31話 温泉に入ろう
「おんせんだぁ〜!」
開口一番に飛び出したのはユリネさん、最近分かったんですが、メンバーの中で一番活発で元気な方なんです。温泉に入る前に服はちゃんと脱いでくださいね。
「これが温泉ですの?」
「アリスさん・・・大丈夫なんですか?そのあまり良い匂いでは・・・。」
「何言ってるんですかリリアナさん、これがいいんじゃないですか!」
リリアナさんのセリフにココリナちゃんが真っ先に反応します、初めて温泉の匂いを嗅ぐとそう思いますよね。なんというか錆びた匂い?私も初めての時は抵抗ありましたから。
「大丈夫ですよ、私も最初は戸惑いましたが、美容の効果はバッチリです!」
「もたもたしていたら置いてくわよ。」
そう言ってミリィが一人服を脱いでいきます。
「ミ、ミリアリア様!お、お肌が!」
「ん?裸にならないと湯船に浸かれないでしょ?」
「「「えっ!?」」」
裸に反応されたのは言わずとしれた貴族シスターズ、普通のお屋敷では一人用のバスタブに、一人づつ入るのが基本ですからね、人前で裸になる事なんてほとんどありませんから。
平民シスターズとプリムラさんは、下町の大衆浴場の事をご存知だから、当然と思われているみたいです。
「うふふふイリアさん、さぁ、ぬぎぬぎしましょうねぇ〜。」
「ユ、ユリネさん・・・お、お顔が怖いですわ・・・って、ココリナさん、あ、お待ちになって!」
イリアはユリネさんとココリナちゃんに任せておけばよさそうだね。じゃ私は。
「さぁ、皆さんもパパっと脱いじゃいましょうねぇ〜。」
「ア、アリスさん、じ、自分で脱げますから!」
リリアナさんとパフィオさんは、なぜか怯えた顔で自ら服を脱ぎ始められました。ちぇっ。
「おやめになってぇ〜」
あっ、イリアはまだ抵抗してたんですね、でも半脱ぎの状態なのでちょっとえっちぃ〜ですよ。
「ん〜、この解放感がいいのよね〜。」
「だよねぇ〜。」
「たまんないねぇ〜」
平民シスターズは温泉を優雅に堪能されているご様子。
「これは思っていたのと違い、とても気持ちがいいですわ。」
「そうですね。体の底から温かくなる感じがしますわ。」
「でしょぉ、こうやって皆んなで入るのも、たまにはいいでしょ。」
イリア達も気に入っていただけたようで、お湯の中で手足を広げたりされています。
「じぃ〜〜〜〜、リリアナさんちょっと触らしてもらっていいですか?」
ユリネさんがリリアナさんに近づいてじっとお胸を見つめています。
「えっ!?な、何をですか・・・?」
両手をうにうにして近づくユリネさんに、危険を感じたのか後ずさりながら両手で胸を隠しておられます。
「決まってるじゃないですか!」
「ひっ!」
「あの、私も触ってもよろしいでしょうか?」
「えっ、イリアさんまで!?」
「リリアナさんのそのメロンは反則ですよ!」
「意味がわかりませんわ!」
リリアナさんって着痩せするタイプだったんですね。そしてユリネさんはおっぱい揉み魔、イリアに至っては興味深々っといったところでしょうか。だってお湯に浮いてるんだもん。
「なんだか皆んな楽しそうだね〜。」
リリアナさんがユリネさん達の魔の手に掛かっている横で優雅に温泉を堪能しちゃいます。
「アリスの胸は残念だからね。」
「ミリィに言われたくないよ!」
「あら、私は小さいのも好きよ。うふふ」
「「・・・・・・ええええええええええ!!!!」」
「どうされ・・・・・ひぃ!」
「ななななななんでいるんですか、お姉様!!」
またまた気配を消して現れたのは第一王女様ことティアラお姉様、いやいや、気配消すにも限度があるでしょ!どれだけ隠密スキル高いんですか!!
