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正しい聖女さまのつくりかた  作者: みるくてぃー
第2章
68/81

5話 喧嘩 のち 生徒会長 いえ武闘派です

サブタイトル変更しました。

私、ルテア・メネラオス・エンジウムはただ今大変な事態に遭遇しています。

いや、私たちにとってはよく見かける光景なんですが他の方、つまり居る場所に問題が・・・。


大変な事態というのは数分前、お騒がせ編入生ご一行様と模擬試合という名の決闘が決まり、負けた方が勝った方の約束を二つ叶えることに決まったんです。そう二つ。

私達が勝った場合、今後一切レガリアを侮辱しない事と、ミリィ様に対しての比例を謝罪すること。

一方負けた場合、ジーク様とアリスちゃんは今後ドゥーベ編入生達の言う事を聞くこと。


そして現在、ドゥーベ編入生達が高笑い(主にバカ王女)しながら去っていったカフェの一画で、アリスちゃんとミリィ様の大喧嘩が始まってしまったのです。

大勢の生徒が見守るカフェの中で!アリスちゃんの立ち位置は秘密だったよね!王女様と対等に喧嘩してる侍女って普通いないから!


「何考えてるのよアリス!」

「それはこっちのセリフだよミリィ!」


喧嘩の原因は言わずもながらお騒がせ編入生との試合、ミリィ様曰く、アリスちゃんが賭けの景品?に自ら名乗り出る事になったしまった事に対してのお怒り、一方アリスちゃんはミリィ様が自ら決闘?の三人目に名乗りを上げた事に対して怒っております。

まぁミリィ様の場合、ご自身の名誉の為にアリスちゃんが危険な目に合ってるのが許せない部分が多いとおもうんだけどね、アリスちゃんミリィ様の事大好きだから。


要はね、お互いが大事すぎて怒ってるんですよ、もう一度言いますが、この光景って私たちには珍しくなくて、リリスちゃんなんて「やれやれ、またですの」なんて言って優雅にお茶を飲んでるんです。

呑気にお茶飲んでないで一緒に止めてよ!ジーク様も他人のフリしないでください!


「おいおい、ちょっと落ち着けよ。」

「お二人ともここではちょっと・・・」

「「二人は黙っててて!」」

アストリア様と一緒に止めようとしたけれど、やっぱり無理でした。しゅん。


二人ともかなりヒートアップしちゃってるから気付いてないかもしれないけれど、今ものすごく注目されてるんです!視線が痛いんですよ!


知らない人から見れば王女様とスチュワートからの編入生との喧嘩、アリスちゃんってスチュワート時代から学園社交界で音楽隊に選出されたり、前生徒会長と副会長から気に入られたり(前生徒会長からしたら可愛い妹だからね)で、密かにヴィクトリアでは有名だったりするんです。

おまけに王妃様とティアラ様が可愛がり過ぎて、日焼け厳禁!肌は透き通るぐらいの白さに、ぷにぷにのほっぺ、髪はサラサラな上、子供の頃から染み付いた動作の一つ一つがね、何て言うか、コンチクショーってぐらい可愛いんですよ!

おまけにあの性格ですよ!無自覚に何でも信じちゃうちょろい性格、コホン、純粋な天然さん(褒め言葉だからね!)なんです、リリスちゃんなんて時々こっそり餌付けしてミリィ様から白い目で見られてるぐらいなんですから!なんて羨ましい!はぁはぁ


隣からリリスちゃんがハンカチを貸してくれました。

「ルテア、よだれ。」ぼそっ

はぅ、私としたことが淑女にあるまじき失態を。

と、とにかく早く止めないと、このままではアリスちゃんの可愛さがバレて・・・コホン、変な噂が流れていまいます。


「あ、あのね二人とも、ここは・・・」

「「ルテア(ちゃん)はだまっててて!」」

「は、はい!」

ごめん無理ぃ〜!

リリスちゃんが頭をなでなでしてくれます。私頑張った!


