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正しい聖女さまのつくりかた  作者: みるくてぃー
第1章
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28話 事件の後日談その2

「先日アリスを連れ出そうとした生徒だが、一人は商会の息子で、もう一人はクリスタータ家次男のセロジアだった。」

「えっ!?それってイリア様の・・。」

「はい、我が息子にございます。」

これはいったどういう事なんでしょうか?イリア様のお兄さんがなぜ?ますます意味が分からなくなりましたよ。


「つまり、そこにいるイリアが兄のセロジアに頼み、アリスを襲えと頼んだらしい。」

「えっ!?」

お兄様、今なんて言いました?イリア様が私を襲えと頼んだ?ちょっとまってください、さすがにこれはショックを隠せません。でもどうして・・・。


「私はイリア様にそれほど恨まれていたのですか?何度か言い争いのような事はしましたが、私にはこれほどまで恨まれる覚えがないのです。イリア様、私のどこがいけなかったのでしょうか?」


「そっそれは・・・。」

イリア様は一言だけ言って、下を向かれてしまいました。


「アリスさん、この度の事は我々が甘く育て過ぎた為、起こしてしまった事件でございます。すべての責任は父親である私が責任をもって対処させていただきます。我が子達が犯した罪をどうか許していただきたい。」

男爵様にそこまで謝罪をされても・・・、それより先に気になるのが。


「クリスタータ様、頭をお上げください。お聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」

「私がお答出来る事でしたら。」

「セロジア様はどうされたのでしょうか?」

私が気になったのがこの場にいないセロジア様、イリア様はおられるにお兄さんがいないのは不自然じゃないかと思ってたんです。


「セロジアは現在行方が分かりません。」

「行方が分からない?一緒に暮らしておられるのではないのですか?」

「我領家の不出来を晒してしまうのですが、昨年妾の妻と領地経営の関係で離縁をし、現在イリアと二女のアノダ、そしてセロジアとは一緒に暮らしていないのです。」

「今回の件をエリクシール様より伺い、すぐにセロジアを尋ねたところ、数日前から姿を消しており行方が分からなくなっていたのです。」

「それは心配ですね。無事だといいのですが。」

家出なのでしょうか?それでは学校にも来られていないということですよね?


「今回の件で二人の退学が決まったからな。」

「えっ!?お兄様、それはあまりに酷いのではございませんか?私は別に被害を受けたわけではございませんし。」


「お兄さん?失礼ですが、アリスさんは。」

あっいけない、退学と聞き驚いてしまったのでついお兄様といってしまいました。


「男爵、今この話は関係ないのでは?」

理事長さんがフォローしてくださいました。王国経営の学園ですから、もしかして私の事もご存じなんでしょうか?


「申し訳ございません。失言でした。」

「分かっているとは思いますが。」

「はっ、心得ております。」


「アリス、二人の退学は今回の事だけではないんだよ、今まで何度も問題を起こしていてね、前回事件を起こした際に忠告はしておいたんだよ、次は無いとね。」

「そうだったんですね」

理事長も分かっておられる様子なので仕方がないのでしょう。私が口を挟める問題でもありませんし。


「・・・それで、イリア様は?」

「娘は別の学園に転校させます。」

転校!?


「待ってください!いきなりそれは酷いのではございませんか?今のお話でしたらお兄さんのセロジア様の場合、何度か問題を起こされていたみたいですが、イリア様は初犯ということですよね?転校はご本人も納得されているんですか?」

私が突然声を張り上げ、男爵様に差し迫ったのに驚いたのか、皆さん私の方を向き唖然とされています。

ですが、ここで引くわけにはいきません。言いたいことは言わせていただきます!


「イリア様、いえイリア、あなたはそれでいいんですか?プリムラさんやユリネさんと仲良くされていたのは表面上だけですか!私に言いたいことがあるんでしたら、私に直接ぶつけてください。・・・このままお別れとか・・・嫌ですから。」ぐすん。


「・・わ、私は、あなたの事が嫌いです!私に見向きもしないのに、あなたは一人で目だって、お友達だっていつの間にかたくさんいて、それなのに自分は特別な存在じゃないって・・・、王女様だって事もずっと隠していたじゃないですか!」


「・・・・へ?」

「・・・・えっ?」

今なんて言いました?王女様?私が?ん〜、なにか壮大に勘違いをされているみたいですね。


「イリア様、勘違いされていうようですが、私は王家の人間じゃないですよ?お父様・・、国王ご夫妻に育てていただいておりますが、普通の平民です。」

「・・・・そっそんな訳ありませんわ!だってエリクシール様だって、ミリアリア様も。」


「イリア、アリスの言っている事は本当だ。アリスの両親が父上や幼かった僕たち兄弟を庇って亡くなっていてね、身寄りのいないアリスを僕たちが引き取ったんだよ。もともと赤ん坊の時から一緒にたけれどね。」


「イリア様はどうしたいのですか?このまま転校してもいいと思っているんですか?」

「私だってこの学園に残りたいですわ、ですが、お父様のお決めになられた事は、覆せませんわ・・・。」


「勝手に決めつけないでください!覆せないのはご自身が勝手に決めつけているのではないですか?ちゃんとお話しをされましたか?話されて覆せないのなら、私も一緒にお願いしますから、だから諦めないでください。」

「アリスさん・・・。」


「父上。」

「なんだか、我々が悪者になっているな、悪い気分ではないが。アリスさん、娘を許していただけるのでしょうか?」

「そんなの決まっています。イリアは友達ですから。」




その後イリアさんは学園に残る条件として、事件の罪を受け一週間の自宅謹慎を言い渡されました。

話がまとまった後、他の皆さんは理事長よりお話しがあるそうで、私だけ先に教室に戻る事となりました。

これでひとまず事件終了ですかね?


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