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イケイケJK三人組



午後の授業が全部終わり、学生の責務を終えた慈愛園生達が仲のいいグループと共にショッピングモールやゲーセン、飲食店やらに遊びに行く中、上の空で授業を聞いていた俺はというと、華薇先生だけでなくその後の科目を担当している教師陣からも課題量増加の罰を申し付けられた後、相談室に向かっていた。


「--はずだったのだが、どうしてこうなった?」


視界に広がるのは、偉そうにフカフカの椅子(相談室に不要だろう)にふんぞり返って座る華薇先生ではなく、


「ケー先輩、何アホ面浮かべてんすか~。早くアーンってしたくださいっすよ~」


「苺香のケーキは食べれないってことっしょ。あんなケーキよりウチのアイス食べろし」


「ほらほら、せーんぱい♪ あんなふたりのことは放って置いて、私とポッキーゲームしましょうよ~」


食堂の椅子に座る三人のイケイケJK。


「えっと…は?どういう状況??」


自分の置かれている状況が分からない。何故、相談室に向かってたはずなのに真逆の方向にある食堂で、イケイケJK三人組に餌付けされているんだ?? そして何故、俺は野郎共からとてつもないほどの殺意を向けられてるんだ??羨ましくて代わって欲しいなら代わってやるから話しかけに来い、野郎共。そんな遠くから殺意向けられても俺のメンタルがブレイクされるだけだぞ、まったく。


「えっと、悪いがアーンしないしアイス食べないしポッキーゲームもしない。というかそもそもお前らと遊んでる暇も俺にはない」


男なら嬉しくてウキウキ笑顔な展開ではあるのだが、俺には華薇先生が待つ相談室に一秒でも早く辿り着くことの方が百億倍重要だ。だって殴られたくないもん。


「え~。近い内に一緒に遊びましょうって約束したじゃないっすか~」


そう言って不機嫌そうに唇を尖らせるイケイケJK3人組の1人である苺香。


「そーそー。滅多にないギャルゲイベ展開をウチらと楽しむし」


語尾の『し』と一人称が『ウチ』呼びという特徴を有した金髪の彼女は苺香の友達である柚木原(ゆずぎはら)乃々(のの)。なぜか京治と仲が良かったりする。


「苺香と乃々はここに放置して、私とあんな事やこんな事して遊びましょーよー」


そう言って過度なボディタッチをしてくる黒髪の彼女は苺香と乃々の友達(多分)である紫垂(しだれ) 彩凪(さな)。ちょっと脳内おピンク花畑の残念美少女だが、なぜか同級生の野郎共からモテモテだったりする。


「あー、確かにそんな約束したっけか?だとしても今遊ばなくてもいいだろ。なんでこんなタイミング最悪な時に…」


刻一刻と迫る処刑の時間。まぁ、遅かれ早かれどっちみち処刑執行確定だけども、その内容が上がるか下がるかは到着時間によって変動するのだ。このままこんな所で足を止めていたら最高レベルの処刑確定である。それだけは避けたい。せめてちょい上レベルの処刑でお願いしたい。まだ俺は生きていたい。


「最悪なタイミングで遊ぶからこそ楽しいんじゃないっすか~、苺香達が」


「そーそー。ウチらは楽しいから問題ないし」


「そういう私も二人の意見に同意だったりするわけでぇ、それにあんな事やこんな事できるんなら最悪展開なんてどうでもいいでしょー」


しかし悲しい事にイケイケJK三人組はそう言い切る。血も涙もないJK達だ。自分が楽しいなら俺はどうでもいいだなんて…。


「いや、ほんとにマジでまた今度な」


俺はボディタッチの多い彩凪を引き剥がして、席を立つ。


「え~、マジで行っちゃうんすか?ケー先輩」


「マジそれはありえないし」


「せめていい事してからでも良くない?」


そう言って各々反応を示すイケイケJK三人組。


「…はぁ。今週の土日埋め合わせするから、今は許してくれ」


仕方ない、と妥協する俺。しかし、


「あ、それはキビシーっす」


「ウチも~」


「私も~」


驚きの速さで断られました。なんなのこの子達。こっちが下手に出たらこんな態度。酷いにも程があるぞ!


「…そっすか。あ、うん。じゃ」


とてつもなく悲しくなった俺はトボトボと相談室へと向かった。勿論、そこで待つ華薇先生に癒してもらえるわけもなく、地獄を味わうだけでした。


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