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小さな一悶着



昼飯を終えた俺達は、各々家で勉強する組(桜花、新、京治)と別れて帰路についていた。


「ふあぁ……眠い」


「全くだらしない吸血鬼だな!」


「まぁ、珍しく頑張ったみたいだし、俺ん家着いたら暫く寝ててもいいぞ。俺も眠いし」


欠伸をかましながら俺は、おつかれ中のリィンにそう声をかける。普段はダラダラしてるくせに、試験を頑張ったのだから眠いのも無理はない。それにこういうバカは休息を与えとかないと後々に支障が起こる可能性が高い。だから休める内に休ませるのが1番だ。


「ん…そうさせもらうわ」


「うむ。未来の伴侶が休むのなら我も休むことにしよう」


「あぁ、そうしとけ。あ、それと、俺はソファで寝てるから、俺の部屋で寝てていいぞ。リビングだと寝にくいだろうしな」


ググッと伸びをする。ずっと椅子に座っていたこともあり、関節のあちこちがポキポキと小さな音を鳴らす。ダラダラと歩く事、数分後。


「はぁ…やっと家ついた~」


「我、帰還!!」


「ただいま~」


口々にそう言いながら扉を開けると、


「あ、シスコンお兄さん、おかえりなさーい!」


「お、おかえりなさい…。お兄さん…」


「--おかえり」


妹華とそのお友達の桔梗ちゃんと翠ちゃんが出迎えてきた。え?何このギャルゲみたいな展開。疲れた主人公が家に帰ったら年下美少女に出迎えてもらうという幸せシチュ。うむ、悪くない。ってそんなことよりもだ。


「えっと、なんで2人が家に?」


俺は妹華の方を見て質問を投げかけたのだが無視された。まさかのシカトですか?お兄ちゃんとても悲しい!


「もう嫌だなー!シスコンお兄さんったら。今は試験週間です。そして妹華ちゃんの家に集合。あとは分かりますよね?」


桔梗ちゃんがビシッと俺に人差し指を向けて二ッと笑った。暫しの思考時間。


「あ、なるほど。お勉強会」


「そう!それです!ってことなので、イチャイチャするなら静かにお願いしますね♪」


からかう様に笑う桔梗ちゃんがとんでもないことを言い放つ。


「ちょ、そんなことしないから!」


「なっ!ア、アンタそんなこと考えてたの!?」


「む?我とイチャイチャしたいのか?構わんぞ!」


やはりめんどいことになった…。俺は桔梗ちゃんを恨めしげに見やると、


「ささ!2人共、お部屋行こ!」


それをスルーして妹華と翠ちゃんの背中を押しながら2階へと逃げていった。そして取り残された俺はと言うと--


「さぁ、白状なさい。本当は試験勉強と評して私達とイチャイチャしたかったって?」


「我も気になるぞ。未来の伴侶は我とこやつのどちらとイチャイチャしたいのだ?」


リィンとレヴィに問い詰められていた。理不尽にも程がある。俺がなんでこんな目に…。


「もしかして部屋で寝てもいいってのも…寝込みを襲う為だったりするわけ?」


「そ、そうなのか!?」


「んなわけねえだろ!アホか!」


これまたアホなことを言いやがるリィンに俺は叫ぶ。本気で襲う気なんてない。そもそも俺は普通の女の子が好きで人外は好きじゃない。あ、別に友達とかとしては好きだが、恋愛的にはノーだ。


「まぁ、それもそうね。冷静に考えればアンタが寝込み襲うほどの度胸なんてあるわけないものね」


…なんかムカつくが確かにそんなゲスなことはしない。


「はぁ…もう早く寝てこいよ…お前ら」


不幸な目にあい、心底疲れた俺は懇願するようにリィンとレヴィに告げて一足先に洗面所へと向かった。

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