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しーにゃん先輩とデート ③


しーにゃん先輩に手を引かれながら辿り着いたのは慈愛ショッピングモール1階のフードコートだ。ここには、あらゆる飲食店が存在しており、大体のものは出てくる。オマケになかなかの広さで机と机の位置は人が3人は通れるぐらいに設置されている。それもあり、椅子に足をひっかけて見知らぬ人に料理をかけてしまうなんて言うトラブルはそう簡単には起きない。100パーと言えないのは、付き添いがいればソイツにかかるからだ。ただ、見知らぬ人にかけて面倒事になるよりはマシだろう。今日は平日ということもあり、あまり人はいないが、俺達のように試験最終日だった慈愛生はチラホラと見かけた。外の景色が見える席でイチャつくカップルや、ソファ席でタピオカやパフェやらと甘々三昧を楽しむ女の子集団等など。


「先輩は何食べます?」


先導する、しーにゃん先輩に質問する。その問いに『あー、どうすっかなぁ』と考え込む。


「飯は俺が奢るんで、遠慮せずに好きなの食べてください」


俺はニッと笑う。予め、数万程度はATMでおろしてきている。先程はゲームで情けない姿を見せたのだが、ここで少しは男を見せなくては。しかし、


「いや、そういうのいいから」


キッパリと断られた。


「…え?」


予想していた返しとは違う言葉に、俺は停止する。流石に想定していなかった。俺の心がぽっかりと空いた気がする。それ程に衝撃的で落ち込む。


「そ、そんなに嫌でしたか?」


「はァ?あったり前だろ。いちおう私はお前の先輩だぞ? それに、どうせゲームでは情けない姿見せたから、ここで良い姿を見せようとか考えてんだろうが、お前の良さは別にあって、それを私は知ってんだから一つや二つ情けない姿を見られたくらい気にすんなっての」


しーにゃん先輩はなんてことの無いようにごく当たり前のようにそう告げて、飲食店を回る。暫くして、食べたいものを決めたらしく彼女は列へと並んだ。俺は告げられた言葉に一瞬、思考が停止したが、やがて顔が赤くなる。情けなさと恥ずかしさと嬉しさで顔が体が熱い。流石の不意打ちには耐えられない。


「ほら、お前もそこで突っ立ってないで、食べたいもん見つけて並んでこいよ」


先に店に並び、既にお店で注文した料理が出来上がった時にお客様に知らせるリモコン型の受信機を手にした、しーにゃん先輩が俺にそう催促する。


「あ、は、はい!」


先程の言葉が脳裏に焼き付き状態の俺はドキドキとうるさい心臓を誤魔化すように適当に近くの列に並んだ。

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