「うふふ、こんばんわ。」
「うふふ、こんばんわ、じゃないですよ!いったいどこから湧いたんですか!」
「あらやだ、お姉ちゃんに沸いたなんて、どの口が言うのかしらねミリィ。」
「ひぃ」
ミリィが完全に怯えて私の後ろに隠れちゃいました。他の皆んなも驚きすぎて端の方に固まっておられますよ。
「あの、お姉様、いったいいつお着きになられたのですか?」
浴場に入るまでは確実に建物の中にはおられなかったはずなんだけど。
「ここの港町に用があってね、お昼過ぎにはこちらには着いていたのよ。」
街ですか、街におられたということは、ご公務なんでしょうか?何もお聞きしていなかったのですが。
「ア、アリスさま、やはりティアラ王女様ですの?」
イリアが怯えながら聞いてきます。私の呼び方が様になっているんだけど、本人はそれどころじゃないんだろうなぁ。私もさすがに驚いてるから。
「うん、私たちのお姉様だよ。」
「うふふ、はじめまして。」
その後、私とミリィとお姉様で洗いっこしたり、ユリネさんがリリアナさんの胸を揉みほぐしたり、イリアがココリナちゃんの毒牙に掛かったり、カトレアさんがのぼせたりと後半はカオス化しながら温泉を堪能しました。
あれ?みんな疲れてない?
「わぁ、これお魚ですよね!食べるの初めてです。」
温泉から出てダイニングルームに着くと、侍女さん達が作ってくださったお料理がぞくぞくと並びます。その一つのお皿にユリネさんが釘付けになっておられます。
「私もこんな状態のお魚は初めてです。内陸部の街では輸送時間の問題で干物しか出回りませんから。」
「ここは港町だから、野菜や肉類よりお魚のほうが安いそうよ。」
プリムラさんのお家はお店をされている流通には詳しいんですね、ミリィが言うようにこの辺りは漁が生活を支えていますから。
「そういえば、今日お姉様はこちらにお泊りになるんですよね?」
「ええ、明日の朝にはお母様がおられる領館に、もどらなければいけないから。」
「あの、お部屋なんですが、私達と一緒でもよろしいですか?」
皆さんで振り割っているので空いている部屋がないんです。
「あっ、申し訳ございません、私達がお部屋をお借りしてしまったから。」
「うふふ、いいのよ。こんな機会はあまりないから、今夜はたっぷり妹エキスを堪能させてもらうわ。」
何ですかそれ!皆さん複雑なお顔をされていますよ。
「そうそうお土産があるのよ。このあと私達の部屋へ集まってね。」
お土産ですか?なんでしょう、港町におられたのでしたら外国の珍しい食べ物とかかなぁ?
「パフィオさん、アリスを捕まえておいて。さぁ、入って。」
食事を終え、私達の寝室に着いたんですが、お姉様が意味の分からないことを言ってこられました。
なんで捕まえられなければいけないのでしょうか?パフィオさんもよく分かってないご様子ですが、お姉様のご命令ですから、私の両肩をガシッと掴んでこられます。
「わぁなにこれ!」
「すごいですわね、こんなの見た事ありませんわ。」
「これ可愛い!」
みたことない?かわいい?・・・・それって・・・、何か悪い予感しかしませんよ!
「さぁ、アリス。うふふ」
部屋の中は想像通りの光景が広がっていました。つまり色とりどりの変わった衣装の山が・・・。
どこかの学校の制服から、水着のような服まで、あれなんて胸元が開いてるじゃないですか!
「姉様わざわざお城から持ってこられたんですか?」
ミリィが不思議に思うのも結構な量があるんでよ、わざわざ別荘までもって来なくても、お城で着せ・・・す着替えればいいんじゃないかな。
「これは頼んでいた物が今日港に着くと聞いていたから、どうせなら可愛いアリスを早く見たいじゃない?」
なにやってるんですか、港町にいたのは公務じゃなかたんですか!
「こちらはアリスさんのお衣装なんですか?」
「姉様はアリスの着せ替えを生きがいにしているから。」
「まぁ、それは素敵なお趣味ですね。私も以前からアリスさんを着飾ってみたいと思っていたんです。」
リリアナさん?先ほどの仕返しとか考えてませんよね?
「あらいいわね、私もそう思っていたんですわ。うふふ」
イリア顔が怖いよ。
「アリスさん逃げれませんよ?」
パフィオさんが私の背後から言ってきます。怖いですから!
「うふふ、さぁ皆んなでアリスを脱がしてあげて。」
「にゃぁ〜〜〜〜!」
お姉様の合図で皆んなに服をすべて脱がされ、あれやこれやと深夜まで着せ替えタイムがつづきました・・・。
以外とノリノリだったのがイリアとリリアナさん、お二人の中で何かが芽生えたみたいです。
もうお嫁にいけないよ。ぐすん。