表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒雲の剱(旧ブログ版ベース)  作者: サッソウ
第4部 扃鎖軍篇
52/91

第49章 爆轟の剱

 扃鎖軍(けいさぐん)の侵攻は、本格的に神託の国へ。黎明劔隊(れいめいつるぎたい)の本部は爆撃により倒壊。侵攻による死傷者の数は不明。事態は最悪だ。

 ポルラッツは崩れゆく本部を駆け、カクゴウに

逢魔劔隊(おうまつるぎたい)は飛行船を出す。黎明も飛行船か飛行機ぐらい用意しているだろ!?」

「しかし、どこに避難する?」

「避難だ? 攻撃の間違いだろ。まだ侵攻は全土に及んでいない。止めるなら、もう手段を選んでいられない。貴様の言う話し合いなど、もはや夢物語だ。いい加減、現実を見ろ。なんなら、黎明を傘下に入れてやってもいいぞ」

「それは断る。しかし、戦力を温存しているような余裕は無くなったな……。全力で迎え撃つしかないのか……」

 黎明劔隊ならびに、逢魔劔隊が完全対抗の体勢を取り、扃鎖軍へ反撃を行うことになるが、戦闘は長期戦となる。


 各国が扃鎖軍との戦闘を繰り広げ、ひとつの疑問が生まれる。なぜ、扃鎖軍はこれほどまでの戦力を生み出すことが出来たのか。少なくとも、扃鎖軍の兵士は人間ではない。”オンブル”と呼ばれる生命体である。ゼルやメルードとは、全く異なる。

 オンブルは、人の形をした人工生命体らしく、その制御はどのように行われているか不明。AIなのか、脳のような何かなのか……。さらに、多数の空中戦艦が展開しており、爆撃はその空中戦艦からの攻撃である。

 各国の状況は、次の通りである。杳然(ようぜん)の国は、山岳地帯であり霧の発生も多い。そのためか、扃鎖軍の飛行戦艦が高確率で山に衝突する。また、その衝突や爆撃により山崩れが多数発生している。

 亀玉(きぎょく)の国と鶴歩の国は、一時は侵攻されたものの、戦争経験がどちらもあるため、扃鎖軍の侵攻を防ぎ、空中戦艦を数隻ほど撃沈させている。

 發達の国は、半分の国土を扃鎖の国に侵食され、甚大な被害が出ている。砂漠の国は、ほとんどが砂漠地帯であり、警備もあまり行っておらず、どんどん扃鎖の国に領地を奪われている。

 離亰の国は、元扃鎖の国の地下通路を封鎖し、被害は少ないが谷閣はまだ架かっておらず、不安な状態である。

 そして、他国からの避難を受け入れている陽光の国では、神託の国から移動したブレイヴ一行や黎明劔隊の部隊が展開している。

 ハンフリー、アンリ、レクト、ライクルは、黎明劔隊として、南からの扃鎖軍の侵攻を阻止している。ちなみに、南とは神託の国である。ブレイヴ一行は、東からの侵攻を阻止。東は杳然の国である。オンブルは、人の形をしているとは言え、顔や指、関節がない。まるで黒いバルーンのようである。

 カクゴウやヤミナ、ポルラッツ、ナードは各国へ向かうもオンブルとの戦闘を繰り返すだけで、親玉の情報を得られない。

 そんななか、各国への爆撃は止まらず、日に日に被害が拡大していく。


 陽光の国、東部。ブレイヴは迫ってくるオンブルを何度も斬るが、倒しても倒しても、湧いてくる。

「このままだと、俺たちのほうがへばっちまう」

 と、チームで一番長身のレッグは、剱を振りながら、袖で汗を拭う。すると、チームで一番背の低い少年、フューラーは

「なに? もう諦めるの?」

「うるさいな。俺の方が倒してる数は多いからな」

「ちょっと、喧嘩してる場合じゃないでしょ」

 と、同い年の少女、ミールがオンブルに向けて弓を射る。どうやら、彼女は珍しく射手のようだ。

「ここを突破されては、陽光の国に避難した人々を守りきれなくなる。全力で当たるぞ」

 ブレイヴは何事にもまっすぐで、かつ全力である。次第に、勇者だと言われることが多くなったが、だからと言って、考えや行動は変わらない。そんな彼を見て、仲間達はともに戦う。理想的なチームワークである。

「オンブルが無限に湧きすぎて、いつまでたっても、きりが無いな。ブレイヴ、そろそろ策を考えないと」

 レッグの言うとおり、終わりが見えない。レッグは、長身を生かしてなるべく動きを少なくし、体力の消耗を少しでも減らそうとしている。

 しかし、策と言ってもこの危機的状況を打開するのは困難である。


    *


 天地の神殿。ハクリョは筆を執る。時々、自分の髭を左手で撫でながら、3枚の紙に書き終えて、封筒に入れる。

「事態は深刻であろう。このままでは、取り返しの付かないことになる。さて、許可が出るかどうか……。他の(あるじ)も、この(いくさ)に関与するだろうか……」

 テーブルの蝋燭の火が風で揺れる。この国々の終わりが、近づいているのかもしれない。ハクリョは封筒を持って、機械に近づく。電源を入れると、土台が水色に光を発する。一種の転送装置である。封筒を機械の上に置き、土台のスイッチを押すと不透明なカバーが閉じる。しばらくすると、カバーが開き封筒が消えていた。

「さて、返事がいつくるやら……」


To be continued…

ブログ掲載当時から、この辺りはかなりストーリーを削ってます。

と言うわけで、ハクリョ以外の主は、ここでは登場せず、後ほどと言うことで。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