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久しぶりの文芸部室


放課後。俺は反省文5枚を魔宙先輩に提出した後、久々に史郎先輩から文芸部員宛の招集連絡に従って、文芸部室にやってきていた。既に俺以外の全員は揃っているようで、思い思いに好きな事をしている。例えば、京治は相変わらず桃芽先輩の傍でなにやら話しており、史郎先輩は読書に耽って、新は菓子にたかる雫に絡まれていた。


「あ、兄太君。久しぶり」


京治の話に耳を傾けていた桃芽先輩が俺に気づいて微笑みかけてくる。それに対して頭を軽く下げて扉を閉める。これで文芸部員が全員揃った。


「さて、兄太君も来た事だし…改めて、みんな久しぶりだね。元気そうで安心したよ」


史郎先輩は読んでいた本を閉じ、全員の顔を見た後に心の底から嬉しそうに告げる。かく言う俺や京治達も、久々の史郎先輩と桃芽先輩の元気な様子に安心と共に実家に帰ってきたかのような気持ちを得ていた。


「いやぁ、ほんっと先輩方に久々に会えてめちゃくちゃテンション上がるっすよ!なぁ、ケータ!」


京治は相変わらずのハイテンションで俺の背をバンバンと叩いてくる。普段なら軽くデコピンでもしてたが、今回は許してやろう。


「それで史郎先輩。僕達を集めたのはどういった用件なんですか?」


ボリボリと煎餅を頬張る雫に絡まれながら新が尋ねる。確かにそれは気になる点だ。先輩達の受験勉強の為に部活はお休みになっていた。まだ終わっていないはずだが、息抜きが目的なのだろうか?


「なに、大した用件ではないよ。まだ早いけど予定を立てるなら直ぐにっと思ってね」


「…予定?」


史郎先輩と桃芽先輩以外が首を傾げる。そんな俺達に史郎先輩はニコリと微笑みながらこう提案を持ちかけてきた。


「どうだろう?夏休みに皆で旅行しないかい?」


「・・・旅行」


おそらく史郎先輩や桃芽先輩にとっては今年が俺達と遊べる期間だと思っているのだろう。正直、二人が卒業しようとも遊ぶ機会を無くすつもりは到底ない。それは俺以外の奴らも思っている筈だ。然し、部活動としての思い出となれば別の話だ。卒業してしまえば部活動の一環とはならない。


「旅行って、どこ行くんすか!? 」


「部活動メンバーでの旅行か。楽しみです」


「私も!私も!美味しいものたくさん皆と食べたい!!」


京治、新、雫が嬉しそうにそう答える。


「彼らはそう言ってるけど、兄太君も大丈夫かな?」


「え、あ」


出遅れてしまった俺に全員の視線が集まる。なんて言うか緊張する。でも、元々断る気なんてないし、むしろワクワクしている。


「そりゃもちろん行きますよ」


「よし!それじゃあ何処に旅行するか話し合おうじゃないか」


その後、俺達は遅くまで旅行の予定を話し合っていた。

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