火を消しながらゼルさんは続ける。


「お前さんは俺がこのモク枝を1本吸い終わる間、時間にして5分くらいで非戦闘職の10年分の経験値を得たって事さ、自分のスキルの凄まじさがわかったか?」


そう考えると確かに恐ろしい効果だ、順調に成長できればどれ程の力を手に入れるか今の俺では想像もつかない。


「あ、レベルは3つ上がりました、後スキルも2つ習得出来たみたいです」


「スキルも習得出来たのか!?それにレベルが3つも上がっただと…?規格外にも程があるぞ」


「はい、身体強化と剣術の序を習得できました、他にはスキルポイントってのを27ポイント貰えたみたいです」


「その2つのスキルを習得する為に騎士団の新兵は半年間みっちり訓練を行うんだが…、ステータスはまだ確認してないな?俺も見せてもらっていいか?」


ゼルさんが何か呆れた様な口調で問いかけてきた。

うーん、人外への道を歩み出したような気がしてきた、羽とか角が生えたらどうしよう。


「メニューオープン」





【名前】ナカムラ=リュウマ

【レベル】4

【種族】人間

【年齢】17歳

【バディ】サヤカ=ブラネスカ=ローネスト

【称号】

異世界の社畜

異世界の核

死神の契約者

神々の祝福を受けし者

破壊神を退けし者

【習得スキル】

(序)ストレージ 、鑑定、剣術、身体強化

(覇)生活魔法

(究)幸運

(神)神々の祝福

残ポイント:27pt

【能力値】

生命力 30

精神力 35

攻撃力 9

防御力 7

魔法力 7

魔抗力 6

速力 8






おおっ!だいぶ成長できている、特に生命力と精神力の成長が著しい。


「やはり能力値の成長も異常に高い、レベルが1上がる毎にいずれかの能力値が1〜2上がるくらいだがお前さんは昨日に比べて全ての能力値が2〜3倍になっている」


それなんて◯王拳?


「確かにレベルアップしてから身体が軽いっていうか力がみなぎっている様な気がします」


「そうだろうな、レベルアップした直後は妙な高揚感がある、お前さんの成長にまだ頭がついていってないんだろう」


「少しボーっとした感じがあります、嫌な感じでは無いんですけど」


「すぐになれるさ、スキルポイントも大量に獲得できてるな、確かツインタートルで手に入るポイントは2〜3ポイントだった

筈だがな」


俺のステータスボードには27の獲得ポイントが表示されている、ゼルさんの話と合わせて考えると通常の10倍近いポイントを獲得出来たようだ。


「スキルポイントはメニューボードのスキルの項目からスキルを習得したり今持っているスキルの強化に使える、人によって消費するポイントや習得できるスキルはまちまちだがな、ちょっと開いてみろ」


言われるままにスキルの項目を開きズラッと並んだスキルを確認する


「幾つか習得出来るスキルがあるみたいですがどうしましょう?」


「全体的に必要なポイント数が少ないな、この四元素魔法が50ptで習得できるなんて余程魔法の才能がある奴位だ」


ゼルさんが指さした辺りを見ると火、水、風、地の四つの魔法が並んで表示されていた。


「どれか習得したらどうだ?近接戦闘はさっき習得した剣術があるから遠距離攻撃の手段があればグッと戦いの幅が広がるぞ」


「そうします、1、2匹魔物を倒せれば習得出来そうですし」


ツインタートルの使っていた水球の様な攻撃手段が有れば離れた敵を一方的に攻撃できたり先制攻撃に使えたり戦闘を有利に進める事が出来るだろう。

それに魔法って言葉は封印された俺の厨二心をくすぐる、昔考えた詠唱が遂に陽の目を見るときがきたかもわからんね。


「そうと決まればホレ、あそこ」


ゼルさんの指さした方を見ると先程より一回り大きなツインタートルがのそりと茂みから姿を現した。


「いってきます!」


俺に迷いはない、少しの迷いが動きを鈍らせる、ヤツらはその隙にこちらを攻撃してくるだろう。


身体強化スキルとレベルアップの効果か身体が軽い、俺の接近に気づいたツインタートルは水球で迎撃しようとするが遅過ぎる!


「悪いな」


先程とは違い体が剣の使い方を理解しているようだ、2つ並んだ首を狙い横薙ぎに一閃、宙を舞った首はボトボトと僅かな時間差で地面に落ちた。



『経験値を習得、レベルが2上がりました。』

『スキルポイントを30獲得しました。』


成長を知らせるアナウンスが頭に流れる。


「さっきの戦闘とは別人だな、見事だったぞ』


「ありがとうございます、スキルポイントは溜まりました、レベルも上がったみたいです」


「よし、ひとまずここまでにして家に帰るか、サヤカちゃんも待っているだろうしな、悪いがツインタートルをストレージに入れてもらえないか?」


ストレージの使い方はなぜか初めから分かっていた、剣術スキルの様に習得すれば自動的に頭が理解する様だ。


2匹のツインタートルをストレージに収納し来た道を戻る、ゼルさんの話だと魔物の肉は動物より美味いものが多くツインタートルの肉はこの辺りで採れる肉の中でも上位に入るそうだ。


見た目が少しアレだが元の世界でもすっぽん鍋とかあったし多分平気だろう、問題はサヤカがどう思うかだが…。


ゼルさんは料理が好きみたいでツインタートルの調理法を話し合っている内に家に帰り着いた。


ストレージからツインタートルを取り出すとそのままゼルさんは裏の井戸へ下拵えに向かう、申し訳ないと思い料理の手伝いを申しでたが


「素人は料理の邪魔になるから部屋でまってろ!!!」と一喝され退散したのだった。


あれは鬼だ、普段温厚なゼルさんとは思えないような豹変だった、鬼や、料理の鬼や。


すごすごと家に逃げ込むとサヤカが眠そうに出迎えてくれた。


「ふぁ〜、お帰りなさい、荷造りもすぐに終わってやる事ないんでずっとダラダラしてました〜相変わらず破壊神の反応も有りませんし」


「お疲れ様、ゼルさんとツインタートルって魔物を狩って来たんだ、見た目はアレだけど味はいいらしいんで良かったら食べないか」


ガタッとサヤカが立ち上がり目をキラキラさせている。


「ツツツ……ツインタートル!!幻の高級食材じゃないですか!見た目!?そんなものお腹に入ればどうだっていいんです!ステーキですか!?それともやっぱり煮込み!?新鮮ならお刺身でもイケますかね!?」


よだれを垂らしながら興奮したサヤカが俺の胸ぐらを掴み揺さぶってきた。


「お、落ち着いてくれ、裏の井戸でゼルさんが解体してるから相談し…」


「ゼルさーん!お刺身ってできますかー!!」


言い終わる前にとんでもねー勢いで叫びながら駆け出していくサヤカ。


「素人がプロの仕事に口だしてんじゃねぇ!!!」


鬼の咆哮が鳴り響いたのはそれからすぐの事であった。

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