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正しい聖女さまのつくりかた  作者: みるくてぃー
第1章
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1話 入学しました!

いよいよ学生編となります。

序章は説明が多い為、本編からでも楽しんでいただけるよう、1話目は軽く登場人物の説明を加えております。

私ことアリス・アンテーゼは、幼馴染のミリアリア・レーネス・レガリアと一緒に朝食をとる為、侍女さんに連れられお父様達が居られるダイニングへやってきました。


「「・・・・・。」」


扉を開けるとそこにはいかにも『怪しい人』が居ました。


「「 誰? 」」

私とミリィの声が見事に重なったのも必然と言えます!

だってそこにはスカーフを頭から被り、顔には色眼鏡とマスクを着け、地味だけどいかにも高そう!と思われる上品なワンピースを着た女性が・・・って!


「「(お)母様!?」」」

「うふふ、どうかしら?」

どうかしらって、めちゃくちゃ怪しい人なんですが!!!


「あのぉ~、どうしてそのような(怪しい)お姿を?」

なぜか嬉しそうにそのお姿をアピールしているので、思わず聞いてしまったのですが。


「アリスの入学式に行くための『変装』だそうよ。ふふふ。」

そう答えてくださったのは4つ年上のティアラお姉様。

あれは変装だったんだ・・・、逆に目立つ気がするんだけど・・・。


今日から私は立派な侍女になるべく、スチュワート王立専門学園に入学するんです!

この日の為にお母様から毎日毎日ダンスや礼儀作法、テーブルマナーなんかを学んできたんです!私、頑張りました!


一方ミリィは貴族様や商人さんなど裕福なご令嬢様やご子息様が通う、ヴィクトリア王国学園に入学します。

この二校は姉妹校として王国が管理する学園で、共に同じ敷地内にあるんです。敷地面積は当然違うんだけどね。


あっ、さっきから言っているお母様やお姉様は、実は私の本当の家族じゃないんです。

私の両親は6年前に亡くなていて、身寄りのない私を引き取り育ててくださっているのが国王様ご一家なんです。

お母様って呼んでるけど、その正体はなんとこの国の王妃様なんですよ!


本当の家族のように大事にしていただいているんですが、私の行くスチュワートは一流の執事や侍女を目指す人が通う為、その大半の生徒は平民出身が多いんです。

そんな入学式に行く為、王妃だと分からないように変装をしようと考えたそうでが・・・。


「母上、そのお姿は逆に目立つのではないですか?」

エリクシールお兄様がフォローしてくださいます。さすがですお兄様!唯一の常識人!あっ、いえ何でもないです。


「あら、そうかしら?どうでしょうか陛下。」

「うむ、似合っていると思うぞ、これならフローラだとはわかるまい。」

「もう、あなたたらぁ。ふふふ」

朝から2で見つめあってラブラブっぷり全開です!

そうじゃなくて、お父様バレるバレない以前に怪しすぎますって!

様子を見ていたお兄様もこっちを向いて無言で私に手を合わせて謝ってるよぉ、お兄様は悪くないからね!


「アリス、時には諦めも肝心だよ。」ボソッ

「うぅ、他人事だと思ってぇ。」ボソッ





そしてこれと言った対策もないまま只今学園に向かっている馬車の中。

隣では怪しさ満載のお母様がニコニコ顏で座っています・・・。


「あのぉ〜、お母様?」

「なぁに?」

「護衛の騎士様はいなくていいんですか?」


お母様が気を効かせてくれたのか、誰かが空気を読んでくれたのか、馬車は見た目質素で、さらに周りには騎士様が見当たりません。


「えぇ、大丈夫よ。移動中は分からないように護衛をしているはずだし、学園内の警備は厳重だから。」

「あっ、そうなんですか。」

「エリクがその方がいいって手配してくれたのよ。」

さすがお兄様、ぐっじょぶです!


「それに御者をやってくれてるのが騎士団長ですから。」

そうなんですか・・・・って!

「きしだんちょぉぉぉぉぉ!!!」

今の叫び声が聞こえたのか、前方の窓から騎士団長様が笑顔で振り向いてくれます。

あっ、ほんとだ。


「なっ、なんて恐れ多い・・・。」

「あら、騎士団長が自ら名乗り出てくれたのよ?アリスに何かあっては行けないからって。」

「あはは・・・そうなんですね・・・。」

「はじめは陛下が変装して御者をするって聞かなかったんだけど、トラブルがあった時は騎士団長の方が対応しやすいからって。」

いやいやいやいや、お父様それアウトですから!!


前方の窓を見ると騎士団長様が笑顔で親指を立てて見せてくれます。

ありがとうございます騎士団長様!今度お礼をさせていただきますから!



そんなやりとりをしていると馬車が止まりました、どうやら到着したようです。


執事っぽい服を着た騎士団長様が、ドアを開けて馬車からエスコートをして降ろして下さいます。

あっ、変装していたんですね。

降りる時騎士団長様にだけ聞こえるように「ありがとうどざいます。」「いえいえ、どういたしまして。」

小声でお礼を言ったら、笑顔で同じく小声で答えてくださいました。

お仕事ができる人はやっぱり違いますね!


「それじゃアリスまた後でね。」

「はい、お母様。」

そう言って私は決められた教室へ向かい、お母様は入学式が行われるホールへ行かれました。



教室に入り決められた机に座っていると、皆さん各々で集まったりしてお話しをされています。

やはり顔見知りさんとかがおられるのでしょうか?なんだかアウェイ感をひしひしと身にしみてします。

今までお城からほとんどで出た事がありませんから・・・。


一人で何をするわけでもなく、座っているとしばらくして女性の先生らしき人が入って来られました。

先生は全員が席に座るのを確認してから自身の自己紹介をしてくださいます。


「本日より1年間担任をさせていただきます、マリーミントといいます。」

マリー先生ですね!覚えましたよ。


さぁ、これから学園生活のスタートです!


ドタバタ非常識、アリスの成長を温かく見守ってください。

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