吸血鬼JKの本音
「はぁ…。ほんと賑やかね、この家は」
私は気絶しているケータを布団に寝かせてクスッと笑う。昼食も終えて少し休憩もとったので試験勉強に移る予定だったけど、教育係がこの状態じゃやれないだろう。まぁ、私にとっては助かることなんだけど。昔から勉強は苦手で順位はいつも下から数える方が早い。それに勉強なんかしなくても父の仕事を受け継ぐから問題ないと思っていた。だけど、あまりにも馬鹿すぎて受け継ぐという話はナシになってしまった。それ以来は自分なりに頑張っていたけどダメだった。そんな時に、ケータが教えてくれる様になった。だから感謝はしている。普段は絶対に言わないけど、こんな時くらい言ってもいいだろう。
「いつもありがとう、ケータ」
頬を朱に染めてお礼を告げて、部屋を出ると、
「む?吸血鬼よ、顔が赤いがどうかしたのか?」
レヴィが階段を昇ってきた所だった。なんて間の悪い魔王娘なんだ、と私は毒づく。ただ、気持ちを悟られたくもないし、悟られた所で癪なのでなんでもない風を装うことにする。
「別に。アイツが重かっただけよ」
「ふむ、それならよい。我はてっきり未来の伴侶が眠ってるのをいいことにいかがわしいことでもしてるのかと思っていたが、どうやら思い過ごしみたいで安心した」
「・・・はぁ。なんかアンタに戸惑った私が馬鹿だったわ。それじゃ、私はもう帰るから」
「うむ!また明日だ!吸血鬼!!」
レヴィは無邪気な笑みを浮かべて告げる。私はそれにヒラヒラと手を振って勉強道具を詰め込んだバッグを肩にかけて玄関へと向かう。その道中で、リビングの方からかすかに声が聞こえてきた。
「全く、お兄のバカ。いつもいつも女の子を家に連れてきて。しかも、よりにもよってあんな厨二病クソブス女だなんて。何がなんでもあんな奴と私のお兄を恋人関係になんてさせないんだから」
どうやらケータの代わりに皿洗いをしている妹華ちゃんの声らしい。あんなにもケータの事を嫌っているように振舞ってるのに、裏ではブラコンだなんて可愛いじゃない。この事をアイツに教えたらアホみたいにテンション上がると思うけど、それはそれでキモイから黙っておこっと。
「兄妹…か」
私はそうぽつりと水滴を零すように告げて、ケータの家を後にした。




