しーにゃん先輩とデート ④
注文を終え、しーにゃん先輩が先にとっておいてくれた席に腰を下ろす。昼時という訳でも夕飯時という訳でもないが、少しずつフードコートを利用する人達が増えていた。まぁ、ココにはクレープ屋やタピオカ専門店等もあるから小休止にもオススメだから当然といえば当然なのだろう。
「段々と混んできましたね」
「まぁ、夕飯時じゃないとはいえ、小腹が空く時間ではあるからなぁ」
しーにゃん先輩は頬杖をついて、水の入った紙コップに口をつける。かく言う俺は先程までのドキドキを何とか治め、同じように紙コップに口をつけていた。
「そうえば、先輩は中間試験どうでした?」
俺は共有できて且つ最新の話題を持ち出す。そんな質問に、しーにゃん先輩はなんてことの無いような表情で、
「まぁ、今回も3位以内には入ってるだろうな」
そう答える。極々当たり前のように答えた、しーにゃん先輩は見た目は遊んでそうな不良に間違われたりするが、実の所は超真面目な典型的な天才肌の不良だったりする。それもあり、腕っ節やカッコ良さや人望だけでなく頭の良さも尊敬されて『姐さん』と呼ばれている訳だ。ちなみに俺が『しーにゃん先輩』と呼ぶのは、初めて会った時に猫とニャンニャン語で話していたのを見かけてしまったからだ。まぁ、長くなるのでこの話はいずれどこで話すかもしれないと、頭の片隅に置いといてくれたらありがたい。
「そういうお前はどうなんだ?」
「んー、5位以内に入ったらいいほうっすかねえ。まぁ、今回は自分の事よりもテスト週間中ずっと教えてたバカ2人の方が心配なんですけどね」
「あぁ、リィンと転入生の子だっけか?」
「えぇ。転入生のレヴィは教えてやれば飲み込み早いんですけど、リィンの方はひとつ教えたらひとつ抜け落ちるバカなんで心配しかないですよ…」
俺はため息をつく。
「あー、それは大変だったな。けど、まぁ、私は大丈夫だと思うぞ? お前が必死に教えたんだ。その気持ちは相手にも絶対届いてる。だから安心しろって」
しーにゃん先輩がそう告げた後、リモコン型の受信機が鳴り響く。どうやら先輩側の料理が完成したらしい。
「あとは、まぁ、なんだ。ダメだった時は私に泣きついてこい。先輩である私がまた今日みたいに遊びに連れてってやるからさ」
ぐしゃぐしゃと俺の頭を撫でて、しーにゃん先輩は料理を取りに向かった。1人残った俺は、撫でられた時に感じた優しい感触に、
「はぁ…また情けないところ見せちゃったな」
と小さく呟いた。




