世の中は不思議でいっぱい
俺は家から数分で着くスーパーへと続く道を歩いていた。休日ということもあり、満点の青空の下で子供達が何かを囲ってワーワーとなにやら話している。きっとアリや虫を見て騒いでいるのだろうな、とチラッと視線を向けるとそこに居たのは--
「この姉ちゃん、パンツ見えてるぜ」
「なんかあれだなぁ。ウチの姉ちゃんよりエロいパンツじゃないや」
「お前の姉ちゃん、いつも下着姿で家うろついてるもんな」
子供達に木の棒でスカートを捲られている一人の少女だった。どうやら見る限り気を失っているらしく反応がない。というか、こいつらの会話がタダのエロガキ同士会話で京治と重なって見えてしまう。まぁ、今はそんなことよりこのエロガキ共を注意しておかないとな。
「おい、お前ら」
ポンポンと肩を叩いてやると、
「んだよ、おじさん」
「おじさんもパンツみたいのか?」
「うっわー!おじさん犯罪者じゃん!」
なんとも生意気なことを言ってきた。ふむ、こいつらは懲らしめても許されるな。
「ははは、ちょっとお兄さんと拳で遊ぼうか?」
ニッコリと微笑んで拳をエロガキ共の顔に触れる手前まで持っていく。すると顔をひきつらせたエロガキ共はブルブルと震えながらも、
「な、殴ったら、大人にいいつけてやる!」
「そ、そうだぞ!それでもいいのかよ!!」
「大人はみんな僕らの味方なんだぞ!」
脅してくる。やれやれ、虎の威を借る狐とはこういうことを言うのだろうな。
「ふーん。なら試してみるか? 因みに俺はお前ら以上にここに住む大人達と親交がある訳だが、数年しか生きてないお前らと数十年生きてる俺、どちらを大人達は信じるだろうなぁ?」
圧をさらにかけて笑いかけると、今度こそ子ども達は泣きながらその場を逃げ出した。さて、脅しはしたがちょっと大人げなかったのは反省っと。
「しっかし、この子は何でこんな所で倒れてるんだ? 空腹か、もしくは貧血とかか?」
俺は気を失う女の子のめくれたスカートを元に戻して原因を確認する。顔立ちも結構いいし、こんな美少女がこんな所で倒れてたら危ないだろう。というか、人がこんな所で倒れてること自体が危ない。なぜなんだろうかと悩んでいると、
「ん……んぅ?」
気を失う少女が目を擦りながらムクリと起き上がった。そしてポムンっと何かの音がして少女の全身をピンク色の煙が覆った。その数秒後、煙から現れたのは一匹の犬だ。…は?ってなるだろうが、犬としか言いようがない。困惑する俺に気づいてないのか、その犬(少女?)はトコトコと何事も無かったかのように歩き去っていった。
「…なんだったんだ?」
取り残された俺はそう呟き、頭を切りかえて買い出しへと再度向かった。