「そもそのあなたが悪いのよアストリア!」

「そうです、アストリア様がバカ王子を挑発するからこんな事になったんです!」

「な、何で俺が悪いことに・・・」


「アリスが悪いとでも!」

「ミリィが悪いというんですか!」


あ、あれ?いつの間にかアストリア様のせいになってませんか?アストリア様涙目ですよ。

それにアリスちゃん、バカ王子って大勢の前でそんなハッキリと、まぁ、ここにはもう居ないのでいいんですが、周りで様子を伺っている生徒さんがお腹を抱えて笑ってますよ。

あっジーク様もお腹を抱えて小刻みに揺れています。


「とにかく!アストリア様とジーク様には責任を取っていただきます!」

「俺もか?」

いきなり同罪にされたジーク様、困った顔をされてますが、さっきまで他人の振りをされていたんですから私達の平穏を取り戻すために諦めてください。


「お二人が負けるとは思いませんが、必ず勝ってミリィまで回さないでください!」

「心配しなくても私も戦えるわよ。」

「ミリィは黙ってて!」

「は、はい!」

もう、結局ミリィ様はアリスちゃんに弱いんだから。


アリスちゃんって見かけによらずものすごく頑固なんです、お二人が喧嘩した場合、最終的に折れるのはいつもミリィ様、そして翌日にはいつも通り仲良くしてるんだから、あの喧嘩はなんだったの!ってことはしばしば。

リリスちゃんもその事を知っているから隣で呑気にしてるんですよ、もう。


「まぁ、大丈夫だって、俺とジークが負けるわけないだろ?」

「分かってますけど・・・何かいろいろごめんなさい。」しゅん

アリスちゃんもどうやら落ち着いてきたみたいで、アストリア様とジーク様に謝っておられます。


「ところでお二人とも、この現状をどう納めるおつもりで?」

「「えっ?」」

リリスちゃんの一言でようやく周りに気付いたのかアリスちゃんがワタワタしてます。あっなんか可愛い。

かなり大声で言い争ってましたからね、カフェにいる全員からのチラ見ではなくガン見ですよ。


「何で止めてくれなかったのよ」ぼそっ

ミリィ様が私たちに抗議をしてきますが、それを今頃いいますか!


「止めましたわ。(主にルテアが)」ぼそっ

リリスちゃん呆れながら言ってるけど何もしてないよね!?


「取りあえず逃げるか?」ぼそっ

アストリア様の素敵な提案に全員一致で逃走しようとした時。


ボコッ!

「「イテッ!」」


「逃げるな!この馬鹿者どもが。」

そこに立っておられたのは本年度の生徒会長。

前生徒会長のエリク様を静とするなら、本年度の生徒会長は動、ヴィクトリア学園内では右に出る者がいないと言われている程の剣の達人さんなんです。


「何すんだよ兄貴」

「お前らが騒ぎを起こすから呼び出されたんだろうが。」

余程痛かったのか、お二人とも頭を押さえて涙目になられてます。


「この度は愚弟が騒ぎを起こし申し訳ございませんミリアリア王女、一先ひとまずお話を伺いたいので生徒会室までご一緒いただけますか?」

「分かったわ。」


「この場は生徒会が取り持つ!騒ぎの原因を確認し公平に処分を下す、よってこれ以上の混乱を防ぐためにこの場の事は一切他言とする、以上だ。」

生徒会長の一言でカフェ内が一気に静まり返りました、さすがは武闘派と恐れられている方だけはあります。




「ったく、初日から余計な揉め事を起こしてくれるな。」

「すみません。」しゅん

場所を生徒会室に変え、話を聞き終えた生徒会長は先ほどまでの礼儀正しい話し方から一変し、アリスちゃんは反省してるのか小さくなっています。

しかし今年の生徒会長、お会いしたのは初めてですが、良い意味でお噂通りの豪快な方ですね。


「いやいや、アリス嬢の事ではありません、あの編入生達の事です。俺がその場にいればもっと武力的穏便に収められたんですが。」

いやいや笑顔で言ってますが、武力的穏便って武力が出たところですでに穏便じゃないですから、いない方が良かった感じがするのは私だけですか?


「兄貴まさかあいつらからの決闘を止めろとか言わないよな。」

「誰が止めるか、代わりに俺が出たいぐらいだ、いやむしろ俺と代われ!」

さすが武闘派と言われた侯爵家のご一家、ご兄弟共に性格がよく似てらっしゃるみたいです。


「あの〜お話し中すみません、生徒会長とアストリア様って・・・」

「あれ?言ってなかったけ?」

「アリス知らなかったの?アストリア達のお父さんにはいつもお世話になってるじゃない?」

「そうなの?」

「そうよ、いつもお土産に珍しい茶葉をもらってるでしょ?」

「茶葉って・・・もしかして騎士団長様?」


「そう言えばまだ名乗っていませんでしたね、俺はサイネリア公爵家子息、ローゼリア・スザク・サイネリア、国内軍部を司る白騎士団長セネジオ・スザク・サイネリアの次男です。」

次回 6話 「ヒョロ男 VS 筋肉ゴリラ」

金曜日更新予定です。

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