見送りの付き添い 前編
夕飯を終えた俺は転移で家に帰るリィンとレヴィを見送った後、我が妹様に無理矢理強制的に桔梗ちゃんと翠ちゃんの見送りの付き添いとして肌寒い夜の中、歩いていた。まぁ、外は暗かったし、それに断る理由もなかったから良いけど。俺は欠伸を噛み殺しながら、前を歩く妹華達に目をやる。なんの話しをしてるか分からんが、全員楽しそうだし、水を差さないのが身のためだろう。それにしても、ホントに夜は人の数が少ないな。まぁ、こんな夜道を好き好んで歩く奴なんてそうそういるわけないか。
「ふあぁ……ん?」
ポスっと俺の腹部辺りに何かが当たる。ってきりなんかしらの障害物にでも当たったのかと目をそちらにやると、鼻を押えてこちらを睨む妹華が立っていた。
「なんだ、おまへぶっ!?」
我が妹だと安心した瞬間、股間に激痛が走った。
「…な、なにしてんだ…おま…え」
地面に倒れ込み股間を押さえながら、蹴りあげてきやがった我が愚妹を見やる。しかし返ってきたのは侮蔑の籠った唾でした。…こ、こいつ…どこでこんなはしたないことを覚えてきやがった!!
お兄ちゃん、そんなこと教えた覚えないぞ!ちくしょう!!何処の馬の骨が教えやがった!
「ふん!お兄が悪いんだからね」
そう言ってスタスタと歩いていき、とある家の前で止まる。確か、この家は桔梗ちゃん所だった気がする。…あれ?てことは…純恋さんもいる訳だな!さすがにこの体勢は見られたくない。
「ぐおお…ぬおおお!」
俺は痛む股間から手を離し、気合いで立ち上がる。ちょっと足がガクガクしてるがこれは武者震いだ。うん、そうに違いない。ヘタヘタと壁に手をつきながら桔梗ちゃんの家の前まで辿り着く。すると、予想通りそこには--
「あ、兄太さんもいらしたんですね。毎度毎度、妹がお世話になってます」
あまりにも可愛い微笑みを浮かべる純恋さんがいた。相変わらず可愛いくて美しい人だ。妹華達がいなければデートの一つや二つでも誘っている所だ。俺は綺麗なお顔をじーと眺めると、ちょっと頬が紅くなった気がする。うん、そんな純恋さんも綺麗だ。と思っていると、他3名の視線がこちらを向いていることに気づいた。位置的に視界に捉えやすかったのは桔梗ちゃんだが、まぁ、なんて冷めたような視線を向けてくるのでしょうか。すっごいイタイ。そんな目で俺を見つめないで!!
そんなふざけたことをしてた俺な訳ですが、我が妹君に尻を蹴られたのでそろそろ翠ちゃんの家に向かいたいと思う。
「えっと、名残惜しいですけど、失礼しますね。純恋さん」
「え?あ、はい」
俺は純恋さんに別れを告げて、妹華と翠ちゃんとその場を後にした。




